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とりあえず、整理をしてみよう。

私は目を覚ますと、天蓋を見つめてため息を吐いた。


あぁ、そうだ。

ここは妹がハマっていたゲームの世界と酷似してるんだ…。

そして、妹から教えてもらった情報によるとヒロインは市井の出で、魔力が目覚めたことから、魔力を持つものは身分関係なく入ることを義務付けられている国立魔法学校に入学してくるのだ。


全寮制のこの学校の入学年齢は12歳。

けれど、魔力の発露は大概がその入学年齢より前に起きることがほとんどであり、入学までの間、

魔法省の官吏により、魔力制限の呪いをかけられることになる。


そして、そんな中ヒロインが特別視されるのは魔力の発露が16歳と遅かったからに他ならない。

しかも、その属性が『光』なのだ。


魔力には『火』『水』『風』『土』の四大元素があり、そして、それとは別に『光』と『闇』がある。

基本的に魔力は四大元素のどれかの属性を持ち、それによって得意不得意の分野があるが、それと別に稀に出てくる属性がこの2つだった。

しかし、この二つの属性についてはわかっていないことの方が多かったりする。

なぜなら、この属性を持っている人が少ないからだ。

とりあえず、『光』は浄化、『闇』は穢れ、といったところだろうか。


まぁ、実際は『火』、『水』、『風』でも浄化の作用をもつ魔法はあるし、逆もまた然り。


しかし、そんな他の属性とは比べ物にならないほどの大規模でその力を使うことができる者が『光』をもつ者で稀にいるらしい。


そんな滅多にない力を持っているのがゲームのヒロイン、と言うわけである。

ま、ベタと言えばベタな設定である。


そして、そんな稀な力を持ち、さらに可憐な美少女であるヒロインが学園の人気者たちである攻略対象たちと恋愛を繰り広げていくわけだが、その対象者は貴族や有力者の息子だけではなく王族も対象だったりするのだ。


そう、『王族』


なんで、国立とはいえ平民も少なからず入学している学園に王子がいるのか…。


ゲームの設定だから、と言われてしまえばそれまでだが、王族には魔力を持つ者が、まぁまぁ生まれるのである。

現国王はそこまでではないらしいが、彼の祖父である先々代は強かったらしいし、王太子である第一王子も強い魔力の持ち主らしい。

らしい、というのはゲーム本編で王太子はほとんど出てこないのである。


妹からの情報によると、全攻略者を攻略後に出てくる隠れルートで会えるらしい。

まぁ、いわゆる隠れキャラというやつだ。


そして、そんなヒロインにはもちろんその恋路を邪魔するライバルというものが各ルートで用意されているわけで…


そして、私はそのヒロインのライバル役の1人と言うことなのだ。


寝台の中で思い出した記憶を整理しながら私はまたため息を吐いた。

そして、先日見た傷に手を伸ばす。

指先に触れる引きつれた皮膚の感触にまたため息を吐きそうになった。

せめて、この傷がなければ私は攻略対象の1人から逃げ切ることが出来たのに、と苦々しく思う。


しかし、この傷で寝込まなければ記憶を思い出すことは無かったのだろうから、そう考えると微妙なところだったりもする。

おそらく、目を覚ます前に見た夢は、あのゲームのエンディングの1つだろう。

それが、逆ハーエンドなのか王道の王子エンドのモノなのか私には判断がつかなかった。

何故なら結局プレイしないまま気付けばこちらの寝台の中で目を覚ましたのだから。


そして私は王子ルートのライバルなのだった。


そう、私はメイン攻略者であるこの国の第二王子の婚約者にさせられるのだから。


そして、その原因はこの傷である。

指先に触れる感触に憂鬱になる。


妹の話では、私、レティーナ・ラナンキュラスは兄にくっついて王宮に行った際に傷跡の残る怪我をする。

そして、その原因がメインヒーローである第二王子、ハイドライド・アウストロメリアだった為、彼は5歳で責任を取るとレティーナに求婚するのだ。

そして、幼いながらにもその美貌に惚れてしまったレティーナはその求婚を受ける。

そこからは、小さな我儘姫の出来上がりだ。

元々蝶よ花よと甘やかされるのに加え、ハイドライドは怪我をさせた負い目からレティーナに強く出れない。

そんな立場が逆転したような関係ではハイドライドがレティーナに愛想を尽かすのも当たり前である。

まして、学園に入ってからは彼の傍を離れず、他の女が近付けば悋気をみせる。


そんながんじがらめの生活、私だってされたくなし、したくもないのが正直なところである。


…確か、ゲーム内でレティーナは醜い傷のせいで胸元のあいたドレスが着れないとハイドライドに言ったりもしたんだっけ?


曖昧な記憶を頑張って思い出そうとしてみる。

まぁ、実際鏡で見たこの傷跡がずっと残ってるのであれば胸元の開いた夜会用のドレスを着るのは難しいであろう。

貴族はそういった体面を気にするものらしいし…。


う~ん、と唸りながら、試しに指先に意識を集中させてみる。

仮にも学園に通うことになっているのなら魔法で傷跡をどうにかできるかもしれな。

消すことはできなくても薄くなってくれれば上々。

それが無理ならいっそ花形の痣の様に見えるようになってくれれば肌が見えても誰も不快にならないんじゃないだろうか?

そんなことを思いながら脳裏に自分の好きな薔薇と蝶の意匠を思い浮かべる。


すると指先に体温とは違う熱を感じた。

伏せた瞼越しでもわかるくらいに指先に光が集まる。

それは一瞬だったのか、もっと長い時間だったのか…

指先から光が消え、傷跡の感触が確かに変わっていることに満足しながら瞼を開けると、それを待っていたかのように勢いよく扉が開かれた。

え~と、書いてるとレティの年齢がいくつだったのを忘れてしまう(笑)

まあ、記憶の戻った中身が、ね…。

精神年齢だけ一気に歳取ってしまったわけだし、…


すみません、がんばります…


少し訂正しました。

ちょいちょい直し必要になりそ…


力不足ですみません…

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