ゆきなと守幸
いっしょにすんでるおとうとのもりゆきはとってもかわいい。
いつだってわたしのあとをついてきて、いっしょうけんめいおねえちゃんっていってくれる。
だからわたしはだいすきなんだ。
「もりゆきとけっこんするぅ~」
わたしのことばにもりゆきはとってもうれしそうにわらってくれる。
ほんとうにかわいくて、わたしももりゆきのとなりにいるとわらっていられるんだ。
おとうさんとおかあさんがよくいうしあわせってよくわからないけど、このきもちがそうなんだろうなぁ。
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いっしょに住んでる守幸はとってもやさしい。
からだが弱い私を家でもがっこうでもたすけてくれる。
だからわたしは守幸が好きなんだ。
「ご、ごめんねぇ……おともだちとあそびたかったでしょぉ……うぅ、なさけないおねえちゃんでごめんねぇ」
今日もまた迷惑をかけちゃった、だけど守幸はいつだって笑って許してくれる。
本当に私にはもったないないぐらい良いおとうとだと思う、守幸のとなりにいれば私は安心していられるんだ。
きっとこれが私にとって幸せなんだろう、この気持ちはぜったいに間違ってないと思う。
*****
一緒に住んでる守幸は……最近意地悪だ。
せっかく同じ部屋に居られたのに、親に直談判して別の部屋に移っちゃった。
ベッドだって私が入り込むととても嫌そうな顔をする……お陰で泣き真似が上手くなってしまった。
「えへへ、ありがとう守幸……今日も一緒に寝てくれて」
守幸は私の泣き顔にとっても弱い……病気で苦しんでたり外見のことで弄られたりして悲しんでいるとすぐに飛んできてくれる。
本当に素敵で頼りがいがあって、おまけにとても格好いい。
たまに告白されているところを見るし、ラブレターだってたくさん……私が仲介させられたこともある。
(みんな……ずるいよ……私だって……)
守幸と過ごす時間はとても幸せで、心が穏やかになる。
パパやママに相談しづらい微妙なことだって守幸には話すことができる、本当に頼りになる弟。
だからもう守幸の隣にいるのが当たり前に感じる……だけど将来彼が付き合って結婚するのは私ではない。
(何で姉弟なんだろう……こんなにも……好き……なのに……)
小さい頃は問題なく好きだと言えたし、今だってその気持ちに変わりはない……むしろ強くなる一方だ。
だけど今じゃそれを素直に伝えることは難しい。
だって私のそれは弟に対するものじゃなくて……恋愛感情なのだから。
(はぁ……せっかくこんなに大きく育ったのになぁ……)
知らないほうの親の血にはたくさん悩まされた、その代償として手に入れたスタイルは自分の目からしても魅力的なサイズだと思う。
だからさりげなく、日ごろの感謝も込めて弟にくっつけてやるがあまり喜んではくれない。
(やっぱり姉が相手じゃ……え、エッチな気持ちにはならない……よね……)
性欲が無いとは思わない、だけどやっぱり姉弟の関係だとそういう行為をするイメージが湧かないのかもしれない。
(少なくとも私なんかは弟の……好きな人の匂いを嗅いでいるだけで興奮するんだけどなぁ……私が変なんだろうなぁ……)
別に今の関係に不満があるわけじゃない……いや少しだけあった。
昔から弟は私の後をついて来ていたのに、今では立場が逆転している。
あれだけお姉ちゃんお姉ちゃん言っていたのに、まるでそっけないのだ。
(もう中学生だからだとか……思春期なんだからいい加減引っ付くなだとか……お風呂に乱入してくるなとか……別にいいじゃん……)
守幸は二言目には姉弟なのだからというけれど……そのたびに私は胸が張り裂けそうになる。
恐らくは多少血のつながりが薄いとはいえ、それでも確かに姉弟であることには変わりはないだろう。
(大人の決めた社会のルールに従って……ちゃんと大人になろうとしてて……守幸は立派だなぁ……そんなに真面目にならないでよ……)
ひょっとしたら泣き虫な私を支えようと、日々努力を積み重ねているのかもしれない。
だとしたら見当違いだから止めてほしい……これでも私は強くなっているのだ。
(守幸が困らないように恋心を隠して……ラブレターだって仲介して……何でもできるだけ一人でやろうと……本当に良い姉になろうと頑張ってるんだよ?)
