第2話
本日2度目の更新になります。
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あのプラットホームでお互いを視認した白亜たちは、現状整理が必要だと思った。
話をしようと言ったのが、白亜だったのかランスロット……現世での名前は忠哉……だったのかは、思い出した『記憶』が衝撃的だったせいで、2人ともはっきりとは覚えていない。
プラットホームを上がり、改札前で顔を突き合わせ。
「アーサー……?」
「ランスロット、」
過去の名前をお互いが口にして。
んんっと咳払いをしたあと、「白亜、貴志白亜だよ」と白亜から現世での名前を名乗った。
ランスロットもそれにはっとし、「忠哉、湖水忠哉です」と名乗った。
それからの流れは早かった。
白亜の家の方が近いからと、そのまま白亜の家に行き、白亜は乱雑に持っていた荷物をイスに置き、ふたつのコップに冷たい烏龍茶を注いで、テーブルに置いた。
「……何立ってるの?ほら、座る」
「あ、は、はい」
「…………あのさ、なにびくびくしてるの?」
「いや、その……」
その時だった。
~~~♪♪
この場の雰囲気に似つかわしくない、軽快なメロディが、部屋に響いた。
「は?」
「え?」
それは、スマートフォンから。
ただの着信音なら、ふたりも気には止めなかった。
けれど、その音楽は白亜も忠哉も聞き覚えのないメロディで、しかも同時にふたりのスマートフォンから流れてきた。
「え、なに…?」
「LINE、ですね」
「私もLINE」
スマートフォンの通知画面には、LINEの新着メッセージのお知らせ。
『【シャドウ・メモリア】からメッセージが届いています』
「「誰」」
思わずそう突っ込んだ白亜と忠哉。
とたん、勝手に画面が切り替わり、黒い背景に白い文字だけの画面が映し出された。
「……なに、これ」
そして一言呟いたのだが、それも無理はないだろう。
なぜなら、その画面にはこう書かれていたのだから。
【貴志 白亜 KishiーHakua】
名称:円卓の騎士王 アーサー
レベル:1
所持ポイント:10
ランク:Eー
ランキング:圏外
属性:???
スキル:???
所属レギオン:未所属
▫️装備
頭:装備なし
上半身:装備なし
下半身:装備なし
右腕:装備なし
左腕:装備なし
アクセサリ:装備なし
▫️ステータス
→こちらをタップすると確認できます
「なんだが……ゲームとかのステータス画面?みたいな感じだなぁ……そっちは?」
「俺もです」
そういって、忠哉は画面をみせてきた。
【湖水 忠哉 KosuiーChuya】
名称:湖の騎士 ランスロット
レベル:1
所持ポイント:10
ランク:Eー
ランキング:圏外
属性:???
スキル:???
所属レギオン:未所属
▫️装備
頭:装備なし
上半身:装備なし
下半身:装備なし
右腕:装備なし
左腕:装備なし
アクセサリ:装備なし
▫️ステータス
→こちらをタップすると確認できます
「私と違うのは、名前と名称のところだけか」
「ですね。名称は、過去の自分が反映されるのでしょうか」
白亜は『円卓の騎士王 アーサー』、忠哉は『湖の騎士 ランスロット』。
ここだけみれば、たしかにそう見えなくもない。
「……ん?」
「何かあった?」
「ここ、下の方にスクロールすると『シャドウ・メモリアについて』ってリンクがありますね」
「え、下?……あ、本当だ」
すっと画面をスクロールすると、確かにリンクがあった。
その文字を見ること数秒。
「……どうします?」
「どうするもこうするも……過去の記憶を思い出したことも、このサイトについても不明過ぎるし……現状を把握するためにも、見るしかないでしょ」
「ですね。…………そういえば、『昔』と随分話し方が違いますね」
「んー、確かに『アーサー』の記憶は思い出したけど『貴志白亜』の記憶のほうが強いからねぇ……それとも、」
言いながら、白亜はすっと目を細めた。
「君はこちらの話し方のほうがいいかい?ランスロット卿?」
アーサーの話し方をすると、忠哉はさっと顔を青くし、声もなくぶんぶんと顔を横に振った。
「そっ、じゃあとりあえずリンク辿ろ?」
「………いくらなんでも切り替え早すぎじゃありませんかね、白亜」
苦笑する忠哉を尻目に、白亜はリンクをタップした。
...to be continued
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