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異世界ばとるすぽーつ!  作者: 司真 緋水銀
第1章 異世界と球技アイスクラッシュヘヴン
9/30

はちたまっ!

『おっと!まるでハリケーンの如く縦横無尽に相手陣地を駆け巡るフウジン選手が何故か止まってしまったぁ!そして対峙するのはシルファニア選手とアルム・ド・ロンド選手!アルム・ド・ロンド選手は他の試合でも謎のサポート役として未だにその能力は判然としていないが果たしてその力なのかぁ!?』

『空間の魔女…充分ありえる。観客の中にも能力の解明をしようと他国選手が来ている、果たしてこの試合中に解明するか…そしてフウジンはこれをどう捌く?』


----------------------------


「ちっ……!」


動きが止まったフゥちゃんはボールをしっかりと脇に抱える。


「みゃはははぁ、さてボール奪っちゃおっかな~」

「ふふ、正しい。ただの暴れ者がボールを持つよりかはね」


「やってみろ」


【暴風廻間斬】

ゴオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォッ……!


うわぁっ……!

フゥちゃんが剣を振るとまたあちこちに風が発生する。

今度は黒く渦巻く竜巻っ…!

相手陣地は渦巻く鎌鼬と竜巻でもはや地獄みたいな風景になってるよ!

でも、それでも相手チームの皆は冷静に静かに…ボールを持つフゥちゃんと対峙する二人を見守っている。


(ちぃっ…!相手の能力か…?足が動かない…!だが、身体さえ動かせれば問題ない!二人まとめて叩き潰す!)


【暴乱旋風斬】

ザザザザザザザンッ!!!


『おっとぉ!フウジン選手!対峙する二人の魔女の周囲を取り囲むように竜巻を発生させたーっ!そして風による衝撃波で攻撃っ!王国剣士vs二人の魔女がここに開戦ーっ!』


ボールをキープしようとする選手と奪おうとする選手の戦いはあくまでプレーの一つ、反則にはならない。

でも………それは…プレー内による戦いならどこまでやってもいいってこと…。

ボールの奪い合い……戦い!

フゥちゃん…っ!


「みゃはははっ!効かないよーだっ!」


バサァッ!!


「!」

相手の小さい子が迫りくる衝撃波を片手で振り払う。


「アタシは『風』の魔女、同属性には効果は半減するって知ってるよね~?力の差がなければ半減どころか全くの無意味!」

「………ちぃっ!だが…それはこちらも同じ事だ」

「まぁ確かにそうね。悔しいけどアンタとアタシの実力は拮抗してるみたいだから……だけど」


【ネオ・サイクロンストーム】


【空間華劇『花』】


ひらひらひらひら…ゴオォォォォォォォォォォォォッ!


「こっちにはもう一人いるのよ!アタシが攻撃のサポートにまわればそれは単なる風に過ぎないっ!」


「!!」


ザシュッ!ザシュザシュザシュザシュッ!


「フゥちゃんっ!」

フゥちゃんの周りだけをピンク色の花びらが風で舞う。

あの花びら…一体どこからっ!?

しかも……地面に落ちずにフゥちゃんの周りだけをひらひら舞ってる!

そして…花びらが舞うごとにフゥちゃんの鎧に傷がついていくっ!?

顔にもっ!?

フゥちゃんの頬から血がっ……!?

どうして動いて避けないの!?


「きっと動けないんですっ!あのアルムっていう選手がきっと何かしているんです!」


あの宝塚みたいな女の人っ!?

確か……『空間』がどうだとか……空間の魔法って一体何っ!?

『風』とか『氷』とかならわかりやすいのに……っ!!


ザッザッザッ……

「中々鋭いわね、まぁわかったところでどうしようもないけど」


……えっ!?

相手キャプテンさんがこっちに歩いてきた!?

ミーちゃんがそれを見て声を荒げる。


「何ですか!?今わたし達は回復中でプレーの外です!わたし達に手出しすれば反則ですよ!?」

「勿論知っているわ、だけど…我がボールを持てば貴女達は「障害物」。障害物を払いのけるのはプレーの一環よ、それなら審判も文句のつけようはないわ。そうでしょう?」


シュンッ!

またどこからか現れた審判さんがそれに答える。

「ん~そうねぇ…まぁボールを持って進むルート上に敵がいれば排除するのは当然ね。妨害の意図があるかないかなんて本人にしかわからないわけだし~…回復中のケガ人だって動く隙を伺ってるかもしれないし~やり過ぎでなければよしとしましょう」

「…!そんなっ…!」


ケガ人でもフィールド上にいれば選手とみなすのはわかるかもだけどっ……!

……ううん、確かにルール上仕方ないかもしれない。

フィールド上にいれば泣き言は許されないんだ……地球でもそうだった。


「というわけよ、我はただボールを待つわ。ボールを奪ったら……その時は覚悟なさい」


フゥちゃん……っ!


ザシュザシュザシュザシュザシュッ!


「ちぃっ!!」

『おーっと!フウジン選手の周囲にだけ飛ぶ花びらでフウジン選手がどんどん傷を負っているーっ!?何なんだあの花びらはーっ??』

『恐らく…あれは単なる道具。鋭利な刃で形造った手投げ刃みたいなもの…その花びらを動かしているのはシルファニアの風の力…でもフウジンが避けないのと花びらが飛散しないのが理解できない。あれがアルムの能力…?』


「ふっ、正しい。そのまま大人しくしていれば動けなくなるくらいまでで済ませよう、どうやらうちのリーダーは氷像を壊したいみたいだからね。再起不能になってもらっては困る」

「みゃはははっ!い~いザマね!大人しくボールを寄越しなさい、そうすればこれ以上傷つけられなくて済むかもよ!?」


ダメっ!!

これ以上見てられないよ!

何もできないかもしれないけど…っ、私がボールを受けとって気をそらすしかないっ!


「フゥちゃ…っ!」

「動かないで」

ザシュッ!!


……え?

私の足元に鋭利な氷が突き刺さる。

紫色したフィールドの氷に水色の氷が突き刺さってヒビ割れしている。


「貴女も我の標的なの、ここで再起不能にしてあげたっていいのよ?我には一つペナルティがつくだけで貴女達は敗北。…それでもいいのかしら?」


……そんな…私が傷つくだけならいいけど……私が倒れちゃったらチームの負けになっちゃう…。


「わかったら黙って行方を見守りなさい、どちらにせよ…貴女達の敗北に変わりはないけどね」


……フゥちゃんっ……!



ザシュザシュザシュザシュッ!


「…………」

『フウジン選手防戦一方ーーっ!!さすがに魔女二人の相手はきつかったかーっ!?』



「………まったく、どいつもこいつも……甘っちょろい。…貴様らを叩き潰す事に………変わりはないっ」ギロッ……!






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