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11 かぐや④
11 かぐや ④
「うー」と感情露わに小さくうなる声。
今朝の、気後れした態度は崩れ、感情を抑え、内心を一切感じさせない、凛とした少女の声は、もはや無かった。
虫の居所でも悪いのか? 当たり前でしょ。誰の……、いいえ、キ・ミ・が、原因よ。
少女は唇をとがらせ、はっきりと抗議を垂れ流す。
まさかこんなに待たされるとは思わなかったわ。発生と同時に対処しないんじゃ、予見の利点がないじゃない。さあ、授業も終わったんだから急いで向かいなさい。って、ちょっとどこ行く気よ。
今から補習? そんなのどうでもいいから。
出ないと後々ペナルティが厄介だぁ? 先に世界が無くなればそんなものもないわよ。君だって事態の深刻さをよーく把握してるでしょ。
呼び出された時間だから行く? こっちは朝からずっと言い続けて待ってるんだけど。ちょっとォー。