【6位】加藤麻里編
このクラスに一人私のおもちゃがいる。
一年生の頃から皆から無視されているそいつを構うのは私と里美くらいだった。里美はパシリとして使っているみたいだけど私はそんな意地悪はしない。寂しそうだからたまにいじってやっているんだ。
この前だって、消しゴム拾ってくれたからお礼に話し掛けてやったの。なんにも返事がないからつまんないけど。
それなのに、なぜか最近そいつは里美と仲良くなり始めた。
パンとかも里美が買ってくるようになったし、凄いくっついてイチャイチャしてる。
なんか悔しいから声を掛けてみた。
「お前のすね毛きもいなー」
そう言うとなぜか里美が間髪いれずフォローした。
「大人だから仕方ないよねー」
悔しい……それよりも悔しかったのがその後のそいつの態度だ。
「お前も大人にしてやろうか」
そう言いながら大きく開いたブラウスの胸元から里美の柔らかい所を直接触りだした。里美はそいつの目を上目遣いで見てやがる。
悔しい、悔しい、悔しい。
やっぱり男は大きい方が好きなんだ……なにも声が出なかった。
体育の授業の前に里美に呼び止められた。なんかちょっと待っててと言われて一人教室から窓を眺める。
白く濁った透明なガラスは空高く登りきった太陽に照らされて時折白い閃光を放っている。その向こう側にある茶色い空間に集まりつつあるクラスメイト達。自分も早くそこに行かなきゃなんだけど、里美はまだだろうか。
そんなことを考えながら窓の淵に手を置き茶色の奥に広がる緑に目をやったその時、腰になにか強い力が働き下半身に風を感じた。
足元を見ると私の下半身を守っていたはずのものが全て下ろされている。
それと同時に私の中になにか知らないものが侵入してこようとしていた。それは入り口からなかなか進めず困っているようだった。それでも無理やり入ろうとする。痛い。とてつもなく痛い。
それでも逃げない私は何を考えているのだろうか。大人への憧れ、里美への嫉妬、わからないけどガラスに反射する侵入者の主人とはしっかり目が合っている。
私は侵入者を迎え入れることにした。腰に置いてある“そいつ”の手を掴み、自分の触ってほしい場所に案内する。小さいけど感度はいいんだから。
無理やり引っ張ったことで“そいつ”の体が私の背中にくっついて熱を伝えてくる。あったかい。
温もりを感じたまま体勢を低くし、丸出しの下半身をつきだした。侵入者は私の一番奥まで入ってきたり出ていったりを繰り返し始めた。
これで私は大人になった。……いや、まだだ。
里美ほどとは言わなくてももっと大きくなりたい。
初めてに疲れ果てた私の頭を優しく撫でている“そいつ”にお願いする。
「もっといっぱいしてね」




