28/40
ロンリー
麻里を失ったことは僕にとって痛手だった。
彼女はなぜか女番長桜を手なずける程、女を堕とす資質がある。凛を堕とす上での切り札を僕は失ったのだ。
僕に嫌気が差したのだろうか。昨日までは「遊び」のとき以外は僕にくっついてきていたのだが。
麻里が居なくなり、寂しそうにする桜を麻里の代わりに躾てやると素直にしたがった。
次の日、女番長桜も僕から離れていった。
麻里を失った時点で覚悟はしていた。これは仕方がない。
自分の態度が悪いのか、と少し反省もした。
目の前にひざまずく一華と二葉の頭を優しく撫でてやると彼女達は普段と違う僕の態度に戸惑いつつも頬を赤らめ優しく微笑む。
次の日、一華と二葉も僕に近寄らなくなる。
なにかがおかしい…
ついに、僕のもとに残ったのはデカパイ里美だけとなった。
帰り道、里美と一緒に帰った。手放さないために強く手を握ると彼女は嬉しそうに肩を寄せる。
お前はずっと一緒にいてくれと伝えると「もちろん」と答える里美。
次の日、里美も僕のもとからいなくなった。
僕は確信する。あいつの仕業だ。




