1-願い事かな絵馬す。
~~~願い事かな絵馬す~~~
※注意事項
① 必ず叶うとは限りません。
② 願い事は細かく書いてください。
③ 常に肌身離さずお持ち下さい。
④ 願い事が叶う時は近くに他の絵馬が無いようにお願いします。(神様が他の絵馬の内容と間違えて叶えてしまうかもしれません)
⑤ 願い事が叶った場合、何が起ころうとも当神社は一切関知致しませんのでご了承下さい。
以上5点の注意事項に同意した方のみお書き下さい。
あなたの願い事が叶いますように♪
手に持っている絵馬の使用上の注意書きがされた看板を、僕は一緒に来た友人と共に他愛無い会話をしながらながめている。
「それでこの絵馬って本当に叶うの?」
「ああ! 俺の情報によるとだな何人か書いたとおりに願い事が叶ったって奴がいるから間違いないさ!」
「お前の情報ってさ、当たるときもあるんだけどほとんど外れてなかったっけ?」
「何を言う、今回のは有象無象の情報の中でもっとも信憑性が高い奴だから大丈夫だ!」
「そう言って前に行った山の頂上にあるお寺を覚えてる? あの時、崖から落ちそうになるは、熊が現れるはで死にそうな目にあいながら登ったっていうのに結局ガセネタで何もなかったじゃないか。」
「まっまあ、そんな済んでしまった話をしなくても良いだろ…? それより、さっさと書きに行こうぜ!」
さっさと歩いて行く友人にため息をつきながら、僕も買った絵馬にせっかくなので願い事を書くために置かれている机のほうに行くことにした。
「そういえば、お前は何を願い事するんだ?」
「ん? 俺か、俺は前々からはまっているものがあってなそれを叶えてもらおうかなってな。」
「もっ……もしかしてあれか?」
「ああそうだ! 以前から言ってるが俺は………幼女になりたい!!」
僕はその言葉に頭を抱えて座り込んでしまった。 ………僕の友人はいつからこんな変態になってしまったんだろうか。
「ただの幼女でもつまらないからな、そうだな……不老不死で最強な美幼女とかに生まれ変わるというのでいこう!」
「いくな!!」
あまりのバカげた発言におもわず頭を殴ってしまった。
「いってぇ~別にいいじゃんかよ、人の願いは人それぞれだぞ。」
「願い事は人それぞれなのは別にかまわないけど! 幼女になりたいだと?そのうえ不老不死で最強とかふざけすぎだ! それに、そんな人間がいたら化け物扱いされるぞ!」
「それもそうだな~………それじゃあ、そういう人間がいても不思議でない異世界にってことで。」
「………。」
さらにふざけたことを言い出し絵馬に書き始めた友人にもう突っ込む気力も失せてしまった僕は、痛くなってきた頭を押さえながら友人のことはほって置いて自分の願い事を絵馬に書くことにした。
ん~願い事か、今は特別に叶えてほしいことってなかったな。
なかなか決まらない僕は、横で意気揚々と絵馬に書き込んでいる友人を見てみる。
内容はふざけた事だったけど、生まれ変わるか……。 どうせ叶うことはないんだから、僕もちょっと羽目を外した願い事をしてみようかな?
「それで、お前はなんて書いたんだ。」
書き終えた僕たちは絵馬を持って家に帰えるため駅に向かっていたんだけど、交差点の信号で待っていたら友人が僕にそんなことを聞いてきた。
「生まれ変わったら、カッコよくて強い男になりたいって書いたよ。」
「同じ生まれ変わりネタかよ。」
「願い事はひとそれぞれだよ。」
絵馬に書いた内容で盛り上がり始めた僕たちは、青信号になった交差点を渡り始め………。
何かに弾き飛ばされた感覚と周りの叫び声が聞こえる中僕の意識は闇に落ちていった。
最強物が書きたくてついつい書いてしまった羊です。
聖女のほうを書いていたらどうしても頭の中に出てきてしまいどうしても文字にして書いてみたくなりやってしまいました。
こちらの作品もすでにいろいろと用意していますのでがんばって両方書いていきたいと思いますのでよろしくお願いします。