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終点  作者: やまの からす
4/5

スイートピーの駅④

「こんな所行きにも通り過ぎたっけ?」

光の先をそのまま走らせると線路が見えた。


スイートピーの駅


今日見たすすきに負けないくらいの一面に広がったスイートピー。

大好きなスイートピーを見た瞬間菜摘は気付いた。あれ?スイートピーって秋に花咲くっけ?


「菜摘ちょっと車から降りて写真撮ろ!」

こんなところにインスタ映えスポットがと言わんばかりにはしゃいでいる陽菜に呑まれ菜摘も車から降ろされる。


「まさかこんなところにもあったなんてね」

「私下調べした時はなかったんだけどな」

陽菜は完璧と言って良いほどいつも出かける前は下調べをネットでしてくれる。その陽菜も見つけられないスポットとはよほどレアだ。

「すすきのと違ってこっちは自然に花が生えてるのかな?地元民しか知らないスポットなのかもね」

この時期のスイートピーって自然に生えてくるのかな?陽菜の言葉をよそに考えていると、先程すれ違った女子中学生2人が足早に駅まで来た。

やはり電車に乗るために歩いてたのか。この距離なら歩いて行けるわ。


松田聖子の「赤いスイートピー」

が駅のスピーカーから静かに流れている。田舎の駅だけあり簡素な作りだがそこがまた良い味が出ている。


「ずっと曲が流れるのって珍しい駅だよね」写真を撮りながら陽菜が感心しまくっている。

「曲と咲いてる花をマッチさせてくるってなかなかないよね」

この際いつスイートピーが咲くかなんてどうでも良いか。と菜摘が割り切っていると


「まもなく1番乗り場に列車が参ります」

電車のアナウンスが入り2両編成のこじんまりとした、いかにもローカル線な青色の電車がやって来た。


「しばらくすれ違い電車が当駅に到着する兼ね合いにより10分程停車いたします。発車までしばらくお待ちください。」

と言っても今のところ乗ってるのはさっきの中学生2人と背の高いスケッチブックを持ったお爺さんが1人。たったの3人しか乗っていない。

ローカル線は乗る人が少なすぎて段々廃業していくのかな?と菜摘は謎に初めて見た電車の将来が心配になった。

「菜摘、次来たらこの電車乗ろうよ。」

「確かに。たまには電車旅もアリだね。」




「はぁ、間に合った。」

後ろから息を切らしたいつも聞き覚えのある声がした。



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