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姫君と侍女

「ねえ。リタは好きな人っていないの?」


私の問いに、お茶の用意をしてくれていたリタは手にしていたポットをカシャンっと落とした。


「すみませ・・・っ」


質問の答えを聞くまでもなく、リタにはどうやら想い人がいるらしい。

わたわたとしている様子は大変かわいらしいけれど。


うわぁ。お兄様ってば失恋確定。どうしよ。


兄が完膚なきまでに振られるのは全く構わないが、嫉妬で相手の男に何かされたら困る。

リタが悲しむ顔なんて見たくない。


とりあえずどんな人物か探ってみなければ。


「ねねっ、どんな人?」


抑えきれない好奇心が溢れ出ているが、そんな私にも恋する乙女な表情をしたリタは乙女らしい回答を口にする。


「好きとか、そういうのではなくて・・・ただ、一度お会いしてみたいというか」

「会ったことないの?」


なら、どうやって知り合ったんだろうか。


「心のこもったお手紙とお菓子をくださるんです」


成程、文通か。直接のやりとりが少ない分、兄にも気づかれなかったに違いない。


「その人とは会ったりしないの?」

「名前、知らないんです・・・」


名前を教えないのは謙虚なのか、計算のうちなのか。


恋心というほど育ってはいないのかもしれないが、好感度はかなり高いようだし、一度出会ったら恋に進展するのに時間はかからないかもしれない。


これは早くアルとの縁談を進めて貰わなくては。

失恋で自棄になったお兄様に、僻地へ飛ばされては適わないわ。







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