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異世界ばとるすぽーつ!  作者: 司真 緋水銀
第1章 異世界と球技アイスクラッシュヘヴン
6/30

ごたまっ!

ピーーーーーーーーーーッ!!!


ワァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!!!


鳴り響く笛と木霊する歓声の中、遂に異世界球技『アイスクラッシュヘヴン』がスタートしたよっ!


「わわっ!!?」


氷の加護ってやつでまともに氷上を歩けるようになったけど…坂道でデコホコした起伏のあるフィールドは油断すると滑りそうになるよ!

上から見るのとはまた違う。

さっきは坂の頂上にいたから相手側の氷像も見えたけど…下にいると相手陣地側の坂もあってよく見えない…

ていうか相手チームのメンバーもどこにいるか見えない!

かくれんぼみたいだよ!


「スポーツ面だけではなく…戦術も取り込むようにして産まれた球技ですから…身を隠して好機を窺うというのも戦略の一つなんですよ」


隣にいたミーちゃんが解説してくれる。

なるほど~地球にも戦いを起源にしたスポーツとかもあるもんね!

でもポジションについたはずなのにミーちゃんが何でこっちに?


「ミュリフォーリアさんからおたまさんの側につくように言われたんです、さっきの事で…相手キャプテンさんに狙われる可能性が高くなりましたし…ケガを負わせるわけにはいかないって」


ミュリお姉さん……


------------------------------------------


『さぁー!始まりました!アイスクラッシュヘヴン一回戦!ここからはよりわかりやすくなるよう、そして選手の邪魔にならぬよう観客席にだけ届くよう映像からお届け致します!モニターを御覧ください!』


パッ


『観客の皆様にもわかるよう氷像と全ての選手にパーセンテージ表示をつけました!現状は皆100%!これは選手の体力と耐久値を合わせた数値!分かりやすく『HP』と表示するよ~。これが完全に0になると再起不能!リタイアとなります!』

『ボールアイ王国は控えの選手がいない、つまりボールアイの誰かが0になった時点で反則行為でもない限り試合はアースリンドウの勝ち』

『そういう事になります!そして氷像の表示!こちらは言うまでもなく氷像の耐久値!これが0になりますと氷像は氷像として判別不可能と判断!つまり0にした時点でそのチームの勝利!』

『大きすぎると狙いやすくなるし部分的に脆くなる箇所もできてくる。大事なのは頑丈さ。両キャプテンの腕の見せ所』

『そう!氷像を創るだけでも既に勝負は始まっている!さぁ先に氷球を持つはボールアイ!一体どんな攻撃を見せるのかっ!』


------------------------------------------


ワァァァァァァァァァァァァァ……


実況さんと解説さんの声はもう届かない。

聞こえるのは…観客の歓声と選手達の息づかい……そして。


「いくわよフウジンっ!!」

「わかっているっ!ボールを寄越せ!」


パシッ!


ピキピキピキピキピキピキピキピキピキッッ!


『アイスメイクロード』!!


「わぁっ!」


中央の坂道頂上から新たな水色の氷の坂道が出来上がったよ!

相手陣地を横断するように緩やかな弧を張って……ミュリお姉さんの魔法っ!?すごいっ!


ビュンッ!!

シャァァァァァァァァッ!!


その上を物凄いスピードでフウちゃんがボールを持って滑っていく!

凄い速いよ!もう相手の陣地後方に迫ってる!


「風の如くすぐに終わらせてやろう!!」


チャキッ!

ガキィンッ!

【暴化旋風斬】!!


ゴオオオオッ!!!


うわぁっ!

フウちゃんが剣をバットみたいに使ったよ!

でも氷の球は斬れずに風と力の勢いで氷像めがけて飛んでく!

動かす事しかできないって本当なんだ!


オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!


竜巻みたいな風に押されて球は氷像に一直線!

あの勢いなら一発で壊れちゃいそうだよ!


「いけーっっ!!」



「ふぅ…甘く見られたものね。カタリール」

「そうですね、マリア」


ストン


え……?

暴風により押された氷はまるで何もなかったかのようにストンと相手チームの眼鏡さんの手元に落ちた。

フウちゃんが出した暴風は球を失って氷像めがけて突き進んでいく。


シュウウウウウウウウウ……


『おーっと!フウジン選手の手によってアースリンドウの氷像めがけて放たれた球は何故か勢いを失ってカタリール選手の手に落ちたぁ!氷像へ向かう暴風は台座にかけられた『アンチマジック』の力によって消されました!これは故意にではないのでフウジン選手にペナルティはありません!』

『アースリンドウのカタリールは重力使い、たぶんその力』


何が起きたの?

あの眼鏡の女の人は…確か属性が『重力』って……まさか球に重力をかけて落としたとか!?


「ええ、私の加護は重力。そんなつむじ風など問題になりません。ですが…これは由々しき問題ですね…私達の恐ろしさを知らない者がいるとは…身を以てわからせてさしあげましょうか」



「……甘く見ているのはどちらかしら、ね?」


ピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキッ!!!


「!!!」


わぁっ!

眼鏡女性の手に落ちた氷球から根っこが生えてきたよ!?


(……あれ?何であんな遠くにいるのに私状況がよく見えるんだろ?)


いや、それよりも!ミュリお姉さんが何かしたのかな!?

氷の根っこが凄い勢いで成長していくよ!


ピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキッ!!!


「あらかじめフウジンにボールを渡す時に魔法をかけておいたのよ、そのまま樹となり氷像へ向かいなさい」


ピキピキピキ……ゴオッ!!


わぁぁぁっ!?凄いよ!

氷球を持ち上げた氷の樹の幹が真っ直ぐに氷像へ向かっていくよ!

距離が近いしこれならっ!



ガキィンッ!

バキッ!!


「「!!」」

「言っただろーが、甘く見てんのはそっちだ」


……え?幹が……途中で折れちゃった!?どうして!?


パァァァァッ!!!


「当然だろ、俺の加護は『防御』。氷像の周りには魔力障壁の壁が張ってある、俺がここにいるうちは氷球は通さねぇよ」


ヤンキーみたいな女の子が氷像前に堂々と鎮座する。

あの子の力!?

どうやらあの子が何か魔法を通さない見えない壁みたいなのを作っているらしい。

そんなのどうしたら…!


ヒュッ!

バッ!!


「ミャハハ!ボールゲットー♪さーて…じゃあ壊しにいくよー!」

「ふふふ、正しい。そして……すぐに決めてやろう」


「当然よ、制限時間なんてないと思いなさい。この一撃で終わりにしてあげる」








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