覚めない夢 覚める現実
パラレルワールドに来て二日目。
昨日の出来事がまだ信じられない。
花子先生の柔らかい唇の感触がまだ残っている。
ニヤけた顔をぶら下げ学校へ向かっていると「僕をいじめてくるランキング」第七位、 相澤里美とぶつかった。
大きめの瞳と大きめの胸が売りの女だ。僕のことを自分の財布だと思っている。
「おい!」
やばい
「大丈夫か?」
なぜか無様に転がった僕に手を差し伸べる里美。ワイシャツの隙間から自慢の谷間が顔を出す。
「わるかったな、ほら早く行くぞ」
ソフト部エースの力強い手は僕のか弱い腕を握りしめていた。
昼休みには毎日パシりに使ってきていた里美が今日は来ない。
朝の出来事があったので少し期待していたのだが。
仕方なく一人で教室を出ていくと廊下でまたもや里美とぶつかり吹き飛ばされる。
「わるーい!またやっちまった」
直前に感じた胸の感触に免じて許してやろう。
「急いでパン買ってきたぞ、今日は一緒に食べる約束だぞ」
だからそんな約束は知らん。
なぜか教室に戻り二人で一緒にパンを頬張る。
周りの視線が気になるが。
「飲むか?」
自分が飲んでいたペットボトルを僕に差し出す里美。
ためらいながらも間接キスを頂いた。
チャイムがなり帰宅していると、里美が後から追いかけてきた。
「なあ!私のこと嫌いになったのか」
元々嫌いだったが…今日の里美は嫌いじゃない。むしろ惚れてまうやろ。
「いや」と軽く否定する。
自慢の胸を鷲掴みにし彼女は言った。
「じゃあ、なんで今日は触ってこないの」
あまりの興奮に一睡も出来なかった僕は次の日一限から昼休みまで学校で居眠りを続けた。
昼になり目を醒ますと目の前に里美がいた。期待は膨らむ。股間も膨らむ。
机を叩いて彼女は言う。
「おい、パンは?」
色々萎んでいった。
「…買ってきます」