その後の世界
【パラレルワールド】
病室でで寝転ぶ僕はもうすぐ始まる久しぶりの学校生活に少しの気だるさを感じつつ窓から空を見ていた。
元の世界に戻ってきたとき、目を開けると幼なじみの綾が隣にいた。
僕が現実世界で“彼”の復讐を果たしている間も変わらず隣にいてくれた幼なじみに感謝の念を抱きつつ、彼女の声に耳を傾ける。
「おはよう。今日はどっちの太郎?」
どっちの、とはどういうことだろうか。
「なにも言わないってことは、本物だな」
綾は嬉しそうに顔を近づけてくる。
「君がいない間に起きたことを教えてあげるね」
どうやら綾は僕と彼の違いに気づいているようだった。
それから彼女は全て教えてくれた。
彼が志津を使って凛に頭を下げさせたこと。
その後、凛の父親である理事長が辞任。凛も学校を辞め、噂ではもうこの町にはいないらしい。
病室の扉が元気よく開きいつもの賑やかな声が飛び込んできた。。
「やっほぉー」
「退院出来そうなんだって」
「ご苦労様です」
~
【現実世界】
パラレルワールドから戻ってきた僕は現実世界の変化に困惑した。
まず、僕の元には下僕達が以前のように群がり身を寄せている。
学園中から受けていた虐めは全く無くなっている。
それどころか僕の顔を見ると皆頭を下げ、挨拶をしてくるようになっている。
“彼”はいったいどんな魔法を使ったのだろうか。その答えは男子トイレにあった。
女王、凛はいまや公衆便女と化し休み時間の度に男子トイレに行くことが義務付けられているようだ。
便女を使いたい者は男子、女子、教師問わずそのトイレに入っていく。
上や下にモノを突っ込む者、便器として用を足す者、かつての女王に便所の床を舐めさせ悦に浸りたい者等、ご主人様はひっきりなしに入ってくる。
こないだ、彼女の父親であるはずの理事長がそのトイレに入っていくのを見かけた。
かくして、僕は「東高校でいじめられているランキング」一位から「東高校権力ランキング」一位にのしあがり多くの下僕達に囲まれている。
これから卒業までこの学園の王として楽しませてもらうことにしよう。
これにて本編終了です。
このあと、ヒロイン目線のお話。おまけのお話です。
その後?のオフィス物を番外編として書くか別物として書くか決めてませんが、いつか書いていきたいと思ってます。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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