傷物令嬢である私との婚約で彼を苦しめたくなくて婚約破棄をしたら…
初投稿です!
文脈がメチャクチャだと思いますが温かい目で見守っていただければと思います!
※4/9 誤字編集しました
皆さまごきげんよう。
アーネット・パルフと申します。
パルフ公爵家の長女として姓を受け、現在王立学園に通っております。
最近では「社交界のバラ」と呼ばれることもしばしば。
そしてそんなわたくしには素敵な婚約者さまがおりますの。
我がリアト王国王太子ジュリオ様です。
ジュリオ様は成績優秀で運動神経も抜群。
おまけに生徒たちからの熱い信頼もあり、まさに絵に描いたような王子様。
わたくしはそんなジュリオ様を心からお慕いしておりますの。
ですが王立学園も残り半年で卒業というときにわたくしは事故に会ってしまいました。
お忍びで街に出ていました。
その時、馬車に轢かれそうになった子供を庇い足を骨折し、背中に傷ができました。
足の骨折は軽症でしたが、背中はだいぶ重症だったようで一生消えない傷となってしましました。
その話題は瞬く間に社交界へ広まり、「社交界のバラ」から「傷物令嬢」と呼ばれるようになってしまいました。
ですがお父様やお母様はわたくしの行動を褒めて、「気にする必要はない」と励ましてくださいました。
わたくしはそんなことはどうだっていいのです。
背中に傷が残ろうが周りからなんと言われようが気にしていませんでした。
ですが、ジュリオ様にとって婚約者が傷物であっては恥以外の何者でもないのです。
また、わたくしの怪我についての噂と同時にジュリオ様が他のご令嬢と密会なさっていたとの噂が広がりました。
その噂と治療の苦痛が重なりかなりの精神的苦痛も感じていました。
そして段々と「傷物の自分は相応しくないのではないか」と思い始め、ただいま王宮のジュリオ様の執務室の前まで来ておりました。
とても悲しいですがジュリオ様のためと思えば少し気持ちが軽くなります。
「いい加減腹を括らなくては、ジュリオ様を解放して差し上げなくは…」
深呼吸と同時に大きな扉をノックしました。
するとわたくしの大好きな耳に残る低い声が聞こえ、早くも決心が揺らぎそうでした。
そんな自分を慌てて隠し、落ち着いて入室していきました。
「失礼いたします。本日はお時間をとっていただきありがとうございました。」
「いや、構わない。しかし怪我は大丈夫か?随分と重症だったと聞いたが…」
優しいジュリオ様は怪我を心配してくださりました。けれどこの言葉の裏でわたくしのことを恨んでいらっしゃるのかもしれません。
「ご心配ありがとうございます。おかげさまで元通りとまではいきませんがだいぶ回復したかと思います。」
「ならよかった。」
はやく、はやく本題へ移らなければ。
「ジュリオ様、突然申し訳ございません。わたくしとの婚約を…破棄、していただけませんか?」
そう言った瞬間泣きそうになりました。
そして当のジュリオ様は訳がわからないと言った顔をしていました。
しばらくの間無言の時間が続き淑女の仮面が剥がれ、本当に泣きそうになっていきました。
するとジュリオ様が恐る恐る尋ねてきました。
「その…理由を聞いても?」
わたくしは涙がこぼれそうになるのを堪えながらゆっくりとあらかじめ用意していた言い訳を言いました。
「好きな、殿方ができましたので…」
すると突然ジュリオ様はわたくしを抱きしめてきました。
「じゃあ、なんで泣きそうな顔をしているの?いつものアーネットならこういう時緊張はしていても泣くことはしないと思うけど。」
そう言われた瞬間体がこわばりました。
「本当は他に理由があるんじゃない?」
そう言われた瞬間必死に耐えていた涙がこぼれてしましました。
それをみたジュリオ様はわたくしを抱えてソファまで連れて行ってくださいました。
ジュリオ様の膝の上で抱きしめられて思わず本当のことを話してしまいました。
「わたくしが…傷物になってしまって…ジュリオ様に迷惑をかけてしまって…それに…ジュリオ様にも…好きな方がいらっしゃるのに…傷物のわたくしがそばにいては…いけないと思って…」
そこまで言うと私の唇に何か柔らかいものが当たりました。
びっくりしてジュリオ様をみて初めてキスをされたことに気づきわたくしは赤くなってしまいました。
「アーネット、僕は君が好きだよ。」
そう言われてわたくしは心底びっくりしてしまいました。
「で、でもジュリオ様はほかのご令嬢がお好きなのではないのですか?」
わたくしが震える声で尋ねると、ジュリオ様はわたくしの背中を撫でながら
「違うよ。多分アーネットが言っているのは生徒のふりをして学園に護衛として潜んでいた王宮の侍女のことだと思うよ。」
そう言われてとても安心しました。
「それに僕はアーネットが傷物でも迷惑しないよ。むしろ子供を身を挺して庇ったアーネットのことを心配したけど誇りに思ってるよ。」
今度は違う意味での涙が溢れて今顔がぐちゃぐちゃしていると思います。
「アーネット好きだよ。どんな君でも僕は変わらず君のことを愛すと誓うよ」
今まで悩んでいたことがスッと溶けて心が軽くなったわたくしはジュリオ様に自分の気持ちを伝えました。
「ジュリオ様、こんなわたくしを受け入れてくださりありがとうございます。わたくしもジュリオ様のことをお慕いしております。」
そう伝えるとジュリオ様は満面の笑みでわたくしを抱きしめ、優しい口づけを送ってくださりました。
リアト王国国王夫妻は仲睦まじいことで有名であり、国民の憧れとなっている。
今日もアーネットとジュリオは子供達に囲まれながら幸せに暮らしました。
ジュリオの代からリアト王国は愛を象徴する国となり、恋愛結婚の風習が広がっていきました。
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