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第1話 二ノ宮高校入学

ジリリリッ!

朝6時、いつものように目覚まし時計が鳴る。

俺はさっと布団から出てトレーニングウェアに着替えて走りに行く。

この毎朝走る習慣は小学校4年生の時から始まった。

少年野球クラブのコーチにピッチャーになりたいと言ったらとにかく毎日走って体力つけろと言われそれを今まで忠実に守ってきた。

走るコースは少しづつ伸ばして今は俺の家から3キロ離れた村上神社まで行って帰る大体30分くらいのコースだ。

川沿いの道を走っているとまだ少し肌寒い朝の空気が心地よい。

眠気覚ましにはもってこいだ。

神社に着くと神社の階段を5往復して折り返す。

帰り道、空を見上げるとよく晴れている。

今日もいい天気になりそうだ、そんなことを思いながら最後の団地の坂を上っていった。



今日は少し調子が良くていつもより5分ほど早く家に着いた。

そしてそのまま犬2匹の散歩にまた出かける。

犬は双子の柴犬でやっと1歳になったばかりの奴らだ。

名前は大人しくて賢いのが「ゴン」、とても活発(悪く言えばうるさいだけ)でアホなのが「クッキー」だ。

この2匹は去年妹が犬を欲しがり西条の街のペットショップに見に行った時に買った奴らだ。

本当は1匹だけ買うつもりだったが妹が片方選ぶともう1匹の方(今のクッキーのほうだけど)がすごいうるうるした目で俺を見てきてすごくそつがかわいそうになって、俺の小遣い全部(お年玉もかなり使って)出して買ってしまったのだ。

今となればなぜこのやかましいアホに8万も…と思うがまぁ仕方がない。



今日はかなりゆっくり散歩をしたため帰ると時計は7時半を過ぎていた。


「隼人!何ゆっくり散歩してたのよ!今日入学式でしょ?早く支度しなさい!!」


2匹を鎖につないでいると母さんが窓から体を乗り出して叫んできた。

あぁ、そういえば今日から高校生か、と思いながら家に入って準備を始めた。



学校に着いたのは集合時刻ギリギリの8時35分だった。

全員座って若干緊張した感じで静かに座っていた。

俺が教室に入るとほぼ一斉に俺を見てきて俺はかなり焦った。

いや、別にそんな珍しいもんでもないだろ…、と思いつつ軽く頭下げて俺の席(一つだけ空いてたからすぐわかった)に座った。

この教室に入っての第1の感想は男子があまりにも少ない、ということだ。

ざっと見た感じでは女子の半分、いや3分の1かもしれない。

やっぱり去年まで女子高だった学校に入る男子なんてそんなにいないみたいだ。


俺が座ってすこしするとチャイムが鳴り、先生が入ってきた。

担任は男だった。

背は軽く180センチを超え、体つきはすごくがっちりしていてスーツの上からでもそれがわかる。

顔もかなり厳つい顔だ。

結構迫力のある奴だなぁと思って見ていると見た目そのままの声と口調で話し始めた。


「俺がこのクラス、1年2組担任の岡野弘毅こうきだ。32歳独身、趣味はボクシング。見ての通りかなり怖い顔したおっさんだが根は優しい、と自分では思っている。1年間よろしくな」


こんな筋肉マンが元女子高にいるとは…。

俺のイメージではちょっときれいな女教師か優男が出てくるもんだったが実際は普通の高校と変わらないようだ。

ある意味普通の高校よりもやばそうな奴だが。

まぁ、なかなか面白そうな奴だしこのクラスもなんとなく馴染めそうな感じだ。

とりあえずそれなりに充実した1年になりそうな気がした。


しかし心配なのは部活のほうだ。

うちのクラスも男子がかなり少ないし、多分他のクラスも似たようなものだろう。

人数が集まるかどうかが問題だ。

集まってもまったくの素人ばかりでは…。



こうして期待と不安のもと俺の高校生活はスタートした。




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