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6.武装を整えよう

 翌日は可もなく不可もなく。朝は昨日煮ておいたイモの残りで済ませて、とっとと採取に出かける。木の槍(仮)とズタ袋に水筒を持って出発した。


 そろそろ納屋での寝起きが辛くなってきた。疲れが抜けきらないのだ。このままだと思わぬ事故に見舞われてしまうかもしれない。何か考えなきゃな。


 採取自体は森の広範囲で色々集めて来た。オルタさんが気に入るかは結構賭けだったが、全部引き取ってくれた。今日は稼いだよ。738リューム、今日は特に買う物も無いので現金で貰った。


 さて、明日が問題だよ。小さな開拓村では消費がそれ程ないのだ。だから在庫が捌けるまでにかなりの時間を要する。つまりもう買い取ってもらえないってことだ。


 困ったぞ。薬草採取が出来ないとまでは思っていなかった。前世の記憶ではこういう異世界ものでは定番で常に需要がある事になっているから考えた事も無かったよ。


 となるとお肉が次の需要になるんだけど、素手ではもちろん狩猟は難しい。そのための布石は打ってきたけどここまで早く買い取り拒否とは……。


 悩んでも仕方ない。直ぐに武装を整えよう。まずは槍だけど石附部分を黒曜石で賄おうとしてるんだけど、研磨にはまだ時間がかかりそう。


 また石附を取り付けるためには、チルの蔓から採れる繊維を紡いで糸にして、それで縛りつける必要がある。その上で膠を塗り固定するを2回ほど繰り返すと出来上がりなんだけど、繊維がまだ乾いていない。


 昨日直ぐにオルタさんが煮だしてくれたんだけど、乾燥までは間に合わなかった。さらに膠の採取もまだなんだよな。まあ、これはオルタさんに譲って貰うって言う手もある。


 槍の穂先は古い屑があるそうなので譲って貰う手筈は整えた。村長との交渉で錆て使えなくなった物を1500リュームで譲ってくれるらしいけど、持ち合せが無い。


 持ち合せが出来たら渡して貰えるように仮契約をして、錆落としと研ぎを進められるようにしたよ。今はオルタさんが薬液に漬けて大まかにさびを落としてくれているところだ。


 なので槍は手詰まり。研磨を急ぐくらいか。次に弓なんだけど、槍と同様に弦は乾燥待ち。成形にはもう1日は置いておきたい。と言う事で手詰まりだ。矢だけは作っておこう。


 ポーションの素材の採取はオルタさんでは使えないそうだけど、街に行ったときに売れるから前もって採取しておくのは良いだろうとのこと。


 もう1つ。この世界には魔法がある。その習得に励むと言う手もあるのではと思ったのだが、僕が何に向いているか洗礼を受けていない状態では分からない事。


 魔法を学んだ事があるのがオルタさんだけで、そのオルタさんも魔力が少なく断念している。つまり教えてくれる人が居ないんだ。


 触りだけは教わったけど。魔力を体内で巡らす事くらいだ。まだ魔力を認識していない僕では練習のしようがない。まずは魔力を感じるところからなんだ。


 八方塞とはこのことかっ! まあ、出来る事からやろう。また黒曜石の研磨を続けるか。3日目は、研磨で暮れて行った。


 4日目、今日は魔力ポーションの素材であるマカ草、ポーションの素材であるルカ草の採取をして街に行った時に売ろうと思う。


「オルタさん、マカとルカ採取に行きますけど、他に何かありますか?」


「うーん。ないねぇ。もう十分かな。気を付けて行っておいで」


「はーい。行ってきます」


 森ではマカ草を中心に採取を行った。ルカ草は基本的に見付け易い上、他の冒険者も集めるので安い。逆にマカ草は見つけ難いから他の冒険者が集めないので高いんだ。


 ルカ草はやっぱりそこら中で見かける。そこそこ採取を行ったら移動を繰り返しマカ草を探す。群生地を見つけない事にはマカ草は割に合わない。


「あるとしたらこの辺かもう一か所なんだよな。きっと誰も採取してないから有ると思うんだけど……。有った! やっぱり有った。とするとあっちも有望かな。」


 目的の場所2か所ともで見つけたので、昼前だけど村に帰る事にした。今日は繊維の乾燥と薬液漬けの槍の穂先共に出来上がるはずだからそっちを優先したいんだ。


「ただ今戻りました。オルタさん。マカとルカこれ干したいんだけど……」


「しょうがないね~。裏使っていいから、自分でやりな」


「おお、サンキュー。お借りしまーす」


「そろそろその敬語交じりの話方、何とかならないのかい。鬱陶しくてかなわないね。ほれ! 繊維と穂先だよ。あと砥石も貸してやるからさっさとやっちまいな」


「おお、重ね重ねサンキュー、サー」


 裏に回ってもう束にしてあるマカとルカをサッサと吊るす。戻ってきてオルタさんの傍で槍の穂先を砥石で研いでいく。


「なあ、シン。アンタ最近疲れてるようだけど大丈夫なのかい?」


「ん~? ああ、納屋暮らしがやっぱり堪えるんだよ。疲れが抜けきらなくってさ」


「やっぱりそうなんだね。疲れた体じゃあ、森の中は危ないよ。……仕方ないねぇ。アンタ薬作り出来るだろう? 夜は手伝いな。そうすりゃ泊めてやるから」


「えっ? いいの? するする。薬は教えてくれればやるよ。薬研とか乳鉢なんかの使い方は知ってるから。 助かるよ。久しぶりのベッドだよ」


 槍の穂先を研ぎ終わったところで村長の納屋に向かう。あれこれと片づけてから村長に挨拶をしてオルタさん改めオルタ姉さんの所に取って返した。


「お世話になります」


 サッサと槍に石附と穂先を付け膠で固める。乾くまで放置だ。弓は弦を張るんだけど湾曲した向きとは逆に曲げて行く。この方がより強弓になるんだ。穂先は借りだね。お金払って無いから。


 矢は今まで集めた出来るだけ真っ直ぐな枝を鏃も矢羽も無い鉛筆みたいに加工しただけの物を作ってある。20本作って8本は試し打ち兼練習用だ。


 これで武装が整った。明日は試し打ちと微調整を朝からして狩りに出るとしよう。

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