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屈辱

胸くそ注意(今さらですが)

 凛に呼び出された校庭に着くと、そこには僕の元下僕たちがいた。

 ようやく彼女たちが自分のことを見てくれた嬉しさから僕は警戒心を失っていた。間抜けな顔が歩いて行く。


 「おい!いつまでも調子に乗ってんなよ」

 パシリの里美が吠える。

 「自分がモテてたとでも思ってるの?きもーい。頭悪いんじゃない?」

 抱き枕、麻里の毒舌が響く。

 「なにあの顔」

 「うけるー」

 ペットの一華と二葉の陰口が突き刺さる。

 「うちらになにしたか覚えてんだろうな!」

 麻里のペット、桜が睨みを効かせる。

 


 下僕たちが主人に向かってなにを言っているのか。

 なぜ、僕はここへきたのだろうか。

 混乱した僕の頭はフリーズする。真っ白のまま固まってしまった。


 

 「あら、いいざまね」

 凛の言葉が聞こえる。しかし顔を上げることは出来なかった。

 「正直、あなたのような雑魚がここまでいい仕事をするとは思いもしなかったわ。この子がずっと邪魔だったのよ」

 

 顔は上げず、声のする方に目だけ向けるとそこには金持ち令嬢、志津がいた。

 「親が理事長をやっているこの学園において私は完全な女王になれるはずだった。なのに多額の支援金を出している金持ちの娘が同学年にいたせいで下手に動けなくなってしまったのよ」


 それが志津ということか。だから最初に僕から遠ざけたということだ。再び働き始めた頭で精一杯考える。


 「でも、あなたの協力のおかげでこの娘を完全に壊すことが出来たわ。」

 自慢だったユルフワヘアーを鷲掴みにされ、それでもなお笑みを浮かべ、上目遣いで凛を見つめる金持ち令嬢志津。

 

 「これでこの学園は全て私のもの。お礼にあなたも壊してあげることにしたわ」


 

 身の危険を感じとっさに頭を上げ彼女を睨み付けると、人が続々と校庭に集まり始めていることに気がついた。

 全校生徒、教師たちも集まり僕らを囲うように円を作り、凛の号令と共に僕に襲いかかる。


 服を剥ぎ取られ、僕の全てが(あらわ)になる。僕のモノを弄ぶ学園の二軍、三群連中。僕が果てる度に笑い声をあげる後輩達。男どもは僕を後ろからいじめる。


 中盤からはもう記憶がない。気づいたときには日が傾き始め、バリカンで僕の毛という毛が全て刈り取られた後のことだった。


 




 朦朧(もうろう)とする意識の中で、僕の元下僕達の悲しそうな表情だけははっきり覚えている。

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