表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/13

プロローグ

はじめまして。今回、多次元世界を舞台にした超人バトル小説「史上最高超人・プロローグ」を執筆いたしました。

スケールの大きなバトルシーンと、父子の複雑な関係性を軸に、読者の皆様に楽しんでいただける作品を目指しました。ぜひ最後までお付き合いください。

数え切れない多次元世界。

無限に広がる星々。

そして湧き出る数多の生命体。それぞれの世界では独自の法則が息づき、異なる時空が流れる最中、様々な生命が栄枯盛衰を繰り返してきた。


機械が意識を持つ「テックノーシス」世界も、

魂そのものが実体を持つ「霊界エーテリア」も、

魔法が支配する「エントランス」も、

因果の糸が織りなす「輪廻界ダルマチャクラ」も存在する。

全ては創造の瞬間から続く壮大な物語の一部だ。



これが創造主の手による全多次元世界。世界は一つではない。創造主のみが把握できる膨大な世界群が存在している。その無限の世界の全てを知るのは、創造主だけである。



しかし、創造主さえも予測できなかったのか――超人と呼ばれる存在が現れた。多次元世界を横断し、次元の壁を超え、あらゆる法則を書き換えられる存在。通常の生命体と超人の差は、蟻と地球の差よりも遥かに大きい。




驚くべきことに、過去未来を通じて、超人となったのはたった二人――今崎啓二(いまざきけいじ)と、その息子である今崎千大いまざきせんだいのみだった。


二人の存在は宇宙の奇跡であり、創造主の意図を超えた偶然か、あるいは必然だったのかもしれない。


そして今、二人の超人が全力で衝突していた。彼らの存在は宇宙の法則を歪めていた。



数百光年先まで波動が届き、恒星が消滅し、銀河が破滅する。たった一撃で幾つもの星々を滅ぼす異能。それは神の領域を超える力であり、宇宙の根源に触れる危険な能力だった。



超人の戦いは一つの多次元世界を超えていた。彼らの異能の余波は次元の壁を簡単に突き破り、異なる多次元世界へと到達する。高度な科学技術を持つ「アストラル・フェデレーション」では、量子シールドや時空間歪曲装置が起動するが、超人の異能の前には無力だった。



―――――――――――――――――――――――――――――――――――――



絶対的最強の座に君臨する男――今崎啓二が放つ四無色定しむしきじょうによって。その存在は創造主と、ごく一部の人間、そして身内以外にはほとんど知られていない。


なぜなら彼は敵対した者を例外なく亡き者にしてきたからだ。その姿を見た者が生き残ることはない。黒き闇を纏い、虚無の力を操る啓二は、影のような存在だった。



四無色定とは、異能、物質、生命力リソース、そして概念まで、四つの領域全てにおいて色即是空しきそくぜくうの境地に達し、あらゆる存在を虚無に帰す力である。


それは単なる破壊ではなく、存在そのものの否定だった。四無色定に触れたものは、物理的な存在も、概念的な存在も、すべて跡形もなく消え去ることが可能。全てを拒絶し、あらゆる固有の異能を無効化して漆黒の虚無へと還す能力。万物を消し去る無敵の異能力者だ。



啓二の四無色定しむしきじょうは、その影響が一つの世界にとどまらない。「霊界エーテリア」では大魂魄たちが魂の概念すら否定される危機に直面し。

「テックノーシス」の超人工知能たちはデジタルな存在すら否定されていくのを観測していた。次元の壁を越え、あらゆる存在を否定する力――それが四無色定しむしきじょうだった。



彼はこれで幾多の強者たちを葬り去ってきた。数にして千を超え、戦歴は26年に及ぶ。自称最強と名乗る者も、すべては彼の四無色定しむしきじょうの前では塵にすぎなかった。敵対した者は痕跡すら残らず消え去り、その存在自体が虚無に帰した。


