表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/34

番外編~ここまでのあらすじ

舞台設定を整えるまでに、ずいぶんかかってしまったので、ここらで総集編を。

極端な言い方をすると、実はこの一遍を読めば物語の「序」は理解できてしまいます。

 (わらわ)は龍! 空の王者である!

 下賤な人間どもよ、頭を垂れてよく聞くがよい!

 妾こそ、この物語の主人公である!

 四枚の翼を持つ巨大な龍として、妾は下僕の不死者を従え、この世界を平和に(恐怖で)支配してきた!

 じゃが、ルーダリアというケチな王国の王子と賢者が、古代魔法を遺跡より発掘し、妾を滅ぼそうと企てた!

 千里眼の特技を持つ、ファルトという不死者からこの報告を受け、賢明な妾はルーダリアの王都に攻め入った!

 妾の無双の活躍により、王都は陥落寸前となったが、王子と賢者の卑劣な罠にかかり、妾は今の姿にされてしまった! すなわち、この()()()()()()の人間の子供にされてしまったのじゃ!


 賢者めの話では、古代魔法とやらは、敵を精神年齢()()()()()の人間の姿に変えて、能力も見た目どおりに変えてしまうとか、なんとか……

(龍は、小さすぎる自分の背丈と、あまりにも平たい胸をしばし眺め、ため息をつく)


 ともかく、空も飛べず炎の息も使えなくなった妾を、邪悪なルーダリアの民は嬲り殺そうとした。しかし妾は屈服せず、何度殺されても蘇ることができた! 古代魔法で力は封印できても、不死身の命は封印できなかったというわけじゃ!

 そこで賢者は小賢しくも一計を案じ、妾を「奈落」に突き落として滅ぼすことを考えた。「奈落」とは、かつて、創造神と敵対した魔王が突き落とされたという、地獄に通じる巨大な穴じゃ。

 空の王者たる妾をそんな目に遭わせようとは、まったく、恐れを知らぬ所業じゃ。人でなしじゃ。


 彼奴(きゃつ)らは、妾を護送馬車に閉じ込め、精鋭の兵士を引き連れて奈落への旅を始めた。

 しかし心配はいらぬ。妾には指折りの下僕たちがおる。事実、不死者の女王・パラメシアが、救援に現れた。

 パラメシアは人よりも圧倒的に強く、魔法の技にも通じ、たちまち王子と賢者の一行を皆殺しに……するかと思われたが、アルゾという子供の兵士が反撃して、なんとパラメシアは撤退に追い込まれてしまったのじゃ。

 このアルゾ、田舎者でやせっぱちでソバカスだらけじゃが弓が得意なことだけが()()()じゃ。パラメシアの奴め、弓矢のような原始的な武器で自分が傷つけられることを想定しておらなかったようじゃの。


 とはいえ、パラメシアによって痛めつけられた王子と賢者の一行は、計画を変更する。

 護送馬車を七つも用意して、そのすべてに囮の女を乗せる。そうして妾の下僕どもの目を逸らしつつ、本物の妾は、あのアルゾという子供に護送させるのじゃ。そうして街道をバラバラに進みつつ、奈落の手前で合流しようという面倒な計画じゃ。

 今、妾は、(くだん)のアルゾという子供によって、馬に乗せられて連行されておる。

 妾がいかにしてこの苦境を脱し、ルーダリアの民に復讐を果たすのか。

 これは次回から先を読めばわかるのじゃ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