一話 目覚め
誤字、脱字がありましたら報告してくださるとありがたいです。
俺は地面に拳を叩きつける
「くそっ情報が少なすぎる」
結局、担任のカワを被ったナニカの正体は分からずじまいだった
だが今はそんなこと気にしている暇が無い
俺は拉致されたのか知らない場所にいる
あたりは真っ暗で無闇に動くのはリスクが大きい
しかし、ここに留まる方が危険だろう
そう思い、立ち上がり周辺を歩く
体感で10分ほど経過した
歩いてみて分かったことは
草木が辺りに生えていることから森または林であること
そして、月らしきものが2つあることから別の世界、現実的にいえば仮想世界など、または幻覚を見ている可能性がある
ただ、前者の可能性はかなり低いだろう
「目が覚めたら異世界でしたーなんてあるわけ『ありますよ、マスター』ない...........ん??」
上から聞こえた声に独り言を遮られ、上を見ると
そこには
真っ黒に染められている正方形のキューブがプカプカ浮いていた
『こんいちは、サポートAIのシロです』
「こんにちは、えっと俺に何の用かな?」
『メッセージが残されています。再生しますか?』
メッセージ?誰から?なぜ浮くことができる?
多くの疑問があるが今はとにかく情報が欲しい
「再生してくれ」
シロから光がでてホログラムのような立体的な映像が流れ出した
『ど~も!!主催者のXです。いきなりだけど、ルール説明をするね。君たちがこの孤島を脱出する方法は2つ!1つは10年間いき続ける。もう1つは生存者が最後の一人になるまで殺し合いをする。シンプルでいいね!!!もちろん脱出できたらご褒美が貰えるよ。さあ、どっちを選ぶかは君達しだいだ!それじゃあまたね~』
終始ふざけた調子で話をする主催者と名乗る女
だが、そいつが最後、またね~と言い終わった後に見せた笑みはアイツと一緒だった
あの、担任のふりをしていたナニカに
アイツが言った誰でもあって誰でもないとはこういうことか?
『マスターもう一度再生しますか?』
「いや、いい」
「シロ、この事について他にどのくらい情報を持っているんだ?」
『今、開示できる情報はほとんどありませんが相手のAIを取り込むことによって開示することのできる情報が多くなります』
「そうか、分かった」
つまり情報が欲しければ奪い合いをしろということか
本当、主催者は良い趣味してる
性格がひん曲がってるどころか1週間放置したイヤホンのケーブルくらい曲がってる
.......さすがにこの例えは分かりにくいか
『現時点で開示されている情報は<メニュー>と<特殊能力>です』
「じゃあ、<メニュー>について教えてくれ」
『はい、まずは<メニュー>と口頭で言ってください』
ん、簡単だなそんなので良いのか
「メニュー」
すると、半透明な板が現れ、
〇ステータス
〇イベントリ
〇クリエイト
と3つの項目が表示された。
イベントリやクリエイトの項目は灰色になっていて触っても反応しない。
なのでステータスの項目を触る。
=サトウ ユウマ=
Lv1
MP:100/100
CP:100/100
スキル:なし
特殊能力:なし
「なあ、このステータスっていいのか?」
『いえ、THE凡人ですね』
.......あ終わったわ。スキルもアビリティも無しとかこのステータスでどうやって生き延びんだよぉ。
なにこれ無理ゲーやん
『マスター、主催者から新しくメッセージが届きました。再生しますか?』
「ん?ああ、してくれ」
『ど~も主催者のXです。みなさ~ん、この赤いボタンを押してください!ぜんぜん怪しくないよー。怖がらず、さあポチっと!押せばきっと良いことがあるよ!.....ひき続きゲームを楽しんでくださ~い。』
Xの話が終わると目の前に赤いボタンがおいてあった
むっちゃ怪しい
そして、ご丁寧に看板が立ててあり[絶対におすな][危険!!]などと煽る文字が大量に書かれている
「はあ、おちょくりやがって」
『マスター、どうしますか?』
罠だという可能性もあるがこんなところで罠をしかけても主催者側にメリットが無さ過ぎる
何の意図があるかは分からないが、素直に従うべきだろう。
「押すよ」
ポチっと音が鳴ってボタンがへこむ
すると、目の前にガチャガチャが出てきた
ゲーセンとかでよく見るカプセルのやつだ
「回せってことか....」
ゆっくりとガチャガチャを回す
コロンっと金色の玉がでてきた
『やったー、あたりですよ』
「.....あたりとかあるのか?」
俺の言葉を遮るかのようにカプセルの中から光が溢れ
けたましいBGMが鳴り響く
光がやんだあと、パンパカパーンという音が鳴り
半透明な板に<特殊能力:「不死王」を獲得しました>
と表示された