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教法主義国家のすすめ

教法主義政治を考えるうえで政治的な議論についてリパラオネ教に問いかけていく必要がこれからあるのは、古代ファイクレオネ創作を考えるうえでとても重要なことである。今回はそのことについて考えていきたい。

1. 教法国家

教法学を元として教法国家を打ち立てるというのは、俗世的秩序を保護しながらそれでもってリパラオネ教という真理を他人に推進していけるという点でリパラオネ教の布教においては強く正しいものと思える。教典から引用すると「我々の神である恵みのアレフィスによって、我らの地は秩序と共にあるのだ。我らが神であるアレフィスはとても慈悲深い。」(Skyli'orti'e1:10 2:1^3)や「信仰深い者は必ず救われる。アレフィスの元では人間に上下は無い。間違えた導き手は裁かれるのだ。」(Skyli'orti'e1:10 5:1^3)などからわかるようにリパラオネ教教典側も教法国家自体の設立に対しては”アレフィスを信仰する秩序において、アレフィスは更に我々を慈しんでくれる”という前提に立ち、また後者の引用の「間違えた導き手は裁かれる」という点で、”民を率いる国家の人間(=導き手)が正しくない間違ったものであってはならない”というところから、では正しい民の導き方の基本とは何なのかというところに立ち戻る。ここでリパラオネ教で正しいことはリパラオネ教の教義であることは明確なのである。そこで二文目に書いてあった”間違えた導き手”ではなく”正しい導き手”であるためにはどのようにあるべきか。それが教法国家の導き手である指導者の姿となるわけである。


2. 指導者の姿

教法国家の指導者は、当然ながらリパラオネ教徒であり、リパラオネ教に沿った政治を行わなくてはならない。何故なら、”間違えた導き手”ではなく”正しい導き手”が人々を導くことが正しく、”間違えた導き手”はアレフィスによって裁かれるからである。ところで、スキュリオーティエではnixon lekhnaxaiter(<nix-on 「誤って」 lekhnaxait-er 「導き手、導く者」)と書かれている通り、実はこの”間違えた導き手”は政治的指導者のみを指すわけではない。宗教的指導者から、経営指導者だったり、人々を仲介する人だったり、常に人々の間には”導き手”の関係が成り立つのであって、日々の生活での社会との関係が常にアレフィスによって評価されているということがスキュリオーティエには書いてあるのである。誰も逃れることのできないこの”導き手”の評価関係ではつまり正しくない行動を行ったものは俗世の機構によって裁かれなければならない。それは、人間の共同体がリパラオネ教の真理を信じ、暮らしていくうえで一人一人が共同体を構成し、必ず何らかの責任的立場であることを考えれば、”誤った導き手”であることによって裁きを受け、共同体の責任的立場である人間を失うことによって共同体が縮小していく可能性が高まるということは共同体への害であるからである。ここからリパラオネ教の教義に反する行為は共同体が破壊されることを意味するので、そこから罪を定義することができる。指導者は、リパラオネ教的に”誤った導き手”ではないことを求められ、その上で継続的な日々の営みができるように共同体を維持するために統治する人間の罪を見つめなければならないという指導者の姿が見えてくる。


3. 司法の姿

前節では、リパラオネ教の教義に反することはすなわち共同体の維持を困難にするために、共同体への害であり、指導者は継続的な生活の存続のためにそれを罪として認定し、対処を行わなくてはならないということを書いた。理想的な教法主義国家の指導者は共同体が存在する時点では”正しい導き手”であるためにその規定した法は正しいということが導き出せる。つまるところ、教法国家における法は基本的には指導者が規定するものになる。

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