3.ルーツ村
長らくお待たせいたしました。更新準備再開します。
29話目「ルーツ村」
ミアの生まれた村、そしてミイアが育った村であるルーツの村についても少し説明しましょうかね。
ルーツ村があるのは世界の双壁、西の山々の奥。数百人が農業と牧畜をして暮らしているわ。家はかなり密集していて、その空いた土地に畑や牧場があるような感じね。一応、大きくはないけれど物見やぐらのようなものもあって、それなりにしっかりした村よ。南東のはずれが高台になってて、天気がよければ、遠くの方に東の峰々を拝むこともできるわ。井戸は家が立ち並ぶ中央と、北東、南東、南西、北西の位置にひとつずつの五箇所と、厩舎、東屋、共同の農具置き場なんかの人が集まる場所に設置されていて、水に困ることはないわね。
ミイアを育てたのはミアの両親、つまりミイアの祖父祖母というわけ。ミイアを産んですぐに『黒白戦』だったから、二ヶ月半くらいで死に別れてしまったのかしら。ミアの代わりの乳母となったのは、ミアの姉のリア。母親が十余年過ごした村で、六年間大切に匿われてきたのよ。
今のリア・ルーツは高名な魔法の書の研究者でもあるわ。ミイアが持っている書の複製者のサインもリアのもの。リアは世界各地から送られてくる資料を基に、時には足りないことを自分で補ってしまう。いくつかの魔法はリアのオリジナルといっても過言ではないと思うわ。いくら足りない部分を推測できるからといって、実際にものにできるなんて稀だもの。
ミイアの祖父にあたる人物は、今の騎士団長が入団したときの第四騎士団の団員だったそうよ。当時は班長と呼ばれていたらしくて、ミイアの剣術はこのお爺さまの我流なのよ。魔法には魔法で、剣には剣でっていう考え方だったみたい。まあ、自分で武器を考案するような人でなければ、普通は剣一本か弓矢に、使い勝手のいい魔法を組み合わせていくから、熟練するほどに我流が増えていくものなのだけれどね。
最後に、ミイアの祖母にあたる人物ね。この方は頭の切れる人だったみたいで、家にある蔵書のほとんどはおばあさまの物らしいわ。リアとミアに魔法の書を買い与えては自分でも実践して、キッチリ生活に生かしていたと聞いたわ。ミアの性格からは想像もできないわね。




