意味ある寄り道
パラレルワールドの僕も金持ち令嬢金城志津調教には手こずっているようで、どちらの世界の彼女も高飛車な性格は変わらなく見えた。
もう一人の僕を応援しつつ、僕も誰かを墜としてみたくなっていた。
「君最近明るくなったね」
彼女は「眼鏡が似合う才女ランキング」一位の生徒会長、鈴村凛だ。いじめられていた頃の僕にも声をかけてくれていたくらいの有識者だ。
パラレルワールドの僕はどうやって女どもを墜としていったのかわからないが、今の僕はやれる気がしている。
声をかけてくれた彼女に顔を近づけ、突然に眼鏡を奪いとる。
びっくりして大きく開いたその目は力強さを隠し持っていた。
「凛は眼鏡してなくても可愛いね」
凛なんて呼んだこともない。まともに返事すら出来たことがなかったのに。
あまり効果がなったのか彼女は動じない。
でも、悪くはなかったようだ。
「ありがと。眼鏡返して」
そう言い手を伸ばし身体を押し当ててくる彼女の息づかいは荒く感じた。
次の日も彼女は話しかけてきた。
「明日の小テスト勉強してる?」
まだだと伝えると彼女から嬉しい提案を受ける
「今日私の家で勉強会でもする?」
これはチャンス到来だ。
綺麗に片付いた部屋で小さめなテーブルに横並びで向かう。
彼女の太ももや肩が僕に密着していてまったく集中できない。
凛はやけに上目遣いだし。
勉強が一段落し、休憩しようとすると、彼女は立ち上がりブラウスのボタンをはずしだした。
「ごめんね、着替えていい?」
ここで?とりあえず後ろを向く
「見ないの?」
そういい後ろを向いた僕に背中から抱き付いてきた。背中に凛の温もりが広がる。
墜ちたのか?まだなにもしてないけど。
「ねぇ、私の友達になってくれたら志津の墜とし方教えてあげるよ」
友達ってのはフレンドってやつですか。
僕は静かに頷いた。




