照れる最高神と努力家の邪神と…。
お着替え空間から出る。
「ひゃっ〜、影縫くんカッコいい」
「きゃっ〜、ハク様、カッコいい」
ワザとらし過ぎてウザい。
「ウザったらしい褒め言葉、どうもありがとう」
「えっ、結構カッコイイと思うけど?」
「うん、カッコイイ」
いきなり素になるなよ。照れそうになるだろ。
「……。」
「あっ、影縫くんが照れてる〜、可愛い〜//」
「ハクの照れるとこ新鮮」
「うっせ。あ、あと、ネビから色々と役立ちそうなアイテムをポケットに入れてくれたみたいだ。」
そして、ポケットに入ってる物を取り出す。
禁書、三つの輪っかが繋がっている腕輪、ピアス1つ、シャンプー、石鹸、銀貨50枚、金貨10枚、赤色のドリンク。
「この方の方が…。それと禁書…って。」
「禁書には触れるなよ」
「……。」
神よ、また挽回するチャンスはある…。そん時は、頑張ってくれ。
「あっ、いっけね。ドリンク早く飲んどけって言われてたっけ?」
改めて、ドリンクを見て思い出す。
「ワイン?」
「……。血じゃないかな?それ」
「んな訳、あるか」
ボトルのコルクを外し、一気飲み……。全部、飲み干す…。
「一応、この世界は16から大丈夫だけど…。顔色、悪いよ?」
「…。」
端的に言おう。ワインに血が入っていた。分からない様にしてはあるものの、飲み終わった風味、後味が血だった。だが、しかし、この血の味…悪くない。が…
「ワインに血が入ってた…」
「それっ!本当?」
「ネビちゃん…」
《ご主人?聞こえるか?》
なっ!?なんでネビの声が…。いや、違う神託?念話?なんだ?
《ご主人の考えは、半分正解で半分間違え》
どいうことだ、訳が分からん。
《ご主人にヒント、今さっき飲んだワインに入ってた血はウチの血だよ》
邪神の血だと?でも何故、俺に飲ませた…?はっ!?もしや、血の主従契約か!?
(血の主従契約は、従者なる者の血を主になる者が飲むことが条件である。結んだ者は何処でも念話系統が出来る。それと当然ながら、主人の異論や反逆は許されない。いわゆる、奴隷契約に近い。しかし、奴隷契約と絶対的な違いは主人が死なない限り従者は死ねない。主人も従者が死なない限り死なない。というキチガイ契約である。)
《ピ〜ン〜ポ〜ン、正解だぜ》
ふざけんな!今すぐ、破棄してやる!そんな、契約。
《残念だけど、それは無理だな。契約上は、ご主人は主扱いだけど、全ての権限はウチにある。》
は?それって…。主の命令を無視出来ると?それって、主従関係じゃねぇだろ!
《まぁ、カリカリせさんなご主人。それに、ご主人の命令はちゃんと聞くつもりだぜ。》
じゃ、命令だ。契約破棄しろ
《だが、断る》
おいっ!?命令を聞くんじゃなかったのか!?そして、そのネタやんな!。
《冗談だって、それ以外の事なら聞くからさ。死ねと言われれば死ぬぜ?》
契約で俺が死なん限りお前も死なないだろ?
《契約の書き換えで、死ねるぜ?契約権限はウチにあるんだしな》
くっ、自分を人質にしやがった…。チッ…。
ぁぁあもうぅーー。
《ご主人が、契約破棄をしないなら権限は返すぜ?》
権限があれば自殺防止が出来るって言いたいのか?
《そうとも、取れるし。絶対服従奴隷が出来るとも解釈出来る》
乗った。
《なら、権限を返すぜ。うぅっ、前みたいにご主人に仕える事が出来て…ウチ……》
何故に、涙声なんだよ…。なんか、反応しにくいだろ。
《あっ忘れてたけどさぁ、目の前の二人はいいのか?》
げっ、忘れてた…。二人の方を向く。
すると二人が心配そうな顔で…。
「影縫くん、大丈夫?ワインらしき何かを飲んだ後から…」
「血に…良からぬものが入ってたみたいだね」
うーん、複雑過ぎて説明しにくいな。
「神、誰か血を飲んで…、儀式のあれだ」
「ち、血の契約…。嘘…。やられた」
自分もしとけば良かったって顔すんな!
「血の契約って、何かな?」
そうか、コウキは知らないのか。姫様知恵袋も知らないものが…
「奴隷契約の上位互換って感じだな」
「ど、奴隷契約!?。でも、どうやって…」
「奴隷契約と血の契約はやり方は違うんだよ。血の契約は、従者の血を飲んで成立するんだ…。血入りワインを飲んだろ?」
「けれど、契約相手は…誰…なんですか?」
「邪神だ」
「?」
「だろうねぇ〜、僕と一緒にプレゼントを作った子だよ」
「ですがその方は、此処に…」
「いないね」
「……。心当たりがある。」
「「?」」
腕輪と一つのピアス、禁書。腕輪とピアスが契約の証で禁書はきっと。まず腕輪をし、右耳にピアスを。後は…
「禁書を開くから、少し離れてくれ頼む」
「禁書って、見てはいけない本では?」
「コウキ、一応離れよ?ねっ?」
そういって、コウキと一緒に離れる。
「Open the book」
禁書が黒い正気を出し始める。これで、決まりだな。
「禁書、お前ネビウスだろ?」
「「なっ、…。」」
すると、黒い正気が一つに集まり人型の形になる。あぁぁぁあーもう、焦れったい。そういう演出いらん。俺は、業を煮やし指を鳴らし風を起こしそれをぶつける。
『ギャァァァー、』
と叫び声を聞こえる。そして、人型になっていた正気を風で吹っ飛ばされると…
『ご主人、せっかくの登場シーンがメチャクチャじゃねぇかよー(ぷんぷん』
身長160ぐらい、髪は茶髪で癖っ毛が強いショートカット。目は紅色で真っ赤。肌は褐色である。左耳にピアス。服は、メイド服を着ている。
「いらねぇ演出をカットしてやった、感謝しろよ」
『するかよ、ご主人なんかに…」
「命令だ、ご主人を尊敬し敬え」
『グッ…。権限を返したのは失敗だったか」
「邪神、久しぶり」
「えっと、彼が神?」
あっ、それ禁句。彼じゃなくて、彼女だからね!メイド服、着てるだろ!。胸あるだろ?
『ウチは、女の子だよ…。確かに、女の子らしくないけどさ…。けどさ……。けど、さぁ〜…。それだから、メイド服着たりさ、胸も強調したりして頑張って…。いっ…生…懸命……(ぐすん)、一しょ……う懸命…うぅっ、うわーーーん。ウチだってぇー、ウチだってーーー。(泣き』
「えぇっと…」
「あぁー、こうなると…」
「よしよーし、ネビ。ネビが頑張ってる事は俺が知ってるから大丈夫だよ。たまたま、見間違いってあるし。ネビの姿は、間違えなく美人な女性だよ。だから…ね?ね?」
『うぅっ、うん』
この後、コウキの謝罪。邪神のご機嫌取りの為に店に行く事になった。お金は、ネビに貰った銀貨で払えるだろう。