決着のつかない戦いが再び
私たちはなぜであったのか
なぜ彼でないといけなかったのか
全ては前世からの宿題を背負い生まれてきたから
そして、今世でもまた私たちは宿題を解決できたのだろうか?
いやまた来世へもちこすのだろうか?
来世では幸せになれるのだろうか?
なぜ彼と出会ったのか
なぜ彼だったのか
全ては輪廻転生
私は春が大嫌いだ。
別れがあれば出会いもある、それが春だ!
っというけれど、私から言わせれば
"別れのためだけに用意された出会いだ"
と思っている。
別れに進むためだけに出会い過ごしている。
そんな春に惑わされるのはもうごめんだ。
そもそも春が嫌いになったのはいつからか。
そうだ
彼と付き合い始めたのも春だった。
25年前、
中学生の私達は男女のグループで遊んでいた。
学校も住む地域も異なるグループだった。
彼はその中にいたのだけれど、
何度思い返しても彼の第一印象が思い出せない。
そんな出会いだった。
興味も全くなかった彼と
何故また会ったのか、
なぜ彼を選んだのか、
未だに理由はわからない。
半年が過ぎ、高校生になった。
周りは彼氏作りラッシュで浮き立っていた。
女子校という男子がいないはずの状況で、
みんなはちゃっかり彼氏を作っていた。
そう、完全に私はスタートから出遅れたのだ。
焦った私は、
中学の3年間仲良くしていた文香に頼み込んだ。
「お願い!誰か紹介して!!」
「いいけど、私の彼氏の友達だからちょっと
ヤンチャ系だよ!?
紗織だいじょうぶなのー??」
文香は、私には合わない人しか紹介できないと言わんばかりに返答をした。
文香は間違っていない。
私のタイプは、真面目でメガネをかけている人だ。
ヤンチャ系の人と合うわけがないのだ。
私は泣きついた。
「文香おねがい!!
じゃあこの間、グループで遊んだでしょ?
その時にいた細い人紹介して!!」
文香は困った顔で
「誰それ?そんなのいた??
まあいいや確認する」
そう言うと男子側の幹事に連絡をしてくれることになった。
その時、ほっとしたのは今でも良く覚えている。
なぜなら私自身、本当にそんな彼がいたのか
記憶になかったからだった。
こうして連絡先も名前も知らなかった2人に接点が用意される事になった。
思えばこれが悪魔との契約だったのだろう。
私は目の前の事だけを考え、
悪魔と取引をしてしまったんだと思う。
いや、もしかすると
前世からの縁なのかもしれない。
前世と今世は繋がっている。
私は前世でのやり残しを今世で果たそうとしていたのだ。
幹事との連絡を終えた文香が私に言った。
「連絡先教えておいたからね。
彼から連絡来ると思うからがんばるんだよ!
何があっても逃すな!
だってあんた2週間後誕生日でしょ」
文香に言われハッとした。
忘れていたが私は2週間後に誕生日を迎える。
1人だとしてもきっと友達が祝ってくれる。
でも、やっぱり彼氏に祝われたい。
とても気持ちが焦っていた。
そう、焦りすぎて顔もロクに覚えていない相手に自分の想像を映して、彼と付き合うつもりでいたのだ。
今から思えばそんなに焦る必要はなかった。
ましてや彼でなくても。
何度も言うが、なぜ彼なのか今でも謎だ。