尤も夜だけは甘えて、無理やりにでも一緒に寝てしまうがこれぐらいは許してほしい。
どうせいつかは離れなければいけない日が来るのだ、守幸の幸せのためにもいつかは離れなければいけないのだ。
ならばせめて今だけでもこの時間を大切にしよう……少しでも長く続くよう私なりに気を使って頑張って行こう。
そう思いながら私は守幸の隣で幸せな今を堪能するのだった。
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いっしょにすんでるゆきなおねえちゃんはとってもかわいい。
なにをするにもいっしょうけんめいで、あとをついていくぼくをきづかってくれる。
だからぼくはだいすきなんだ。
「おねえちゃんとけっこんするぅ~」
ぼくのことばをきくと、ゆきなおねえちゃんはとってもうれしそうにわらってくれる。
ほんとうにかわいくて、ぼくもゆきなおねえちゃんのとなりにいるとわらっていられるんだ。
おとうさんとおかあさんがよくいうしあわせってよくわからないけど、このきもちがそうなんだろうなぁ。
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いっしょに住んでいるゆきなお姉ちゃんはとってもみりょくてきだ。
だけどからだが弱いからすぐにつかれちゃうから、ぼくはいっしょうけんめいたすけになろうとする。
そんなぼくにゆきなお姉ちゃんはもうしわけなさそうにあたまをさげるんだ。
「ぼくがやりたくてしてるの……だってぼくはゆきなおねえちゃんがだいすきなんだからっ!!」
ゆきなお姉ちゃんはいつだってやさしくて、ぼくがこまってるとからだがよわいのにすぐにとんできてくれるんだ。
ほんとうにぼくにはもったいないぐらいすてきなお姉ちゃんだと思う、ゆきなおねえちゃんのとなりにいれば僕はあんしんしていられるんだ。
きっとこれがぼくにとって幸せなんだろう、この気持ちはぜったいに間違ってないと思う。
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一緒に住んでるゆきな姉ちゃんはとても無防備だ。
自分がどれだけ魅力的なのかも自覚せずに昔と同じように接触してくる……正直耐えるのも限界が近い。
だから無理やり別の部屋に移ったというのに、夜はベッドに忍び込んでくる。
「やっぱり嘘泣きかよ……本当に今日が最後だからな……」
断ろうとしても俺は姉ちゃんの涙に弱い……それが演技だと分かっていても断れない。
尤も姉ちゃんがこうして我儘を言うのはこういうときだけだ、普段は優しくて気遣いが出来て素敵な女性なのだ。
見た目もまた魅力的で美しい上にスタイルまで良すぎる、だから色んな男が接触しようとしている……そいつらを陰で処理するのもそろそろ限界だ。
(いや、やりすぎだってのはわかってるんだよ……だけどさぁ……はぁ……)
ゆきな姉ちゃんと過ごす時間はとても幸せで、心が満たされる。
親父やお袋のように、あるいはそれ以上に俺を優しく甘やかしてくれて笑顔を向けてくれる理想の姉。
だからもうゆきな姉ちゃんの隣にいるのが当たり前に感じる……だけど将来姉が付き合って結婚するのは俺じゃない。
(何で姉弟なんだろうなぁ……こんなにも……好き……なのに……)
小さい頃は問題なく好きだと言えたし、今だってその気持ちに変わりはない……むしろ強くなる一方だ。
だけど今じゃそれを素直に伝えるわけにはいかない。
だって俺のそれは姉に対するものじゃなくて……恋愛感情なんだから。
(だから今だって……正直限界寸前なんだぞ……)
聞くわけにはいかないが姉には多分知らない奴の血が混ざっている、そのせいで色々な問題があったが当面俺を悩ませているのは脅威のサイズを誇る胸囲だ。
