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第9話 練習試合?

ボールを使った練習を始めてから2週間が経った。


練習はだんだんと本格的なものとなっていっている。

ノックもはじめは本当に軽くするだけだったのが今では各自が自分の希望の守備位置について受けているし、打撃練習もトスバッティングだけでなく俺が軽く投げた球を打つようになっていた。


俺と古谷もブルペンでの投げ込みを許可されている。

毎日大体100球を目安に投げており、変化球も交えた投げ込みだ。

このところはフォークを中心に練習している。

もともとキャッチャーだったという監督の指導も受け、この1週間でかなり落ちるようになった。

自分の成長がこんな感じではっきりと分かってくると毎日の練習がすごく楽しい。

やはり野球部の練習とはこうでなくちゃ、と思った。


しかし、チームの状況はさほど変わらない。



「おい!まだ腰が高いぞ、そんなんでボールが捕れるか。しっかり腰を落とせ!」


「どこ向いて投げとるか!相手の胸に向かって投げろと言っただろう」


「おいファースト!体で止めろ、体で。お前が捕らんとアウトにならんだろうが」


グランドに川本先生の怒声が響く。

ほとんど鳴り止むことはない。

ずっとこんな調子なのでこのごろ喉がかれてきてるようだ。


監督は様子をずっとベンチから眺めている。

ただボーっと見てるだけのように見えるが、練習が終わったあとにその日の練習で気になったことを一人一人に伝える。

その指摘も的確だ。

初心者にはあまり細かいことは言わず基礎的なことを、経験者には細かいとこをというように個人のレベルに合わせて注意をする。

俺もまだまだ直していかないといけないとこが多いと改めて感じさせられた。


今日も練習が終わると俺達は監督の周りに集まり注意を聞く。


「後藤は捕り方はだいぶ良くなってきたようじゃな。しかし、投げ方がまだ前に言ったことが出来ておらんのぉ。体を突っ込みすぎとるんじゃ。じゃけぇコントロールが……」


全員がしっかり指示を聞く。

みんな上手くはないがまじめなのがいいところだ。

これからしっかり時間をかけていけばきっと上手くなっていくだろう。


「毎日言っとるがしっかりその日注意されたとこを頭に叩き込んでおくようにな。よし、それじゃ解散にしようかの」


いつものように監督に礼をして、グランド整備に向かおうとした。

しかし、監督が俺達を呼び止めた。


「あぁ、忘れとったわい。来週の土曜日に西賀茂高校と練習試合をするけんの。しっかり練習しとくようにな」


は?


全員が唖然とした。


練習試合!?






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