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第3話


さて、LINEのメッセージからなにやら分からないページに移動し、さらにそのページの下にリンクを見つけた白亜と忠哉。


「とりあえず……LINEから移動したこのページは『シャドウ・メモリア』ってアプリなのは分かった」

「あとは……ランダムに出現する『ダンジョン』とやらのモンスターを倒せば、経験値が貰えてレベルアップ、そのレベルに応じたステータスの上昇が得られると。あとはダンジョンにはアイテムをドロップするモンスターもいると」



ダンジョンのランクはE・D・C・B、 ・A・Sと6つのランクがあり、SSにいくほど難易度が高くなる。

しかしその分、入手出来る経験値やドロップ品の質はよくなる。


そしてプレイヤーと、一部アイテムには属性がある。

属性がアイテムについては、自分が持っていない属性のアイテムを装備していても効果はないらしい。

そして自分の属性は、レベルと「あるもの」を消費しなければ得ることはできない。



「他は……」



「しかし……問題はこれですね」


とん、と忠哉がスマホの画面を指さす。


「……プレイヤー戦闘、ね」


忠哉が指さしたのは、『プレイヤー戦闘について』の一文。

このプレイヤー戦闘では、レベルの上昇はない。

かわりに、『ポイント』というものが加算されていく。


勝てば相手の所持ポイントを奪え、負ければポイントを奪われる。

入手・奪取されるポイントは、対戦相手とのランク差次第。


そしてその『ポイント』は、一定のレベルに達成したとき、自分の属性やステータスを開放・強化するのに使用することが出来る。



「……つまり、ダンジョンでモンスターと戦闘してレベルをあげつつプレイヤー戦闘もしてポイントを得て、自分を強化していく、ってことね」

「ええ。そして……ポイントゼロとなった場合に起きると書かれている、『ポイント全損処置』ですが……」

「これについてはかかれてないみたい。『シャドウ・メモリア』を無関係の人間に広める行為も、『全損処置』と同様となります、とだけ」

「そうみたいだすね。まとめるとこんな感じでしょうか?」



①他のプレイヤー情報は、『名前』と『レベル』のみ確認できる。ただし、申請許可された場合は、許可されたプレイヤーの情報をみることが出来る。


②レベル:ダンジョンでモンスターと戦い、上げていく。ダンジョンのランクはE・D・C・B、 ・A・Sと6つのランクがあり、SSにいくほど難易度が高くなるが、その分入手出来る経験値やドロップ品の質はよくなる。


③所持ポイント:プレイヤー戦闘で入手可能。これを消費していくことで、レベルが達成すれば自身の属性やスキルの解放・強化を行える。

相手とのレベル差によって、入手出来るポイントが異なるが、負ければそのレベル差分のポイントを失う。ポイントがゼロになる、もしくは『シャドウ・メモリア』を無関係な人間に広める行為をした場合、プレイヤーには『ポイント全損処置』が行使される。


④プレイヤー戦闘:その名の通り、プレイヤー同士の戦闘。アプリ内の「プレイヤー戦闘」機能を使うと、自身が視認しているプレイヤーへ強制戦闘に持ち込むことができる。

*スキルやアイテムで、一定期間回避できる場合もあり。


⑤ランク:入手したポイントによるランク。


⑥ランキング:ランク内での順位。レベルやポイント数などによって日々変化していく。


⑦属性・スキル:一定のレベルに達し、ポイントを消費すると解放・強化することが出来る。ごく稀に特殊条件を満たすと解放される場合もあり。解放される種類は、名称により異なる。


⑧所属レギオン:プレイヤー同士のグループ。




「だね。にしても、属性やスキルは名称により異なる、か……この2つって、相手にバレたら自分の「名称」を知られる可能性があるってことだよね」

「すると必然、弱点もバレる可能性もありますね……」



しかし、いったいこのアプリはなんなのだろう。

一体、誰が何のために作ったのか。



「一通りアプリ内を見てみたけど、手がかりらしい手がかりはなし、か」

「とりあえずダンジョンに行きますか?マップ機能で、ダンジョンの位置はわかるようですが」

「今の私たちはレベル1……1番難易度の低いE級ダンジョンの入口でレベル上げするのが無難か………レベル上げないと、プレイヤー戦闘挑まれた時に即負け、ポイント全損処置ってなるもんね」

「ええ。ポイント全損処置の内容は分かりませんが、狙い撃ちになるのだけは避けらなれば……」


忠哉の言う通りだ。

このままでは、白亜自身も忠哉もポイントを奪われる絶好の的。

好んで戦いたい訳では無いが、中にはそうはいかないプレイヤーもいるだろう。


「というか、最初の武器が私も忠哉も片手剣って……」

「はは、まあ『円卓の騎士』だからですかね?」


アプリのホーム画面にあった、『プレゼント』の項目。

その上の吹き出しには、『1件のプレゼントがあります』とあった。

そのプレゼントとは、初期武器をランダムでひとつ入手できるチケット。

早速試したところ、2人とも片手剣を入手したのだった。


「剣、か」


ぽつりと、呟いた。

思い出すのは、選定の岩に刺さっていた剣。

誰も引き抜けなかったそれを、引き抜いたあの日のこと。


(………今さらだ)


ふるりと数度、白亜は頭を降った。



剣を引き抜き、戦い、ブリテンを収めた。

そして平和をもたらしたかも知れないが、結局最後は戦乱の世となり、ブリテンは滅んでしまった。



「白亜?」


呼ばれ、顔を上げる。

そこには、円卓で一番の忠義をもつ騎士だった男。



「ランスロット……」




もし、アーサーが王にならなければ。




そうしたら、ギネヴィアが妻となることもなかったかもしれない。


ランスロットが円卓の騎士になることは、なかったかもしれない。



それはすなわち、彼にガレスたちを殺させることもなく。


カムランの戦いも、起きなかったかもしれない。




ブリテンは滅びす、もっと良き王によって良き統制、輝かしい未来があったのかもしれない。




「……アーサー?」



忠哉ランスロットが呼ぶ。


けれど、目がぼやける。



「アーサー?アーサー、白亜!!」


(意識が……とお、)



遠のく。



ぷつり、と意識が途切れた。


そして次に目を開けると。




「ーーーどこ?」



そこは、一面花畑だった。




...

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