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第15話 プレイボール!



あれからしばらくして県予選開会式があり、俺達の試合の日が近づいてくる。

俺達はその間もずっと激しい実戦的な練習を続けていた。

練習が終わったら俺達は毎日ぐったりだ。

しかもだんだんと暑くなっていくこの季節、若干体調を崩しかけている奴も出始めた。

この前も村西が軽い熱中症になってしまっている。


しかし俺達は耐えた。

普通こんな弱小チームだと甲子園なんて無理だからこんな厳しい練習する意味ないし、と練習をサボったりする奴が出るもんだがそれがないのがすごいとこだ。

俺はこれは誇りに思ってもいいんじゃないかと思う。


さて、試合前日。

今日は最後の仕上げにシートノックやフリーバッティングをやる予定だったがあいにくの雨。

少々強くても外で強行する予定だったが強いどころではなかった。

バケツをひっくり返したような、とよく言うがまさにそれが当てはまる降りっぷりだ。

仕方なく教室に集まって明日のことについて話あったりしていたがしまいには大雨・洪水警報まで発令され部活を切り上げ早く帰宅するように言われたので俺達は荷物をまとめて家に帰った。


しかしこの憎い雨、俺達が駅に着いた途端急に小雨に変わり家に帰る頃には完全に止んだ。

もう嫌がらせとしか思えない。

試合前日に練習が出来ないなんてかなり痛い。

俺はどうなるのかと不安な気持ちで星まで出てきた夜空を眺めた。



翌日朝、それはもう澄みわたった空の下俺は家を出た。

昨日の天気は一体どこへ行ったのだろうか?

天気予報を見る限り日本近辺に雨雲はない。

ったくなんだったんだあれは?


そして約1時間後、学校に着いた。

第3試合である俺達はそんなに急いでいく必要もないので一旦学校に集まってそれから行くことにしたのだ。

とりあえず学校で軽く練習をする。

キャッチボール、フリーバッティング、ノック。

これらをいつもよりゆっくりと念入りにする。


9時30分頃、全員揃って電車へ乗り込む。

俺達の球場は呉二河球場だ。

学校のある広島市から呉線に乗って呉駅まで行き、そこからはアップも兼ねて走った。

監督らは荷物を持って車だ。

ただし川本先生のみ俺達が迷子にならないように一緒に走っている。


俺達が球場に着いた頃には第2試合の大勢が決まっていた。

まだ2回表だったがすでに因島工業が福富に対し13点も打ち込みノックアウトしていたのだ。

このまま試合が進むと5回コールド、試合開始予定時間が早くなる。

俺達はすぐに準備に入った。


そして予想通り5回コールドで試合は終わり、ベンチに入るように指示が出た。

みんな何かしらの荷物を抱えてベンチの用意をする。

緊張した面持ちでバットやヘルメットを取り出す。

誰も喋らない。

この雰囲気はまずいなと思い大きな声で、


「キャッチボールに行こうぜ!」


と声をかけた。


「よっしゃ!元気出していこうぜ」


古谷がベンチを出る。


「おぉ!」


全員がグローブを持ってグランドに出た。


身体を動かして少しは元気が出たのか、キャッチボールの後はみんなごちゃごちゃ喋った。

相手のファーストが馬鹿でかいとか、セカンドの奴が有名人の誰かに似てるだとか本当にどうでもいい話だ。

今度は逆に少しは緊張感持てと言いたくなるような状態だった。

まぁでも緊張して固まるよりはマシか。


その後、両チームともにシートノックが5分ずつあり、ベンチ前に並ぶ。


「集合!」


審判の号令がかかる。

両チームがホームに駆け寄る。

倍近くある相手の人数、俺達に比べ圧倒的に高い背、威圧感たっぷりだがなんとなく相手の顔に緊張感・やる気がない。

完璧になめられてるな、そう感じた。


「これから二宮高校対八本松工業の試合を始めます。礼!」


「お願いします!」


今に見てろよ、相手を睨みつけ俺はマウンドへ向かった。





すいません、更新が大変遅くなっています。これからもかなり遅れると思いますが気長に読んでやってください。1

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