プレゼントの中身。そして、旅立ちらしき何か…
「影縫くんは、大丈夫?」
「ああ、大丈夫だ」
そう言ってまたコウキの頭をくしくしと撫で始めると。又もや、二人だけの空間が…。
「ちよっと、まったぁー」
何だよ、神。今、良いところなんだよ。邪魔すんな。それにお前キャラ統一しろよ…。お前さっきから残念キャラになってるぞ。
「な、なんすか、その顔は…。僕だってね、頭撫でて貰いたいし、抱きしめて貰いたいんだよ。分かる?分かったなら、その子から、離れて私を抱きs、[ヤダ]、…。な、ナンデストー」
やだよ、お前みたいな残念キャラ。僕っ娘の小悪魔系かと思えば「です〜」とか語尾につけていそうな超残念系娘じゃねぇか。
「うっ、うぅっ。ウェーーーん。酷いよ。ハクのバカぁ〜。えーーん、えん。…(チラッ」
嘘泣きってバレてんだよ。しかも、コッチをチラ見すんな。
「それより、プレゼントを持って来たんじゃないのかよ?」
話を切り替える。正直、ああいう残念キャラは構ってやると味を占める。また、嘘泣きでを俺を釣ろうとする。
「あっ、そうだった!?、えーっとね、」
神は腰に付けているポーチをガサゴソガサゴソ。しばらくすると、顔をにっぱぁ〜とする。どうやら、見つかったらしい。ていうか、ポーチの中で探し物とかシュール(?)だね。
「よいっしょっと、」
ポーチからやけにデカイ箱を取り出す。ポーチの中を空間魔法で大きくしてるみたいだな。でなきゃ、あんな箱入んねぇし。
「はい、これ。僕とネビウスからのプレゼント」
ほぉ〜、ネビウスかぁ。なら安心だな。ネビウスって誰?って思う奴もいると思うしな。軽く説明しとく。ネビウスは邪神で元最高邪神であった、平たく言うと邪神の中で一番偉かった人物である。それと、神の中で一番の常識神である。そもそも、神と邪神は役割が違うだけで大して変わらない。天国系を管理するのが神、地獄系を管理するのが邪神と考えてくれればいい。
「中に何が入ってるか、先に聞きたい」
用心はしとくべきだ。ゴクリ…。
「服だよ、ハクはいつも着物を着てるから偶にはこういうのもいいかなぁと…(にこっ」
へぇ、以外だな。そんじゃ、開けてみるか。リボンを外して、紙を丁寧に取ってっと…。 あ、俺は包装紙は綺麗に取る派なんだよ。
ほぉ〜、以外とカッコイイ。襟が大きめで丈も長めのYシャツ(白)ぽいやつ。これなら、ズボンいらないね。腿まで隠れるし。長め系の服は俺的にポイント高い。あとは、長めの黒ズボン、それに、上に着る上着?だった。 ズボンはポケットが大きめに作ってあり、後ろの方にもある。ハクアポイント結構高め。
上着は、VRMMOで主人公が着てそうなやつ。だが、素材が薄いのに硬く更に軽い。所々に銀のラインが入っている。しかも、フード付き。
えっ、厨二くさい?黙らしゃい。
「気に入って、くれたみたいで僕、嬉しい」
「スゲぇな、これ」
「うん。ネビウスと一緒にハクの為に作ったんだ!」
「?え?じゃっあ…これ。お前達が作ったのか?」
こういう系は、正直嬉しい。てか、こいつなぁ、黙ってればなぁ…。性格が残念すぎる…。
「ねぇ?さっき、失礼なこと考えたよね?まぁ、良いけど。ネビウスと僕が作った世界に一つだけの服だよ(ドャ顔」
「ありがとう、凄く嬉しいよ」
笑顔で返す。本当に嬉しい。結構テンション⤴︎⤴︎。
「い、いや。喜んでくれて何よりだよ」
そう言って顔を紅色に染め下を向き。「いきなり、そんな顔しないでよ。それにいきなり優しくするし…ズルい…」と誰も聞こえないように小さく呟いた。そして、俯いたまま…
「あ、あのね。僕にも…、そのね、頭をね、撫でて、欲しいん…、だけどね。だ、駄目かな?」
ズルくね?だけど。此処までして貰っておいて、何もしない。は駄目だしな…。
ったく仕方ないなぁ、神の頭を少し(若干)強めにクシクシと撫でる。人によって撫で方を変えるって重要だよ。
「ひゃ、ひぃ」