故に彼の存在は噂としても残らず、恐れられることさえなかった。全多次元世界で唯一彼に対抗できる可能性があったのは、彼と同じ血を引く千大だけだった。



彼が戦いを求める理由は一見単純だった。自分より強い者を見つけること。しかし、その真意は別にあった。妻を失った時から、啓二は生きる意味を失っていた。


死を願っていたのだ。しかし、妻の最期の言葉「千大を……よろしくね」という託しが、彼を縛り続けていた。自ら命を絶つことはできず、千大が十分に強くなるまで生き続ける義務を感じていた。



全多次元世界全体で、超人はたった二人だけ。自分と息子だけが、この孤独な力を持つ運命にあった。長年、啓二は生きる意味を見失っていた。最強になったがゆえの孤独。


それが宿命だった。敵になった者はあまりに弱く、戦いにならない。だからこそ、自分の血を引く者—息子だけが、唯一自分に挑む資格を持つ存在であった。



啓二は息子・千大に厳しい訓練を課し、時に非情な指導を行った。それは愛ゆえの行為であり、同時に自分を倒せる唯一の存在を育てるための苛烈な道のりだった。その愛は冷たく、時に残酷なものだ。


その無敗の四無色定しむしきじょうを実の息子・今崎千大も、敵に回った瞬間、躊躇なく使用し、その存在そのものを消そうとしていた。父と子、師と弟子、そして二人の超人。啓二は我が子にも容赦はしなかった。



啓二の放つ四無色定しむしきじょうの波動が千大を包み込み、若き超人の肉体を虚無に還そうとする。それは宇宙の始まりより前、全てが存在しなかった原初の闇のような漆黒だった。誰もが、千大の最期の瞬間だと悟らざるえない。



「輪廻界ダルマチャクラ」では因果の糸が切れ始め、「エントランス」の空には巨大な裂け目が生じ、漆黒の闇が広がっていた。世界と世界の壁を超え、啓二の異能は広がり続ける。



―――――――――――――――――――――――――――――――――――――



今崎千大――その男は、父親の命令に従って生きてきた。感情を持たないAIのようなその存在は、言われるままに人を殺し、国を滅ぼし、星を破壊し、惑星を消滅させ、世界を破壊してきた。


彼は自らの行動に疑問を持つことなく、ただ父の言葉に従って動く完璧な超人だった。彼の内には感情がなく、愛も憎しみも、喜びも悲しみも存在しなかった。


しかし、今、彼は変わりつつあった。


だが、全てを拒絶する漆黒の虚無すら受容する慈愛――非想非非想処天ひそうひひそうしょてんによって、ことごとく中和され、その異能は無力化されていた。


千大の周囲に広がる青い光の中で、啓二の漆黒の波動が徐々に薄れていく。それは戦いというより、光と闇の調和、拒絶と受容の融合のようだった。



千大の非想非非想処天ひそうひひそうしょてんが生み出す力は、啓二の四無色定しむしきじょうとは対照的に、全てを受け入れ、解脱させる力だった。


その青い光は別の多次元世界にも届き、「アストラル・フェデレーション」の宇宙艦隊もろとも解脱させ、「エントランス」の魔法使いたちが最後の抵抗を試みる中、世界そのものを受容し、変容させていた。



最強を誇った四無色定しむしきじょうが、最高を誇る非想非非想処天ひそうひひそうしょてんの前では通用しなかったのだ。息子は父の教えを超え、拒絶する力を持つ父に対し、すべてを受け入れる力で応えたのだ。


それは啓二の思想への根本的な反抗であり、同時に彼の教えの集大成でもあった。


彼らの戦いは単なる力の衝突ではなく、二つの思想、二つの生き方の対決だった。啓二が体現する「拒絶」と千大が見出した「受容」。最強の力と最高の慈愛。宇宙の根源的な二元性を表すようでもあった。


