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1.プロローグ

「やあ、不運だったね。ああ、私のことは、神様だと思っておいてよ。たまに居るんだけど、落っこちて来ちゃう子がさ。次元の割れ目とか言うやつ?」


 ふよふよと漂っていた処を急に引き寄せられ、見えざる存在に話しかけられたところだ。何を言ってるんだ? あれ? ここは? あ、体が無い! え、なになに? どうなってるの?


「ははは。混乱するのは分かるけど、聞いておくれよ。キミは地球から私の世界に落っこちて来たんだよ」


 え? 落っこちてって。死んじゃったのか? はは……は。まさかね? 体が無い事は置いといて、夢かもしれないしな。


「うん。死んじゃったね。生身で次元の狭間に落ちたんだから普通死ぬよ」


 ……。


「死んじゃったものは仕方ないよ。でも折角私の処に来たんだ。この世界も楽しんで貰ったら良いよ。と言う事で転生させてあげるから、ふふ。特別だよ。じゃあ、バイバイ」


 ちょっと待って~~~~。



     ◇     ◇     ◇



 大した説明も無く異世界転生だ……と。やった~。憧れの異世界! めちゃくちゃ楽しそう。やっぱ無双かな~、ハーレムかな~、ふふ。楽しみだな~。


 僕の名前は信、鈴木 信だ。年は15、暗い受験勉強を乗り越えて高校に合格して、さあ、これから高校生ライフを満喫するぞと言う時だよ。


 一番人生で楽しいかもしれない時だよ。彼女とか出来て、ディ○ニーランドとかでデートとかして、ひょっとしたらイチャイチャ出来たかもしれない。いたって普通の高校生になる予定でした。


 そんな折に夢にまで見た異世界転生! ラノベやネットで見ていたよ。俺様、超TUEEEみたいなのが好きだな。どうするよ。そんなところに来ちゃったよ。きっと高校生よりこっちの方が楽しいよね?


 それで僕にはどんなスキルをくれたのかな~? ……。あれ? その話聞いてない。って言うかくれたか? そのまま此処だった気がする。


 ここは見知らぬ街道のど真ん中。地球で言えば、田舎の道。そんな街道の真ん中に座りこんでいる自分を発見したところだ。


 ――っ! サーって音がするくらい血の気が引いた。も、もしだけど何の能力も無いままここで暮らすとしたらどうなるのかな?


 落ち着け! 落ち着くんだ。そう! 現状確認。これ大事。まず言葉は……おぉ、しゃべれる。ちゃんと言葉くれてたよ。希望が出て来た。


 次は、うーん。ここはフェレルア王国、ゾーク辺境伯領、最西端近くの街道だ。分かる分かるよ。お金はリューム、銅貨1枚で1リューム。すげぇー、どんどん知識が溢れてくる。


 よーし。これなら期待がかなり持てる。お待ちかねの自分の現状だ。……ん? あれれ? 知識が溢れて来ないぞ。そうか自分の事だからな。知識とは違うよな。


 もちろん知っているさ。ネットやラノベで散々読んだんだから、ステータスオープン! さあ、ここで割り振るパターンか、はたまた奪うタイプか超成長か。


 超強力な道具というパターンだけはなさそうだけど、だって何も持って無いもんな。0では無い、0では! 掌からビュッとか出てくるパターンもあるからね。


 そろそろ皆さんもお気付きですよね。なんで僕がこんなに長々と考え事をしているのか。そうです! 何も起きないからです。


 待て待て。言葉が違うんだ。きっとそうだ。鑑定! 能力解放! メニュー! ウィンドウオープン! ……。……ステータス――っ!。


 出た、出たよ。オープン付けちゃダメなのかよ! ああ、びっくりした。どれどれ。


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

 名前:シン  性別:男  種族:エルフ  年齢:15


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※


 あれ? これだけ。あ、僕エルフになってる。そこはいい、いや、ダメだけど取り敢えず置いといて。何も無いよ? 神様書き忘れた? そうだ知識の泉カモーン。


 ステータス。……その人の能力が見える。自分しか見えない。


 へーそうなんだ。って違う。自分も見えないんだって。あ、自分が知らないと見えない……だと。じゃあ、どうやって知るの? 自分の信仰している教会で洗礼を受ける。


 ああ、使えるようになるには洗礼が必要なのか。あーびっくりした。じゃあ、まず教会に行くしかない。主要な神様は5柱あると全能神、大地神、大海神、天空神、冥界神か。どれにしようかな~。


 おっと、その前に教会はどこにあるのかな? 大抵の街にあるってか。周囲を見回してみると右手の方に街らしきものが見える。左手の方には村らしきものが見える。


 さっそく街に行ってみよう。さっきから街道の真ん中であたふたしていたが右の方に向き直って街に向かってレッツラゴー。


 結構距離がありました。3時間くらい歩いたと思う。日本でも田舎に行くと林だとか森だとか原っぱとかの間を通ってる道。そんな処を延々と歩いてたんだよ。


 やっと街の周辺まで来て、ザ・城壁見たいな石組の壁にある門のところでみなさんが並んでる。なんとなく僕も並んでみた。元日本人としては、ちゃんと並ばないとなんか落ち着かないよね?


 なんの行列かなーと考えたら知識の泉から湧き出した。街に入るための検問、税金が1000リューム必要。100リューム=小粒銀貨と言う知識が来たよ。


 お金……ない。ラーメン屋の行列に並んだけどお金無くて食えなかったパターンと同じ? もう一度知識の泉カモーン。


 やっぱり。街に入るのは税金が要るけど村は必要ない。そうか~左が正解か。街に来る前にイベントこなさなきゃいけないよな。RPGなんかのゲームで定番だよ。


 仕方ない戻ってやり直すか。回れ右して元居た方に戻る事3時間、やっと村が見える処まで戻ってきた。多分村までは同じ位かかるだろうな。


 太陽の位置が中天を過ぎてるから、ってあれ? 太陽二つあるじゃん!? ああ、そうだった。異世界だから有ってもいいんだった。


 ちょっと不思議現象を発見しちゃった。お腹は減ったけど疲れてない。結構歩いてるよね? 体力上がった? これってここの世界標準なのかな?


「うん。疲れてないよな。それに体が軽い気もする。重力が小さいのかな?」

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