第4章:クラリッサ様、嫉妬の鎧を着込む(自覚なし)
夢音とちっパイ&ジイカのドタバタ逃亡劇が続く中、
クラリッサさんの“意地っ張り×過保護×ほんのりデレ”が大炸裂!
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『転生したら、やたら胸が重かった件。』
第4章:クラリッサ様、嫉妬の鎧を着込む(自覚なし)
夢音は、しばらくちっパイとジイカと一緒に行動する羽目になっていた。
なぜかというと――
「私、夢音の“乳の秘密”を解明するまで離れないから!」
「夢音ちゃんを守るのは僕の使命なんだっ!!」
……両方めんどくさい。
そこに、数日ぶりにクラリッサが現れた。
銀髪をなびかせ、剣を背負って、まっすぐ夢音を見つめ――
「……どこをどうすれば、こうなるのかしらね」
(おこだ……! でもなんか静かにおこだ……!!)
◆
クラリッサは、あきらかに機嫌が悪かった。
だが本人はそれを徹底的に否定する。
「……別に、貴女が誰と一緒にいようと構わないけれど?」
「ただ、城の命令で“監視”しに来ただけ。ええ、“監視”。」
「ジイカ。貴方、三歩以上夢音に近づいたら切るわよ」
「はい!? 僕だけッ!?」
そして、ちっパイには……
「……そこの巫女。神官服の前がガバガバなのは流行なの?」
「ぐぬっ! 胸の話やめてくださいって言ってるでしょぉおお!!」
クラリッサ、口では冷静を装いつつも――
夢音の世話を焼いたり、そっとブランケットをかけてくれたり、
寝ている夢音の髪を撫でたり……
(バレバレです。全部バレてます)
そしてある夜。
焚き火の傍で、夢音がぽつりとつぶやいた。
「……クラリッサさんって、もしかして、俺……じゃなくて、わたしのこと……」
クラリッサは、一拍おいてから言った。
「……貴女が誰かに攫われたら、面倒なの。私が責任を持って見張るわ」
「私の“騎士”としての責任よ。それ以上でも以下でもないわ」
でもそのとき――クラリッサの耳が、ほんのり赤くなっていた。
(ああもう、可愛すぎて心臓が重い……!)
◆
ちっパイ「ちょっと! 何このムード! 私の影が薄い!」
ジイカ「僕もッ! 影が! いやそもそも影になった覚えはない!」
夢音「お願いだから静かにして!!!(甘酸っぱさが逃げるからッ)」
この世界の恋は、騎士も巫女も予言者も、まとめて巻き込む。
やがて訪れる“恋か戦いか”の運命のとき――
クラリッサの想いが、はじめて真正面からこぼれ出す日は近い……?
To be continued…