それまで無言を貫いていた啓二は、固く閉ざした口を開いた。



「この俺の虚無すらお前は受容するのか?」



その問いにはほんのわずかな驚きが混じっていた。自分の力を超える者を見出した衝撃が複雑な感情を入り混じっていたのだ。しかしそれらを啓二は表面に表さない。

千大は静かに答えた。彼の瞳は蒼く輝き、その身体からは穏やかな光が放たれていた。



「俺は全ての愛を受容する。そのために最強を超える最高になった。俺の身代わりとなった萃香から与えられた愛を全て知るために、お前を倒して人間そのものを知る」



千大の中には、彼自身も理解しきれていない変化が起きていた。常に無表情だった顔に、微かな感情の動きが現れ始めていた。彼の心に芽生えた「愛」という感情は、今まで彼が経験したことのないものだった。



「その先に闇があってもか? 人間は弱いがゆえに裏切られる。強い超人とは違う。我々には裏切りはない。なぜなら強者ゆえに嘘をつく必要がないからだ。超人はたった一人で生きていける完結した生き物であり、嘘など弱者が必要とする惨めなもの。そんな脆弱な生き物と関わってどう愛を感じる? そのような行為で得られる愛など花よりも脆い」



啓二の言葉には、長年の孤独と人間への不信が滲んでいた。彼にとって、力こそが全てであり、感情は単なる弱さの証に過ぎなかった。かつて彼には愛する妻がいたが、信頼していた友人の裏切りによって彼女を失った。


その悲劇が啓二を強くした。愛し、信じることの痛みを知った彼は、二度と同じ過ちを繰り返さないと誓い、心を閉ざした。友人の裏切りと妻の死が、彼を冷酷な最強の超人へと変えたのだ。



――しかし千大はそんな父の言葉に動じなかった。



「そんなものは超人の俺には関係ない。俺は最高の超人であるが故にそんな小さなことなど全て受容する。これからの楽しみを邪魔する者は排除する」



千大の声には確信があった。彼は父とは異なる道を歩むことを決意していた。最強ではなく最高を目指し、拒絶ではなく受容を選んだのだ。それは彼自身の意志であり、萃香から受け継いだ愛の形だった。



「ならばそれを証明してみろ、千大」



その言葉と共に、宇宙が震えた。最終決戦の最終章が始まったのだ。



―――――――――――――――――――――――――――――――――――――



眉間にしわを寄せる超人・啓二は、四無色定の最大火力—曼荼羅まんだらを解き放つために詠唱を開始した。彼の周りの空間が歪み、漆黒の気が渦巻き始める。それは宇宙の法則を無視した絶対的な「虚無」の力だった。



それに呼応するように、超人・千大も全力で応じるべく、即興で決めた詠唱を口にする。彼の周りには青い光が広がり、その光は啓二の漆黒の波動に対抗するように明滅していた。千大の動きには父親ゆずりの洗練された技術があったが、同時に萃香から学んだ柔軟さと優しさも感じられた。



二人の超人が織りなす戦いは、芸術のようだった。その一挙一動が宇宙の構造を揺るがし、彼らの存在自体が現実を歪めていた。



――拒絶きょぜつ、虚無の境地きょむのきょくち無我むが、狭間の世界はざまのせかい、最後の離別さいごのりべつ



啓二の詠唱が宇宙に響き渡る。それは単なる言葉ではなく、現実を書き換える呪文だった。彼の言葉一つ一つが宇宙の法則を書き換え、その存在意義を否定していく。



――三相さんそう、蓮のはすのはな五蓋はすのはな涅槃ねはん最愛の離別さいあいのりべつ



千大の詠唱は、啓二の詠唱とは対照的に、温かみを帯びていた。それは否定ではなく肯定の言葉。破壊ではなく創造の響き。彼の言葉が宇宙に共鳴し、すべての存在を包み込むような広がりを持っていた。