昔と同じようにくっついてくる姉ちゃんだが、その柔らかすぎる感触はかつてなかったものだ。
好きな女性にそんなものを押し付けられて、意識するなというのは無理がある。
(姉ちゃんのほうは気にもしてないんだろうけどなぁ……弟を相手に……エロい気分になるわけない……もんなぁ……)
性的な知識が無いとは思わないが、やはり姉弟の関係でそういう行為を連想したりしないのだろう。
(俺なんか姉ちゃんの匂いを嗅いでるだけで……興奮してごまかすのが大変なんだが……やっぱり変だよなぁ……)
別に今の関係に不満があるわけじゃない……いや少しだけあった。
昔から姉は俺の為にお節介を焼いてきた、今でもそれは変わらない。
俺当てに女性からのラブレターだとかを持ってきて、彼女を作らせようとしてくるのだ。
(中学生になってもこうしてベタベタくっついて、お風呂にまで乱入してくるくせに……勘弁してくれよ……)
ゆきな姉ちゃんは二言目には姉弟なのだからというけれど……そのたびに俺の胸は張り裂けそうになる。
恐らくは多少血のつながりが薄いとはいえ、それでも確かに姉弟であることには変わりはないだろう。
(大人の決めた社会のルールを疑うことなく……普通に大人になろうとして……ゆきな姉ちゃんはしっかりしてるよ……俺を置いて先に行かないでくれよ……)
ひょっとしたら頼りない俺を支えようと、日々努力を積み重ねているのかもしれない。
だとしたら見当違いだから止めてほしい……これでも俺は強くなっているのだ。
(ゆきな姉ちゃんが困らないように恋心を隠して……興奮してもいつも通り対応して……出来るだけ姉離れできるよう一人でやろうと……本当に良い弟になろうと頑張ってるんだぞ?)
尤も姉の要求だけはどうしても断れなくて、結局こうして一緒に寝てしまうがこれぐらいは許容範囲だろう。
それにどうせいつかは離れなければいけない日が来るのだ、ゆきな姉ちゃんの幸せのためにもいつかは離れなければいけないのだ。
ならばせめて今だけでもこの時間を大切にしよう……少しでも長く続けられるよう俺なりに気を使って頑張って行こう。
そう思いながら俺はゆきな姉ちゃんの隣で幸せな今を堪能するのだった。
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「……ねえ守幸……私やっぱり守幸と……家族とどれだけ血がつながってるのか気になっちゃうの……だけどこんなことお父さんたちに言えないし……どうしたらいいと思う?」
「あのバカップルのことだから浮気の結果とかじゃないだろうし、そもそも姉ちゃんのこともめちゃくちゃ溺愛してるし……普通に聞いてみても大丈夫だと思うけどなぁ……」
「そ、それはそうだけどぉ……やっぱり……怖いの……」
「……姉ちゃんには俺が付いてるだろ、何があっても傍にいてやるから安心しろよ」
「……えへへ、守幸は本当に格好良いなぁお姉ちゃん惚れちゃうよぉ」
「な、なに言ってんだこの馬鹿っ!?」
「もぉ、守幸そう言う言葉遣いは駄目だぞぉ……まだ反抗期なのぉ?」
「う、うるさいってのっ!! そ、それよりどうすんだよ……結局聞いてみるのか止めとくのか……何なら俺から聞いてみても……」
「い、いや私のことだから私が……け、けどやっぱり聞き辛いし……うぅ……ど、どうしよう……」
「……親父たちに聞き辛いんなら、いっそ亜紀お婆ちゃんにでも聞きに行くか?」
「あっ!! そ、それいいねっ!! う、うんそうするっ!! 今度の休みに亜紀お祖母ちゃんのところに行って聞いてみるっ!!」
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