表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
51/117

ビキラ外伝「空と岩とグラグラと」その他

回文ショートショートショート

ビキラ外伝その1「空と岩とグラグラと」の巻


「あら、可愛(かわい)いちぎれ雲」

   空を見上げてつぶやく魔人ビキラ。

「いいわねえ、雲はノンキで」

  散歩に疲れたビキラは、

「どっこいしょ」

  と言って、路傍の毛の生えた岩に腰をおろした。


ギョッ! とする古書ピミウォと、岩。


しかしビキラの肩の上のピミウォも、ビキラの尻の下の岩も黙して語らない。

(まあ、岩と思っているのなら、それで良いか)

  ピミウォも岩も、そんな感じだった。


ビキラは、街頭テレビで見たワイドショーの話を始めた。

「あのワイドショー、間に入るコマーシャルの方が面白かったわよねえ。ピミウォ、あなたどう思う?」

「まあ、本編より巻かれたオビの方が面白い本もあるからのう」

ピミウォは、ビキラの尻に敷かれた岩を気にしながら、返事をした。

「それぞれで良いのではないかな」


「なんだかグラグラするわねえ、この岩」


岩はビキラのその言葉を聞いて、五体にチカラを込めた。


「あら、グラグラが(おさ)まったわ。あたしの言葉が聞こえたのかしら?」


岩と間違われたその巨大な生物に、聞こえたのだった。



(寡黙な蜘蛛か)

かもくなくもか?!



***     ***     ***



回文ショートショートショート

ビキラ外伝その2「刑務所の慰問」の巻


絵画怪盗ガマ吉が収容されている刑務所にも、慰問(いもん)は来た。


歌手。落語家。古典大道芸人。

  そしてガマ吉。

ガマ吉は受刑者であったが、飛び入りした。

  新政府の刑務所は寛大だったのだ。


真人間になってしまったガマ吉は、盗みではない方向に、その得意な(また)を活用し始めていた。


「あ、さて。あ、さて。あ、さてさてさてさてさては南京(なんきん)玉すだれ!」

ガマ吉は軽妙な口上と共にガニ股から玉すだれを出した。

「ちょいと伸ばせば玉すだれ。ちょいと曲げても玉すだれ!」

自慢のガニ股より、次から次へと玉すだれを出すガマ吉。

  玉すだれ手品(マジック)だった。


(よし、ぎりぎり(かぶ)ってない!)

     古典大道芸人は、ホッとした。



(玉すだれ出す股)

たますだれだす、また!

「ガマ吉」のリクエストがあったので、書きました。

予定外の善人バージョンも書けて、個人的には良かったです。


今日は「幻日(げんじつ)」を見まして、「幸運のきざし」だそうなので、関連は不明ながら、明日も「ビキラ外伝」を投稿しようと思いました。

「ビキラ外伝」12月2日、お昼のほぼ12時台に投稿の予定。在庫が出来てきたのかも知れません。


回文妖術師ビキラの冒険ファンタジー、

「魔人ビキラ」本編は、12月3日の、お昼ほぼ12時台に投稿の予定です。


「幻日」に関しては「活動報告」に書きました。

一ヶ月以上経ってから、活動報告、始めましたのです。

「魔人ビキラ」「ビキラ外伝」ともども、よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] もしもビキラが蜘蛛に座っていた事に気付いたら……ゾッとするよ 平和に終わって良かった(
[良い点] 真人間になってもガマ吉の股はすごいわ。 ちゃんと回文が有って、マタすごいわ。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