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第7話 えーと……なにしてんですか??

 冒険者ギルドでのハッタリ芝居で、僕は王国における信頼や評判、その他色々を失うという代償を払ったが、その代わり「ドラゴンに匹敵するかもしれない?邪神の下僕」を手懐けた男として注目を集めることになった。


 ギルドを出て新居に移り住む間も、王国諜報部の監視が付きまとう。(いやーん)町の人からはモンスターを見るような怪訝な顔で距離を置かれる。


 ふふふ……ぼっち上等だっ!


 元々僕は日本でも孤独を愛する男だったしな。まあ……単に友達がいなかっただけだが。回想しててもちょっぴり悲しくなる。


 しかし、今は超絶美少女ダークエルフが側にいる!僕は王国民にこれみよがしに、イリスと手を繋いで歩くのだった。


「あのーイリス。手を繋ぐよ。いい?」


「はい……嬉しいです。ご主人様」


 ドキドキの恋人繋ぎだ。人生初の快挙である。


「新居には最低限の家具や家事道具はあるみたいだけど、色々と買わないといけないなぁ」


「道具類の持ち運びならこのイリスにお任せください!収納魔法がありますので」


(出たよーご都合便利魔法がっ!まあ役に立つならいいけどさ)


「そりゃ凄いなー。どのくらい収納できるの?」


「試したことはないですねぇ。今も色々と入ってますけど、全部出したら大変なことになりそうなので」


「そういうアイテムの類って奴隷商に巻き上げられたりしないの?」


 イリスはちょっぴり悪い顔で微笑みながら言い放つ。


「秘密にしてましたしー」


「そういうもんなの?」


* * *


 僕たちは夕刻には新居に着いた。ギルド所有の一軒家(賃貸契約)だ。ここで彼女と僕の新たな生活が始まる。新居は平屋建てだが庭付きの一軒家で広さもまずまず。浴室にトイレもあるし、二人で住むには広すぎるくらいかもだ。大した荷物もないのですぐに屋内の整理は出来た。そして、各自の個室がある。今後のお互いの健全な生活には必要だろう。


 夕方、僕たちは市場で因業そうなおっちゃんを「適正価格で売らないと呪うよ?」と脅して入手した食材で夕食を作り、ささやかなパーティー結成祝いをした。その後は各々風呂に入って寝る。


 僕は廊下でイリスと別れる。向こうの部屋はイリスの自室だ。


「ご主人様……おやすみになる前に申し上げておきたいことがございます」


「えーと、なにかなぁ?」


「私はこちらのお部屋で深夜……少々騒がしくするかもしれません。しかし、決して部屋を覗かないでくださいませー」


 僕は思わず何とかの恩返しを想像した。そしてさりげなく聞いてみる。


「それって……うっかり覗くとヤバイやつかな?」


「場面によってはそうなるかもしれないです」


「わかったよ。決して覗かないから。じゃあおやすみ」


「はい。おやすみなさいませ」


 僕は部屋の粗末なベッドに横になる。


 今日は色々とあったがどうにか無事に切り抜けた。明日からまた依頼を受けて頑張ろう。そう心に誓って眠りにつく。


* * *


 深夜、隣の部屋からは楽しそうな笑い声と音楽が聴こえてきた。壁は薄いのか耳をすませば、その音を次第に拾ってしまう。冒険者としてレベルアップした僕は様々な能力が底上げされているのだ。


 すると、どこかで聞いたようなメロディが流れてくる。


「はっ?これは僕の故郷……日本の歌謡曲?まさかそんな筈は?」


 僕はベッドから抜け出し、そぉーっと部屋を出る。そしてイリスの部屋の前にやって来た。ドアの向こうからは、確かに聞いたことのある曲が流れている。


 イリスには「決して覗くな」とは言われたが……ちょっとくらいならいいのではないだろうか? とにかく気になるのだ。ドアにカギ穴などないので、ドアノブを持って音を立てないようそぉーっと隙間を作って覗いてみる。


 部屋の中の様子に僕は驚愕した。何もない簡素だった部屋が「魔王の寝室」みたいになってる!? 凄い装飾の豪華な寝台、数々のオドロオドロしい調度品、そして邪神様の祭壇らしい一角も。そこにはエロティックな姿の女神像が安置されている。


 さらにイリスは……かなりセクシーな寝間着を着て、どこからともなく聞こえてくる音楽に合わせて踊っていた。一曲が終わり・・・新たな曲が始まる。


『UFO!!手を合わせて見つめるだけで~……』


(ん?んんー??この曲って、僕のおばあちゃん(65歳)がカラオケでノリノリで踊り歌ってた桃色少女組!?)


 イリスは曲に合わせて完璧な振り付けで踊っている。目を凝らすと……隣にうっすらと女性らしい影が見える。あれって……邪神様なのか……!?その時、イリスの目がきらーんと赤く光り、僕と目が合った。


「ご主人様……見てしまいましたね」

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