名前のあるコウキと名前がない奴隷
ギルドに着くまで、会話を楽しむ。
「そういえば、九尾狐?お前、名前なかったよな?」
「……(こくり」
「じゃぁ、お前の名前考えるとするか?」
「えっ、名前ないの?」
「ステータス…っと。あっ、確かにノーネームだな」
「名前か…」
そういえば、お前の記憶を覗いたな。確か、コウキの家は武士道精神がまだ残っていたんだったな。そんで子供に恵まれず、やっと産まれた子も女だった。その為、その子を男として育てるキチガイ発想が出て今に至る。当然、親は厳格な人間であり異論を唱えればフルボッコって感じだ。そうした環境で、育てられたのがコウキさんであり。名前も男ぽくしてあるので、良い感情を持っていない。
「うーん、何が良いんだろうな?」
「あっ、雪とか。良いじゃない?」
「……。」
まっ、コウキは気乗りしないか……。
「ご主人、いっそご主人の名前から…」
「いいね!それぇ〜」
「そうか?俺の名前を入れても良いことねぇだろ?てか、狐なんだし其れに似合った名前を付けるべきだろ?」
「確かに、そうだよな」
「白狐夜っていうのは駄目かな?」
「無理やり過ぎるだろ…。」
「ウチもそう思う」
「そうかなぁ〜、良いと思ったんけだけどなぁ〜」
「着物に合う名前で頼む」
「着物を着せるのぉ〜?」
「確かに、似合いそうだよな。さすが、ご主人」
「桜紅夜とか?そんな感じ系が良いかな」
「ご主人……。」
「ハク……。」
な、何だよ。確かに「俺センスないな」思ったけどさ。紅葉とか夜桜とか綺麗で感動するじゃん。雰囲気で、酔いしれる俺としては名前に入れたくなっちゃうんだよ。悪かったな(反省しないけどね)
「メガ、グッジョブ」
「凄く良いと思う」
は、はい?いいの?こんなんで?結構、無理やり感あるよ?あっ、でもステータスでは漢字表記はされないか…。それに、言語は似てても文字違うし。なら、問題ないか。
「コウキ?お前は、どう思う?」
「ふぇ?い、良いんじゃないかな。うん」
「そうか」
ならいいか…。
「九尾狐は、どうおm、なっ!?」
九尾狐に、意見を聞こうと振り返ると泣いている。あーあ、ほら適当な名前を皆んながOKするから…。そりゃそうだろ、こんな名前で「うん。ありがとう」なんて言わねぇだろう?
「悪い、悪ノリし過ぎた…。もっと良い名前を考える」
「それで、ええ」
「ああ、今すぐ変えr…はい?」
「それでええよ」
「いや、だって泣いt…」
そういう事か、自分の為に名前を付けてくれた事、名前をわざわざ皆んなで考えてくれた事、それが、嬉しかったのか…。可愛い奴め。頭をワシャワシャする。
「そうか、お前が良いなら決定だな。お前の名前は桜紅夜だ」
「……。(こくり」
顔は、泣き顔のままだが嬉しそうだ。
「ステータス確認してみるか」
status…_____________________________
【Race】 九尾狐キュウビ族 (変異種)
Name 桜紅夜
Age 260
Attack 30
Defense 80
Tittle
伝説の九尾狐キュウビ族の末裔
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……。ちょっとまてーーーーーーーーーーーーーーーーい。なんで、漢字表記されてんだよ。おかしいだろ?この国、漢字あんのか?ねぇだろ絶対!
「ご主人、ギルドに着いたぜ」
このタイミングで着いちゃうんだね。ないわ〜。
目の前に、少し大きな建物?がある。ここかぁ〜。ヘェ〜(二重の意味で)。話が、分かる奴がいるな。だがなぁ、良いのかそれで…。ギルドは…。