【7位】相澤里美編
ヒロイン目線のお話です。
あくまで“おまけ”です。
強いて言えば描写の練習ですので読まなくても大丈夫なとこですが、読んでもらえたら嬉しいです。
三年生になったばかりの新しい風吹く春が夏の熱風に吹き飛ばされそうになる頃、私の心の中にある変化が起き始めていた。
加賀見太郎は一年生の頃からずっと皆にいじめられている男の子。一年生の夏に、あんまり可哀想だったからうつ向いて誰とも目を合わせない彼に声を掛けたのがきっかけで少し仲良くなった気がする。
彼は「◯◯買ってきて」っていうとちゃんと走って売店まで行き買ってきてくれる優しい子。一時期、麻里が彼のことを「里美のパシリ」って呼んでたけど、これは声を掛けてあげてる私の優しさと、買ってきてくれる彼の優しさだ。決していじめじゃない。
三年生になった最近、なにも言わなくても丁度私が欲しいと思っていたツナマヨを挟んだサンドウィッチやちょっと平べったいクリームパンとか買ってあることがあって感心する。たまにだけどね。
そんな優しい彼を見る目が少し変わったのは昨日の出来事がきっかけだった。
いつものように「パン買ってこい」って声を掛けてあげたら、少し間を開けてゆっくり私を見上げた彼は「一緒に行こう」って勇気を絞り出すように言ってきた。その顔はなんだかいつもより自信ありげで、今までの頼りないイメージからちょっと可愛い男の子ってイメージに変わった。
小さな歩幅で力無く進んでいく彼の後ろを歩いて行く。
長い廊下を進み人混みをかき分け階段を降りる。なんか一華と二葉が「ボコるなら手伝うよ」って言ってきたけどちゃんと「違うよ」って言っておいた。やっぱり彼は皆にいじめられているんだなって悲しくなった。
階段を降りて右手に売店があったけど、彼は左の廊下を進み始める。(なんでだろう)とは思ったけど、毎日買ってきてくれている彼を信じ、とりあえず付いていく。
アルミで出来た軽い戸が不協和音を響かせながら横に開き学校の中庭に出た。見る限り誰もいない。当然、何かを売っている気配もない。
建物の凹凸の影に入り彼は私の腰に手を回し私を引っ張る。校舎のコンクリートの冷たさと同時に、彼の腕の温もりを感じた。
(これはもしや…………告白ってやつか!!!)
心臓の鼓動が早足になる。彼は意外と大胆だ。
彼のもう一方の手が、私の足とスカートを通りすぎブラウスを這うようにかけ上ってくる。
彼の手は私の膨らみを強く掴んだ。膨らみを強く固定している固めの布が邪魔だったらしく、背中にあるホックをブラウスの上から外そうと片手を回す。取れない。私を固定していた腕を離し、両手を背中に回した。でも取れない。
必死な彼が可愛くて私が自分でホックを外してあげたら彼は一生懸命膨らみを握ったり離したりし始めた。
私の膨らみは結構デカイ。正直、邪魔だったけどそれで喜んでくれる男の子が目の前にいるのを見てたら嬉しくなってきた。
これが告白だとしたら私も答えを表さなきゃ。
ホックを外した時から答えは決まっていた。
自分から彼に抱きつき唇を重ねると彼の手に力が入り、ちょっと痛かった。
夢中になっていた私たちはチャイムの音によって目を覚ます。
急いで膨らみを固定するためホックをつけ、乱れた服を直し走り出す。
途中、売店で売れ残っていたパンを彼の分も買ってあげた。
午後の授業は全然覚えていない。彼の視線が気になって胸が高鳴る。
放課後、彼が帰ってしまうまえに声をかけた。
「これからはいつでも触っていいからね」




