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第33話 救え! 獣人たち

 それから僕らは、王都の闇に深く根を張るべく日々暗躍を続けた。表向きはA級冒険者パーティーとして「目立たない程度にそこそこ活躍」しながら、影では闇の女神の魔物ブーストを使い、ハイランクモンスターを乱獲。経験値と資金を荒稼ぎしていく。


 僕の魔剣がある程度働いて寿命を吸い始めると、今度は闇の女神の呪いが発動……。気が付けば、僕は「ショタ一郎(10歳)」へと変貌しているのだ。そうなると、「世直し」の時間の始まりである。優秀なる諜報員ノワールが「極上のクズ」を選定してくるので、僕は闇の処刑騎士となって夜の王都を駆け巡るのだ。  


 今日は先日成敗した奴隷商人の顧客の中でも、飛び切りの変態野郎を斬りに行く。その男の名は、サラトガ伯爵。王都の法務官という厳格な立場を拝命しながら、裏では多くの奴隷を侍らせて悦に浸る、ど変態らしい。


***


 例によって屋敷に状態異常魔法を仕掛け、ほとんどの家人や使用人を昏睡させる。


「ノワール……奴はこの先なの?」


「はい! マスター。サラトガ伯爵は奥の間に、奴隷たちを侍らせております」


「ドキドキするなぁ。あのー、踏み込んだ先がエッチな展開になってたら、僕の免疫じゃ耐えられないかもしれないんだけど……」 10歳の純真な(?)心臓がバクバクと鳴る。そんな僕を見て、ノワールがクスクスと笑った。


「もうー、しっかりして下さいマスター。純情ボーイなんだから♡」


「その時は私が邪神パンチで粉々にしますよぅー!」 イリスが頼もしく拳を鳴らす。


「ホーホッホッホッ、女の敵は私が爆破いたしますわよ」ユリシアも杖を構えてやる気満々だ。


 忍び足で部屋の前まで来ると、アシュレイが鋭く合図を送った。 「準備OKよ。……いけっ!」


 バァーーーン!!


 扉を蹴破り、処刑騎士の姿で突入する。 「サラトガ伯爵だな! 神妙に縛につけ!」


 噂のド変態は、真っ白な絹のガウンに身を包み、多くの獣人の女の子たちを侍らせていた。 「ああぁ? 何だ貴様らは? お楽しみの邪魔をしおって」


「火付け盗賊改め方・長谷川平蔵である! 歯向かう者は斬る!」僕は漆黒の鎧の背にある魔剣『マンイーター』をすらりと抜き、切っ先を突きつけた。


「鬼平……だと? まさか!? そんな筈はない、出会え出会え!」伯爵が叫ぶとヤツの周りにいたメイド服姿の獣人の美少女達が手に手に武器を持って僕に向かてくる。


「え?獣人の皆さん……僕はみんなを助けに来たんだけど」あれ?なんか雰囲気が違う。彼女たちは身を挺して伯爵の前に立ちふさがり僕に憎悪の目を向ける。


 その獣人メイドの中から人一倍大きな猫型獣人のチャイナドレス美少女が僕に向かってくる 伯爵が叫ぶ「トラ子!やってくれ!」


 トラ子と呼ばれた彼女はめちゃ怖い顔をして僕に向かってくる。素手ではあるが身長は2メートル近く、虎耳と虎尻尾は可愛いがその強者オーラは凄まじい。


猛虎硬爬山もうここうはざん!!!」僕が獣人を斬れないなぁーと躊躇する隙をついて全身でぶつかって来る。


 ガシャーン!!! 


 凄まじい衝撃と共に僕はトラ子の拳・頭突き・体当たりのコンボを受けて背後の壁までぶっ飛ばされる。魔力で繋がれていた魔甲冑がバラバラに脱げていく。


「ああぁーご主人様~!」ショタ一郎姿に戻った僕にイリスが駆け寄りすぐに回復魔法を掛けてくれるが、僕はぐるぐると目を回すばかりだ。


「よくもマスターを!」 ノワールが鋭い爪を出しトラ子に挑む。


 ガキィーン! 


 トラ子の拳には魔力が込められているのか、ノワールの攻撃を受け止めながら反撃していく。


「この子強い!」ノワールとトラ子はほぼ互角の打ち合いだ。 


 その様子を見て極大爆破の魔法を練り始めるユリシア。「よくも良一郎様を! 館ごと灰にして差し上げますわ」 ユリシアの目に狂気が宿る。 


 イリスの治療で、僕は回復し目を覚ました。 立ち上がりサラトガ伯爵に確認する。 


「ちょっと待った!……あんた長谷川平蔵のあだ名を知っているのか?」それを聞いて僕に目を見張る伯爵が聞き返す。


「そういうお前こそ何者だ? まさか……転生者!?」互いに顔を見合わせ、空気が一変する。 僕は風貌を確かめるように問うてみる。


「貴様こそ、日本人なのか?」


「おおっ……そうだが……。なぜ私を斬りに来た?」


「この日本人の面汚しがっ! ど変態貴族として、既にネタは上がってるんだぞ!」


「ええっ!? ど変態だなんて心外だ」


「奴隷商人から多数の違法奴隷を購入し、隠匿しているだろう! そこにいる獣人の女の子たちが動かぬ証拠だ!」


「待て待て……この子たちは俺が保護してるが、悪いことは何もしてないぞ。ちょっぴり『もふもふ』してるくらいだ」


「もふもふ……だと?」


「ああ、見ていろ」サラトガは、近くにいた狼の獣人美女の巨乳の谷間に顔を埋め、その弾力と毛並みを堪能し始めた。


 僕は激高する。 「……それは『ぱふぱふ』だっ! やっぱり斬ろう、こいつ!」


「止めてぇ―お願いだからー! 彼女たちにも話を聞いてくれー!」

 

***


 必死の言い訳に、僕はいったん魔剣を降ろした。「ノワール、ユリシアさんも一旦ステイ!ステイです!」 伯爵も虎獣人の戦闘メイド?に声を掛ける。「トラ子も休戦して!」お互いが矛を収める予想外の展開になってしまった。 


 すると、侍っていた獣人のメイドたちが、一斉に彼を庇い始めた。


「誰だが知らないけど、ご主人は悪い人じゃないです!」


「そうなんです。私たち、脅されたり虐められたりはしてないわ!」


「ご主人が、魔大陸から攫われてきた私たちを保護してくれたのよ!」


「そうなの……?」鎧が脱げた僕は10歳の少年だが、魔剣を杖に半信半疑だ。


 サラトガは僕を見て、大きくうんうんと頷く。僕は魔剣を収めながら毒気を抜かれたように呟いた。


「なんだよー。今日は気持ちよく変態クズ野郎をぶった斬れると思ったのになー」


「君たち、一体何者なんだ? 強盗なのか? それとも暗殺者?」


 問いかけに、忍者スタイルのイリスが影から現れる。 「この国の巨悪を闇に染め上げる者。……それが我々ですぅー!」


「へぇー、忍者もいるんだ。本格的だなぁ」


 さらにユリシアが、不満げに杖を回しながら尋ねる。


「この子たち全然弱くないし、むしろ生き生きとしてますわ」


「おかしいですね」ノワールが帳簿を確認しながら首を傾げる。


「あの奴隷商の最大顧客なんです。ここ数年は海外から運び込まれた獣人のほとんどを買い漁っているのですが……」

ここまで読んでいただき、本当にありがとうございます!

少しでも楽しんでいただけたなら嬉しいです。


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