――曼荼羅まんだら――



啓二の最終詠唱。それは彼の全てを注ぎ込んだ究極の技だった。曼荼羅――全ての存在を円環の中に取り込み、そして全てを虚無に還す恐るべき力。宇宙の生命も、星々も、光も闇も、全てを飲み込む漆黒の渦。それは啓二の生き様そのものだった。



――一蓮托生いちれんたくしょう――



千大の最終詠唱。それは全てを受け入れ、全ての愛と共に生きることを誓う言葉だった。一蓮托生――共に生き、共に死する道。それは千大が萃香から影響を受け、自らの内に育んだ愛の形だった。


同時に詠唱が終わった。その瞬間、両者の異能によって文字通り宇宙が消滅した。星々が消え、空間そのものが引き裂かれ、時間の流れが停止する。それは宇宙の終わりであった。


全てを消し去る異能と、全てを受容し世界そのものを強制解脱させる異能に、この世界は一瞬たりとも耐えられなかったのだ。この世界は滅び、生物は皆、この世にもあの世にも既に存在しない。真の無の空間に耐え得る生物など、この場には超人しかいない。



宇宙の終焉。それは美しくも恐ろしい光景だった。星々が輝きを失い、銀河が螺旋を描きながら消えていく。全ての色が失われ、音も香りも触感も存在しなくなる。ただ二人の超人だけが、その虚無の中に立っていた。



異世界の崩壊は連鎖的に広がっていた。「エントランス」では、最強の魔法使いたちが結集し、世界を守ろうとしたが無駄だった。


「アストラル・フェデレーション」の量子シールドも崩壊し。


「テックノーシス」の超人工知能たちは自らのコードが書き換えられていくのを観測するしかなかった。


「霊界エーテリア」の大魂魄たちは最後の言葉を発し。


「輪廻界ダルマチャクラ」では因果の糸が切れ、輪廻の輪が歪んでいった。



―――――――――――――――――――――――――――――――――――――



生き残るのは最強の超人か、最高の超人か。二人の超人が対峙する虚無の空間。それは創造の前の状態であり、すべての始まりと終わりが交錯する場所だった。



互いの技量によって異能が拮抗するかと思われたが、決着はすぐについた。千大が解放した力――一蓮托生いちれんたくしょうは、全てのものを愛するがゆえに虚無に満ちた拒絶を包み込み、虚無の効果を発揮できないように、世界さえ拒絶する曼荼羅すらも受容し、この世から解脱させていく。



漆黒の曼荼羅が、蒼き一蓮托生いちれんたくしょうによって包まれていく。それは水に墨が溶けていくような、しかし墨が水を黒く染めるのではなく、水が墨を清めていくような光景だった。啓二の力が、千大の愛によって浄化されていくのだ。



己の最大奥義が突破される啓二には、なすすべもなかった。最強となって以来、敗北を知らなかった男がこの時、完敗を認めた。四無色定の完全なる拒絶が、非想非非想処天ひそうひひそうしょてんの完全なる受容の前に膝をつく。


放たれた黒き曼荼羅まんだらが蒼き一蓮托生に覆われる。その刹那、一蓮托生による強制解脱に数秒間抗う間に、啓二は全てを理解した。彼の内に宿る全ての思いが、一瞬にして明晰になる。



己の内に溜まっていた虚無が晴れ、愛を失い、明日を見失い、愛に飢えていた男、啓二の心に、長い間忘れていた感情が蘇る。亡き妻の日々、そして自分が忘れていた人間らしさ。それらが走馬灯のように彼の意識を巡った。最愛の人を失った痛みから、世界を拒絶する道を選んだことの意味を、彼は今、理解した。


享年46歳。妻を失った悲しみから始まり、半生は武と息子の訓練に捧げた人生だった。友人の裏切りが彼を変え、愛を拒絶し、力のみを追求する道を選ばせた。彼は虚無を追い求め、最強を目指し、全てを拒絶して生きてきた。


