◇《夜明けの地平線》──未来への旅立ち
◇《夜明けの地平線》──未来への旅立ち
光の戦いが終わったあの場所に、静かな朝が訪れた。
傷ついた大地にも風が吹き、花が揺れ、命が少しずつ戻ってくる。
空には、かつて見たことのない色彩の光が差し、
それはまるで世界そのものが祝福を送っているようだった。
◆イリスとミュレナ
イリスはそっと頬を撫でる風を感じた。
ミュレナは彼女の肩に寄り添い、羽を小さく揺らしている。
> ミュレナ:「まだ知らない空が、いっぱいあるわ」
イリス:「うん……風が、導いてくれる気がする」
風の精霊は微笑み、ふっと宙へ舞い上がる。
その姿は、次の場所へと向かう風のようだった。
◆アリシアとフィリュア
アリシアは大地に手を触れていた。
小さな芽が土から顔を出し、陽に向かって伸びている。
> フィリュア:「大地は、何度でも芽吹く。お前の心と同じように」
アリシア:「……ありがとう。私も、また始めたい」
フィリュアの姿が柔らかな光を放ち、
その温もりは、まるで母のように優しかった。
◆セイルとゼオル
セイルは剣を腰に収め、空を見上げていた。
ゼオルはその隣で静かに立ち、まるで旧き友のように寄り添っていた。
> ゼオル:「お前が選ぶ道ならば、いかなる荒野も進もう」
セイル:「……なら、歩こう。俺たちの足で、新しい世界を」
二人は、かつての痛みを胸に、それでも進む意志を抱いていた。
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◇そして、三人は並んで歩き出す
丘の上に立つ三人。
風が吹き、空が開ける。
背にはそれぞれの精霊たちの気配があり、足元にはまだ見ぬ道が続いていた。
> アリシア:「ねぇ、次はどんな街に行こうか」
イリス:「風が騒いでる。何か、面白いことが待ってるかも」
セイル:「……行こう。どこまでも」
そして三人は手をつなぎ、小さく、でも確かに笑い合った。
精霊たちもまた、主たちの背をそっと押すように光を放つ。
> ミュレナ:「未来は、まだ白紙よ」
フィリュア:「その手で、自由に描いていけ」
ゼオル:「すべては、これより始まる」
こうして三人と三柱の精霊は、
新たなる世界へ、誰の地図にもない旅へと、静かに、歩み出した。