パイギフト編:第1話「その願い、胸に刻んで」
夢音(オネェ形態):心優しき転移者。今は中性的な見た目&口調。
ちっパイ:小悪魔系神官。貧乳がコンプレックス。見た目は子悪魔美少女。
背景:任務帰り。ちっパイが精神的にダウン中。
「……いいよね、夢音は。何にでもなれて、みんなに好かれて……」
夜のキャンプ地。火の揺らめきの奥、ちっパイは膝を抱えてつぶやいた。
夢音は静かにその隣に腰を下ろした。
今の彼は、オネェの姿――けれど、その優しさはどんな形でも変わらない。
「……どうしたの、ちっパイちゃん?」
「……ちっさくて、子どもっぽくて、からかわれて。ずっと、嫌だったのに……。夢音には、みんな自然に惹かれてく。私がなにしても敵わない……」
「……そっか」
夢音は、そっと彼女の小さな背中に手を当てた。
その小さな身体がびくっと震える。
「でもね……自分のこと、そんな風に言わないで。ちっパイちゃんは、十分魅力的よ」
「……言葉だけなら、いくらでも言えるもん」
ちっパイが強がるように笑う。けれどその瞳は、今にも泣き出しそうだった。
夢音は、一拍おいて、そっと言った。
「だったら、証明してあげる」
そう言って、彼はちっパイの額に、そっと唇を落とした――
ぱああああああっ……!
柔らかい光が、2人を包んだ。
「な、なにこれ――えっ、あっ、ええええぇぇぇぇぇっ!?!?!?!?!?」
突如、ちっパイの胸元に……あきらかな、成長の兆しが!
「お、重っ……いや、待って、これ本当に……!」
彼女の身体が変化していく。自然なライン、美しい膨らみ――そして何より、自信に満ちた笑顔。
「……あ」
夢音は、やわらかく笑った。
「これが、“君が願った姿”。そして、君が信じてくれた“私”の力よ」
ちっパイは震えながら、自分の胸にそっと手を当てた。
「夢音……ありがと……っ」
光が収まり、2人だけの夜が戻ってきた。