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睡魔
あの日以来、僕は「東高校でいじめられているランキング」1位に返り咲いた。
学年、男女関係なく目が合えばいじめられる。
今朝は一年生の女子達の荷物持ちをした。途中、ビルの間に連れ込まれ面白半分でズボンを脱がされた。
しかし、今まで下僕相手にさんざん使っていたソレは彼女達にの手には余るようで対してなにもしてこないのがもどかしい。
教室に入るだけでもクスクスと笑いが起きる。
僕のつるつるになった頭が可笑しいのか。それともあの日の出来事を思い出しているのか。
下のつるつるならもう一人いたな、と思いだし麻里の方に一瞬目をやると彼女は下を向く。
こんな男に関わりたくないよな…
希望はもうない。ここから脱出する術を僕は見い出せない。
パラレルワールドの僕はどうしているだろう。凛になにかされてなければいいが。
せめて「彼」だけでも幸せになればいい。
そんなことを考えていると急な眠気に襲われた。
昨日は早く寝たはずなのに。




