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20.街へ⑤

祝令和! 午後にもう一度更新しますね。新時代だ。良く分からないけど。

 鍛冶屋の中はこじんまりとした売り場があり、奥には広い作業場が見てとれる。今日は、作業していないのか終わったのか炉の火は落ちているようだ。


「何が欲しいんだ? その恰好からすると見習いだろう? 大して金も持って無いだろうから見繕ってやるぞ」


 そうだけど、そうなんだけど。こうもはっきり言われると、どうもモヤッとするな!


「ナイフだ。採取と解体に使えて出来たら藪なんかも切り払えるような奴がいい」


「金もないのに一人前の事を言うじゃねえか。ほれ。中古品を俺が修理したものだ。この中にあるものなら3000リュームでいいぞ」


 ――っ! 3000って新品の値段じゃないのかよ。ナイフ高いな! ……そう言われてみれば日本でも包丁とか高かったか。


「お薦めはこいつだぞ。刃は鉄製で背にノコも付いている。問題は根元にちょい欠けがあるだけだ。刃渡りも結構あるだろ? 大抵の獣ならこいつで捌けるぞ。採取にはちょいとコツがいるがいい品だ」


「……貰おう。あとブーツと手袋は無いか?」


「そうだな。予算はどの位ってほとんどねぇか。そんじゃ、鹿皮の手袋と……足見せて見ろ。ふーむ。小せえな。こいつはどうだ履けそうか?」


「ああ、履けるな。ぴったりだ」


 ニッと鍛冶屋のおやじが笑って、説明したそうなので聞いてやることにする。


「こいつは俺の若いころの代物んだが、ブラウンベアの皮で出来てる。靴底には一応鉄板も仕込んであるから突起とかあってもそうそう貫けねぇよ。いい品だったんだが、あっという間にサイズが合わなくなっちまった。2000リュームでいいぞ」


 手袋も3000リュームで全部で8000リューム! 安いのは分かるが今の俺には高い! 弓も欲しかったが手が出ないかも。


「あと、その穂先な。もうダメだぞ。もともと錆びてたろ? その上何したか知らんが、罅が入っちまってる。その槍、売る気あるか? 研究用に買ってもいいぞ?」


「なら他のと交換してくれ」


「……結構図々しいな。そのボロと交換かよ。仕方ねぇなあ~。この短槍でどうだ? お前さんじゃこのくらいの重さじゃなきゃ使えねぇだろう? 青銅製だが悪くないと思うぞ」


「弓も見せてくれ。どっちにするか見たい」


「弓も使うのか? まさかと思うが自作なんかしてないだろうな?」


「もちろんした。一応ドゥードゥーとカラカラは獲れたぞ」


「エルブンボウか!」


「モドキだ。シーナしか手に入らなかったからな。それに壊れちまった。アタックボアとやりあった時に下敷にしちまったらしい」


「どこにある! 見せてくれ」


「近けぇよ。おやじに摺り寄られたって嬉しくねぇっての。世話になった処に置いてきたよ。今はシーナの原木の乾燥待ちだ」


「チッ! じゃあ、取って来い。交換してやる。全部シーナで作ったのか?」


「嫌だよ。今日、来たばっかなんだから、それに今はそこは危なくて一人じゃ近寄れねぇ。ブラウンベアが出るんだよ。今日、冒険者が討伐に行ったぜ。それからそうだよ。持ち手の所がシーナじゃ弱いんだよな~」


「なんでククリにしなかったんだ! そうすりゃ、そうそう壊れねぇだろ?」


「ククリじゃ硬過ぎて俺に引けないからだよ」


「ああ、そうか。射手によるか。……わしなら引けるな。おい、取ってくるなら、この弓、ライトボウと交換してやる。矢筒と矢のセットもオマケしてやろう。それに槍も見せて貰ったから値引きもしてやるぞ。契約するなら今、渡してやる。どうだ?」


 ……悪くない。どころかかなりメリットが大きいな。うまい話にはなんとやらと言うが、どうしたものか? 何か企んでいるのか?


 あるとしたら俺の作った武器は物凄くいい品で騙し取ろうとしているくらいか。……ないな。それは無い。どう考えても見習いの作った武器程度だ。


「いいのか? 大分損をするだろう?」


「ああ、だが、知らない物を知れるのは大きい。今後他に応用が利くかもしれんし、エルブンボウを作れるかもしれん」


「……作れんと思うが、そちらがそれでいいなら、ただし討伐が完了してからだな。俺程度じゃ近づくのは命取りなんだよ」


「ブラウンベアだろ? そんなにか? ふーむ、よっぽど弱いのかお前」


 ほっとけ! 大きなお世話だ。ああ、そうだよ。平和な日本生まれの日本育ちだから強くねえよ。こっちの奴が異常なんだよ。


「じゃあ、交渉成立だな。値段はどのくらいマケてくれるんだ? 3割引きくらいか?」


「そんなにマケたら赤字になっちまうだろうが! 1割だ」


「わかったよ。ほら、7200リュームだ」


 よし。これで最低限の武装は整ったな。青銅の短槍、ライトボウ、矢が10本、鹿皮の手袋、中古のブラウンベアのブーツ、そして鉄製の万能ナイフ。


 今日はここまでだな。宿をとって休むか。一泊200リュームの雑魚部屋にとまる事にする。


 酷いもんだな雑魚部屋ってのは。臭い、五月蠅い、油断がならないと最悪だ。


 ほとんど寝れなかった。いくらなんでも200リュームは安すぎたか。もう少しランクを上げてでもマシな所に行かないと体がもたないな。


 さて、ちょっと早いけどギルドに行って適当な仕事を探すか、昨日の冒険者がどうなったかも気になるから聞いてみよう。

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