しかし――その果てに見出したのは、拒絶するものなど何もないという事実だった。



啓二の身体が蒼い光に包まれ、その存在が徐々に解体されていく。しかし、それは痛みを伴うものではなく、むしろ安らぎを与えるものだった。長い間背負ってきた重荷から解放されるような、そんな感覚。啓二は微笑み、今際の際に言葉を残して消えていった。



「これが慈愛か……」



―――――――――――――――――――――――――――――――――――――



実の父親との別れを惜しむことなく、千大は不敵に笑い、やがて興奮して叫んだ。



「これが愛……素晴らしい!!」



その叫びは虚無の空間に響き渡り、新たな宇宙の種となるかのように広がっていった。千大の目には、これまで見たことのない色彩が映っていた。感情という名の色彩。今まで彼が知らなかった世界の姿。



終わりを迎えた世界の果てを気にかけることなく、初めて抱いた己の欲望に心が満たされていた。再度語るがそれまでの千大は父親を殺すまでは感情そのものに疎く、殺せと言われれば殺し、惑星を壊せと言われれば壊し、世界を消せと言われれば消してしまう。感情の起伏がない生物。



彼は父の命令に従い、数々の命を奪ってきた。しかし、その全てが彼の心に何の痕跡も残さなかった。彼にとって、生きることも殺すことも同じことだった。それは感情を持たない者の宿命であり、啓二もまた、そのように千大を育てたのだ。感情は弱さであり、超人に必要なのは力だけだと。



人を尊ぶことも、愛でることも、愛されることも知らない。彼は人間との交流を持たず、超人としての力だけを追求してきた。その結果、彼は力を得たが、心を失った。それが啓二の教えであり、千大の宿命だったはずだった。


彼の力は計り知れず、その存在自体が全多次元世界の脅威となり得た。もし彼が全てを敵とみなし、全てを破壊しようとすれば、誰にも止めることはできなかっただろう。



しかし同じ時を過ごした義理姉の萃香の自己犠牲と今際の言葉によって、初めて感情が己の内に芽生えた。萃香が千大の身代わりとなって死が確定した時、消えゆく彼女は最後の力を振り絞り、千大の手を取ってこう言った。



「あんたは私の最高の弟よ」



その言葉が、千大の心の奥深くに眠っていた感情の種を目覚めさせた。視界に映る色のない世界が、色鮮やかに見えるようになり、彼は生物として何段階も上に覚醒した。

これまで彼は、書物やドラマ、映画、漫画、アニメを通して「愛」という概念を理解しようとしてきた。しかし、それらはすべて彼にとって意味のない記号に過ぎなかった。人間の自己犠牲や愛情表現を見ても、彼の心は空虚なままだった。



しかし今、萃香の犠牲と父との決戦を通じて、千大は初めて真の感情を知った。愛の多様性――家族愛、友愛、恋愛、性愛――全てが彼の興味を引くようになった。世界が新しい色で彩られ、千大の心には初めて高揚感と愉悦が満ちていた。



その感情は、千大にとって明らかな呪いだった。これまで感情という概念すら理解していなかった彼に、萃香の最期の瞬間に植え付けられた愛は、彼の理性を揺るがす不可解な力を持っていた。感情という未知の領域は彼の確信を乱し、思考を混乱させた。



「この感情は呪いそのもの。しかし......」



その呪いを、千大は心から喜んでいた。理解できないからこそ、彼はこの新たな感覚に心奪われていた。痛みと喜びが混在する感情。最強を超える最高の超人であるがゆえに、彼はこの矛盾した状態をも全て受容していた。呪いだと認めながらも、その呪いに酔いしれる奇妙な快感に身を委ねていた。


こうして千大は、自他共に認める、生涯敗北することのない最高の異能を手に入れたのである。それは単なる力ではなく、全てを愛し、全てを受け入れる慈愛の力だった。


物語自体は一応、完成させていますが、納得がいく出来ではなかったので書き直しています。よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