なんつー、声出してんだだよ。まぁ、良いか。それに、気持ち良さそうにしてるし。以外に、こういう時だけは可愛いんだよな…。って、あれ?なんだろう?さっきも、こういう系のイベントあったよね?ん!なんだろう?いきなり後ろから寒気が…。しかも、後ろでナニカ、イッテルネ。そっと顔を後ろに向ける。
「やっぱり、スタイルが良い方が影縫君も好みだよね。そうだよね。わたしなんか、私なんか…。で、でも…あの女を〈過激な表現なので省略〉すれば…。いえ、〈過激な表現なので省略〉に出来れば影縫くんはまた私の方に向いてくれるかも。うん。ふふふふふ。」
……………………。う、うん。なんか、ヤバイね。てか、カオス過ぎる。「殺す」とかの表現生温いぐらいエグかった。落ちつけ〜コウキ。頼むから目に光をともしてくれ〜…。そして、複雑な笑みと目を左右に動かすの止めてくれ〜。
うん。そうだ。取り敢えず話を進める為(この空気を変える為)にもここは、神を撫でるのをやめて…
「なあ、姫様よ。勇者召喚に俺が巻き込まれた訳だが…。俺は一応、神的立ち位置だから〈この世界〉に大きな干渉は出来ん。当然ながら、魔国の王様を…って事は出来ん。俺は、どうすればいい?」
早く、この場から逃げたい。それと、早く自由に異世界生活を送りたい。そう、俺は自由を謳歌したい。
「えっ、えー。それに関しては…」
姫様も考えなかったのだろう当然と言えば当然である。
「なら、俺の代わりと言ってはなんだが聖剣1本では駄目か?」
「よ、宜しいのですかっ?」
「問題ないよ。勇者1人分が聖剣に変わったって事で頼むよ…。」
「最高神様が宜しいと言うのであらば…。喜んで、その提案を…。」
「勝手に決めていいのか?王様に聞かなくて大丈夫?」
意地悪く言ってみる。
「いえ、大丈夫です。父上はもうおりません…。」
えっ、マジで?あっ、本当だ。心読みでも確かに。ってことは、王女様!?マジで。愚姫が愚王女だったなんて。この国終わったな…。
「そうか…。悪かった。」
無難に謝っておこう。てか、最高神なのに腰低っく〜。
「いえ、」
「それと、俺はこれで失礼させて頂く」
「神界に戻られるのですか?」
「い、いやー、少しこの世界で楽しむ事にするよ。折角、召喚されたんだし…」
「そうですか…。」
姫様、ゲンナリ。
「ほいよっ」
そう言って何かを投げる。
それを、姫様がキャッチ。
「ん?ゆびわ?」
「そいつは、通信機になっている。この世界で言うなら念話に近いものだ。距離などの理屈を無視して使える。何かあったら、それを使え」
姫様、ビックリ。その後、少し顔染める。あれ?二度目の恋が今ここに?おいっ!恋愛神なんかお前やっただろ!。
「はいっ!」
元気良く姫様応える。
………………。なんか、後ろから二つのオーラが…。気の所為だ。うん。きっとそう。
「コウキ、お前は如何する?」
「ふぇ?」
一瞬だが、コウキの後ろに武士の格好をした奴が…。いや、これこそ気の所為だ。今日は気の所為が多いなぁ〜、アハハハハハハ〜、はぁー。
「まっ、お前の事だから勇者になるのか」
「ヤダッ、ならない。影縫くんと一緒にいる」
「はい?」
えっと?ナニイッテルノカナ?コウキクン。
「影縫くんは、勇者にならないんでしょ?なら、私もならない。それに…」
「それに?」
「あの神って子と一緒になるんでしょ?」
「当然だよ、僕がハクの家事やその他諸々をするんだからね」
「なら当然、私も行く。突然ふらぁ〜と来た奴に影縫くんは渡さないんだからね」
「君も言うねぇ〜、コ、ウ、キ、く〜ん?」
「ええ、言いますよ、ヘ、ル、メ、ス、さん?」
「……。」
ナニコレ。コワイ。てか、俺の意見とかガン無視なんですね。そうですか、分かりました。はい。
「姫様よ、コウキを貰っても大丈夫か?」
「い、いえ問題ありません」
姫様は、少し苦笑している。
「すまない、後で聖剣二つ足しとくよ」
「恐れ入ります」
姫様がお辞儀する。
「じゃぁ、行くか?」
そう言って、コウキと神を連れて城を出た。(神とコウキはお互い笑顔で…怖)
それと、魔王は宜しく。えっと〜担任の〜?名前が出てこない。なんて言うんだけっ?この際だから、永久に出てくんな。