表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

9/10

第9話 ここって初級ダンジョンですよね?

 しばらくして、僕とイリスは再び冒険者ギルドへやってきた。新たなクエストをこなして生活資金を得るためだ。


 ギルドでは今日も依頼を求める冒険者たちでごった返していた。ちなみに僕とイリスの冒険者ランクはCランク。大体、中位くらいのポジションだ。イリスの実力はもっと上だろうが、とりあえず僕の支配下ということで同じランクになっている。


 僕らが姿を現した途端、冒険者たちが左右に分かれて道を作る。


 ……めっちゃ避けられているなぁ。


 しかも今日から僕のマントには、女神ディスフィアの紋章がマークされている。イリス曰く「女神本人が印してくれた」らしい。めちゃ目立つ(涙)。


「見ろよ。あいつが噂の邪神の勇者アズマだ」


(いやいやいや、騙されたんですよー僕は)


「邪神の下僕・ダークエルフを引き連れてご登場か。この国を滅ぼすんじゃないだろうな」


(もうーそんな実力も気持ちもありませんからー)


「見ろよあの美女ダークエルフを。あいつら毎晩あんなことやこんなことをやってるに違いねぇ」


(してませんって!手を繋いだだけですからっ!)


 周囲の視線にさらされながら、どうにかいつものお姉さんにたどり着く。


「すいません。仕事ください。二人で出来るやつでお願いします」


 受付のお姉さんは、心配そうな顔で僕を見た。


「アズマさん、ご無事でしたか? 彼女……イリスさんの制御は出来てますよね?」


「その点は大丈夫です。それより僕の噂は相当広がってます??」


「それはもう・・・王国諜報部も動いてますから、言動にはお気をつけて」


「ははは。もう好きにしろや」


 お姉さんは溜息をつき、静かにクエスト用紙を出した。


「では今日はこちらのクエストを。近郊にある初級ダンジョンで、稀少鉱物の採取です。詳しくはこちらの用紙に記してありますから。期限は一週間以内。採取量によってボーナスあり、モンスターの素材や討伐部位も買い取りますからね」


「助かります! 頑張りますから!」


「まあそんな強敵はいませんけど、油断はせずにね」


 受付のお姉さんはにっこり笑って送り出してくれた。彼女こそ数少ない僕の理解者だ。そして神官戦士として装備も一新したイリスとダンジョンに向かう。僕らの初陣だ。


* * *


 この世界にはテンプレ通りお決まりのダンジョンがある。王都近郊にある、この冒険者ギルドが管理する初級ダンジョンもその一つだ。駆け出しパーティーから中位くらいまでの冒険者が腕試しや日々の暮らしのために潜っていく。


 ダンジョンコアが破壊されていないので、ここは常に魔物が湧きだし、稀少鉱物やアイテムもドロップする。なお最下層にはボスモンスターが常駐し、冒険者たちの腕試しの対象になっている。ここのボスはまあまあ強いストーンゴーレムらしい。


 僕は背中の魔剣(名前は不明)をしっかり装備し、先頭で潜っていく。イリスはモンスター探知の魔法も使えるみたいで、周囲をサーチしながら僕に続く。本来は荷運び人夫を雇うかメンバーを増やすところだが、うちのイリスさんの収納魔法がめちゃ便利。ほぼ手ぶらみたいな感じで探索できるのは大きい。


 そして、モンスターが現れる。まあ初級ダンジョンの低階層だ。せいぜいスライムくらいが……


「は?」


 武器を構えたボブゴブリンが向かってくる。こいつら、Cランクになる前の冒険者にとってはまあまあ強い雑魚だ。僕は魔剣の力を解放して叩きのめした。僕の後ろでイリスがぱちぱちと可愛く拍手をしてくれる。


「イリス。僕の戦闘はどうだった?」


「ご主人様はなかなかお強いです! 魔剣の威力が半端ないですねー」


「ハハハ。僕には転生者特典で『自分のステータス』がわかるんだ。魔剣を装備した僕のレベルは50。A級冒険者並みの能力があるのさ」


「素敵です~ご主人様~! モンスターからの魔石の回収とかはお任せください!」


「うん。僕は周囲を警戒してるから」


 ……その後も、初級ダンジョンにしてはなんか強いモンスターが現れるが、僕の魔剣の威力とイリスの闇の攻撃魔法で攻略はサクサクと進むのだった。


* * *


 稀少鉱石の採掘エリアに来た。イリスが円形の鑑のような探知魔法アイテムを取り出した。作動させるとまるでレーダーのように周囲の地図を浮かびだし、入力した目標物を探しはじめる。しかしなかなか見つからない。うーん、このままじゃ手ぶらで帰ることになる……そう思っていた時、探知アイテムに強い反応があった。


「ご主人様!こっちです!」


 イリスに着いて行くと、そこはラスボスがいると思われる部屋の手前だった。


「この部屋の向こうに強い反応があります!」


「なるほど……虎穴に入らずんば虎子を得ずか。ここのボスはCランクパーティーでも倒せるみたいだし。イリス、行こう!」


「わかりました! 援護いたします!」


 僕らは武器を構えてラスボス部屋のドアを蹴り開ける!うす暗い部屋に明かりが灯る。侵入者を察知したラスボスが出現する合図か?


 グモモモモ……! 激しい地響き。さらに天井からは石の破片や土が降り注ぐ。さあ、ストーンゴーレムのお出ましだ!そう思った僕らの目の前に現れたのは……巨大なドラゴン……アースドラゴンだった。


「へ? ここって初級ダンジョンだよね? なんでSランクのモンスターが出てくるの?」


 イリスがキラキラの目で僕を見ている。


「ご主人様! これを倒したら大量レベルアップ間違いなしですよぅー!」


 いやいやいや、勝てないだろー! SランクモンスターなんてSランクパーティーでも、仕留めるか仕留められるかっつー奴だぞ!そんなことを考えていると、アースドラゴンの強大な前足が振り上げられ、鋭い爪が襲ってきた。


 あ? ああぁー!?

ここまで読んでいただき、本当にありがとうございます!

少しでも楽しんでいただけたなら嬉しいです。


もし「面白い!」と思っていただけたら、評価(☆)をぽちっと押していただけると励みになります。

星は何個でも構いません!(むしろ盛ってもらえると作者が元気になります)


そして、何らかのアクション&ひとこと感想(一行でOKです)をいただければ幸いです。

特に感想はめっちゃ元気になりますw 


よろしければ、ブックマーク登録もお願いします。

更新時に通知が届くので、続きもすぐ追えます!


今後の展開にもどうぞご期待ください。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