告白編:好きだから、キスしたんだ
告白編:好きだから、キスしたんだ
バチンッ!
光がはじけ、夢音の体が一瞬だけ光に包まれる。
クラリッサ「――っ!」
夢音「う、うわぁあああ!?」
シュウウウ……!
夢音の体が男に戻っていく。
華奢な胸元が筋肉に変わり、声は低く、顔立ちも少しキリッとした男前に。
クラリッサ「っ……ああっ、そ、そうだったあああああああぁぁぁっっっ!!」
夢音(♂)「……え? クラリッサさん?」
クラリッサ、両手で顔を覆い、真っ赤になって叫ぶ。
クラリッサ「わ、わ、忘れてたっ……! “好きな人とキスしたら、性別反転する”ってっ……!!」
夢音「……………………はっ⁉」
一瞬の静寂のあと――
夢音、顔を真っ赤にして、けれど真剣な声で叫ぶ。
夢音「なぁあああああああああっ!!」
クラリッサ「ひぃっ⁉」
夢音「オレ、好きな人としかキスはしねぇからァァァァァッ!!(ドンッ)」
クラリッサ「………………~~~~っっっっ!!!(赤面MAX)」
◆
森に響く絶叫と乙女の悲鳴。
だが、確かにふたりの想いは伝わった。
そして、ふたりは恋を知った。
性別の境界線を越えても、想いは変わらない。
――そう、これは“好きだからこそ起こった奇跡”。