スイートピーの駅
目が醒めると山の中だった。
まだ日が暮れる前の16時くらいだろうか。バイト先の友達、陽菜が目の前にいた。
「菜摘いつまで寝てんの?」
そうだった。私は陽菜と今日はインスタ映えスポットに行ったのちランチ食べ過ぎて眠たいからって山を降りる途中で車停めて寝てたんだった。
綺麗なすすきが一面に広がる田舎ならではのスポット。私も陽菜も都会に住んでいる。だからちょっと家から歩けばコンビニ、スーパー、ドラッグストアに大きな総合病院色々と揃っているのだ。ただこの街に足りないのは癒しスポットだ。人工的に作られたバッティングセンターでもカラオケでもボーリング場でも時に自然には敵わないのだ。
「ねえ今度ここ行こうよ」
「やば、めっちゃ綺麗じゃん」
バイトの上がりはだいたいインスタで癒しスポット探し。全然幼なじみでもないけど、初めて会った日から会話に困ったことがなくお互い気を遣わなくて良かった。
「そんな自然ばっか見に行って飽きねーのかよ」
「飽きねーから行ってんの!てかあんた今日まだ働き始めて20分しか経ってないよ。仕事してきな」
「はいはーい」
こいつは蓮。こっちは幼なじみなのに全然気が合わない。犬猿の仲と言う奴だ。
「ようやく仕事しに行ったわ」
表に出ていく蓮の後ろ姿に思わずボヤく。
「菜摘って蓮には厳しいよね。」
「そうかな?ずっとあんな感じで十数年きてるからね」
「えー何か良いな。私もそういうの憧れる。しかも蓮イケメンだし。」
「もしかして蓮の事狙ってる?」
「…うん」
「まじか」
衝撃が落ちた




