第5章:ふたりきり任務、侵入者はちっぱいと勘違い王子!?
第5章:ふたりきり任務、侵入者はちっぱいと勘違い王子!?
夢音はクラリッサと共に、王都外れの廃神殿に調査任務へ出ることになった。
「君と私の二人だけの任務よ。責任を持って護衛するわ」
クラリッサは言った。
冷静な表情に隠れた、ほんの微かな期待と緊張。
(内心では“ふたりきり”にかなり浮かれていたらしい)
だが――
「ど〜も〜☆ お忍びで同行することになっちゃった♡」
神官服をひらひらさせて現れたのは……
小悪魔神官ちっパイ!
さらに、
「ボクも王族として、この任務に加わる義務があると思うんだよね!」
ドヤ顔で腕を組む、ジイカ・ジ・ジジ(※自称美少年・実際自意識過剰)
「…………は?」
クラリッサの瞳が、冷たく光る。
「どういうこと? 誰が許可を出したの?」
「えへへ、王宮の後ろ盾です!」「王子の特権です!」
「なるほど、次の任務は“排除”ね」
剣を抜きかけたクラリッサの手を、夢音が慌てて押さえた。
「ま、待ってクラリッサさん! お、落ち着いて!!」
◆
結局、廃神殿の調査は4人パーティで進むことに。
だが、夢音の「何かあったら守りますね」発言にクラリッサが照れて顔を背ける横で――
ちっパイ「ほう? その守る胸は見事だが、私は守られたくないタイプだ」
ジイカ「ボクも夢音ちゃんには守られたい! いやむしろ膝枕してほしい!」
クラリッサ「…………貴女たち、先に進みなさい。落とし穴にでもハマってきなさい」
ちっパイ&ジイカ「えぇぇぇええ!?」
◆
そして、調査の帰り道――
木々の間を抜け、夕日が差し込むなか。
夢音とクラリッサは、ついに二人きりになった。
「……うるさい奴ら、やっと帰ったわね」
「うん……あの、クラリッサさん……今日はありがとう」
「……貴女を守るのは当然よ。私は“騎士”なんだから」
そう言いつつ、クラリッサの声は少し震えていた。
「でも、それだけじゃないのよ。私は……私はね――」
夢音が見つめ返す。
クラリッサの睫毛がふるえ、頬が赤く染まる。
「……その……ッ。お、女の子の姿になったとしても……君は……君、だから……」
「だから、私は――」
「わたしは――――」
\どぉおおんッ!!!!!/
遠くで爆発音。
「って、えええ!? なに今の!?」
ジイカの声が木々の向こうから聞こえる。
「わ、私が変なスイッチ押したかも☆」ちっパイの声も!
夢音「……」
クラリッサ「…………次こそ本当に、あの2人を斬る」
(でも、たぶん顔が赤すぎて斬れない)
To be continued…