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23.お風呂あったよ

「まさか! その髪色のせいで虐められていたのですか?」


「チッ。たまにあるんだよ。田舎の方の里だと特にな! 迷信だので随分閉鎖的な昔ながらの所がよ」


 知らんがな。このまま喋らせとけば有耶無耶になるかな~? きっと無理だよな。どう言い訳するか、知らない物は知らないで突っぱねるか?


「こんなに綺麗な黒髪(・・)なのにこんなに埃と油まみれにしてしまって、クランハウスに着いたら洗ってあげますね」


「珍しいことは確かだし、昔の言い伝えでは不吉だのと言われているが、証拠がある訳でも何かそいつがした訳でもないのにな」


 おいおい! 黒髪はきっと前世のせいだと思うぞ。不吉なのかよ。結構嫌だな、そう言われると。


「ちょっとは俺の話を聞けよ。俺は成人した男だ。保護される謂れはない。それに腕を離せ! 色々当たってるぞ。最近のエルフは羞恥心ってもんが無いのか!」


「まあ! 別に幼子に触られたからと言って羞恥心など湧きませんよ。一人前の様な事を言ってこの子は。うふふ」


 思わずげんなりしてしまった。あくまで俺は小さな子供扱いなんだな。これでも大人の階段は昇ってるし(最近)既に複数と関係も持ってるんだが……。


「そら着いたぞ。ここがクラン『女神の園』のクランハウスだ」


 くそ。どうにもならないまま目的地に着いてしまったようだ。全く抵抗出来てない。流石に攻撃を仕掛けてはいないが、結構暴れてるつもりなんだがな。まるで意に介していない。


 2人掛りだからか? 成人男性が全力で暴れてるんだぞ? 俺の中の前世の記憶では女性に押さえ込まれるとしても関節を決められるとかそう言った武道の技の場合以外であり得んのだが。


「くっそ。全然動けない。なんでだ?」


「ふふ。そんなの赤ちゃんが暴れたって、お母さんが落としたりしないでしょう? 当り前じゃない」


 そんな訳あるか! 赤ちゃんじゃねえし。アタックボアすら斃してるし。訳分からん。


「赤ちゃんじゃねえ、成人男性だ。――っつ。おっかしい!」


「ミーシャの言はおかしいけど、俺達はCランクだぞ。レベル差を考えたらそうそう動けるもんじゃないさ」


 ――っ! そうか。キャラレベルか! そんなに違いが出るのかよ。見た目に騙されたが化け物ってことかよ。あ、思い出した。洗礼受けてないぞ。


 こうなっては仕方ない。気持ちを切り替えていい機会だと思い情報収集と行こう。逆らえないんだけどね。


 チリリリン。涼やかなドアベルの音を響かせてクランハウスのドアを開いて、とうとう俺は連れ込まれてしまった。『女神の園』と言うだけあり、女性的な雰囲気が漂う住まいだ。


 入って直ぐはリビングなのか、複数の女性がソファーで寛いだりしている。


「ん? どうした? シャーラ、ミーシャ? ギルドで依頼を見繕ってくるんじゃ無かったか? ……そいつは?」


 直ぐに話しかけて来たのはやっぱり北方エルフの女性だ。ミーシャに似て金髪だが、もう少し落ち着いた雰囲気を持っている。


「確保、いえ保護しました。まだ15の幼子です。どうしてこんなところに居るのかまだ事情は聞いていませんが、苦労をしている様子でしたので、ちょっとお風呂に入れますね。出来たら食事をお願いできませんか?」


 おお、風呂か! 確かにこの世界に来てから体を拭くぐらいしか出来てなくて野宿やらで環境が劣悪だったな。ちょっと元日本人としては有り難いかも。大人しくしてよう。


 風呂を借りてから脱出の手段は考えればいいしな。ふふふ~ん。石鹸とかもあるんだろうな。頼むぞ。


「そうか。仕方ない。まずは安心しなさい。ここなら心配はいらない。かわいそうにな」


 なんかかわいそうな奴扱いだが、風呂は借りたい。黙っていよう。そのまま二人に連れられて奥に行くと脱衣所だ。その向こうが風呂場だろう。


 2人掛りで衣服を脱がされたが、まあ、いい。そのまま風呂場に入っていく。おお! 風呂だ。風呂! この世界にも風呂があってよかった。結構元日本人としてはうれしいぞ。


 うーん。湯船はあるが湯が張って無い。残念だ。ガラガラー。俺が入って来た扉がまた開いた? 何かと思えば2人も全裸になって入って来たよ!


「お、おい! なんで入ってくるんだ。み、見えてるぞ」


 2人は股間だけは手拭で隠しているがそれ以外は剥き出しのまま特に気にする風でもなく、そのまま近づいて来る。


「何でも何も幼子を1人でお風呂に入れるのは危ないでしょう? そこに座りなさい。洗ってあげますからね~」


 シャーラは湯船に近づくと魔道具(?)に魔力を流してお湯を出す。ミーシャに肩を押さえられて小さな椅子に座らされ、早速洗われるって! じっとしてる訳ないだろ!


 俺は慌てて股間を隠すが、力では敵わない事を思い出す。思わず立ち上がって風呂場を飛び出そうとするもあっさりと抑え込まれる。シャーラに肩を押さえられてたよ。


「ま、待て。分かった。少し落ち着こう。俺は1人でも大丈夫だ。幼子は100歩譲って認めよう。でも肉体的には幼子じゃない!」


「? 知っているぞ。俺達だってエルフなんだからな。それがどうしたんだ?」


 うわぁ~。俺の常識が通用しないよ。エルフの常識ってどうなってるんだよ。俺の困惑をよそに、桶にお湯を汲んで俺の頭を濡らして行く。もう俺が何を言っても関係ない様だ。


 手順通りに頭、体と洗われて行く。もうこの状況じゃ、さわさわと色々当たるんだよ。隙あらば俺が逃げ出そうとするのがいけないのか異様に密着してくる。


 そうするとだな。まあ、生理現象も起きる訳だ。あらまあ、とか言って洗ってくれたし、色々やられちゃったよ。

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