幕間 ガクルックスという星に生まれて 地図あり
本作をお読みいただきまして、ありがとうございます。
第三者がガクルックスについて解説する回になっています。
この人物が今後登場するかは不明です。
私はカストル。一介の商人だ。
もとは大棚の商店で働いていたが独立した。
独立してから3年たつがまだ駆け出しと言っていいだろう。
街から街へと移動しながら仕入、販売を行っている。所謂行商だ。
馬2頭と荷馬車1台が私の店だ。成人を迎えた2名の孤児を引き取り護衛兼従業員としている。
彼らはすっかり家族のようなものだ。2人とも引き取るときは成人だった。
孤児たちは女王の政策で成人(15歳)になるまでに武術や算術、読み書きなどを覚えるように義務付けられている。尤も、それらは孤児に限らないのだが。
何しろ女王は新しい数字を中央大陸で採用させた。なんでもアラビア数字と言うらしい。これもタケルムドウがらみだと思うが商人には大好評であっという間に中央大陸全土に広がった。
ただし正教国はこれを異端だとして採用していない。昔ながらの文字による数読みだ。そのため女王の国から正教国には商人はほとんど行かない。まあ、仮に行っても買い付けるものは何もないし、買いたたかれるだけだから。
この星はガクルックスと呼ばれている。
何故星であることを知っているか?それはタケルムドウが広めたからだ。当時の彼の発想は斬新だった。
ちなみに天動説などはとっくに忘れ去られている。今は地動説が広くいきわたっている。もはや説ではなく実際に地動なのだが。
何でもこの星は、「地球」という星の1.5倍ほどあるらしい。だが、私は地球と言う星の大きさを知らない。
どのように計測したのだろうか?
ちなみにこの地動説も正教国では異端扱い。
この星にはいくつか大陸が存在するが、一番大きいのは中央大陸と呼ばれている私たちが住んでいる大陸だ。
大陸の東にはドラゴンの台地と呼ばれる台地が広がっている。高さ数千mの上にある台地で巨大な滝があるらしい。
その南下には大きな湖がある。中央大陸一番の大きな湖だ。
中央大陸の中央には巨大な山々が存在する。噂によるとその山々を超えると精霊の住処と湖があるらしい。
「らしい」と言う表現になっているのは、そこに行ったことがあるのが女王とタケルムドウだけだからだ。
私は幹線道路を北から南まで移動して商いをしている。冒険者をしているわけではないので冒険はしない。
北は魔人族の村、南は人族の村、西は亜人族で東は人族の村を行き来している。
国は基本一つだ。基本と言ったのは南西に人族至上主義の国家である正教国がいまだに生き残っているからだ。先ほど説明した数字や地動説を異端としている国だ。
独自の一神教を信仰し、亜人や魔人族、人族ですら奴隷にすることを厭わない国である。
生まれてすぐに赤子に儀式を施すらしい。どんな儀式なのかまでは知らない。
それ以外は女王様の統べる土地となっているが、魔人族、亜人族については、自治権を認めている。
文化や風習が違うので人間のそれを押し付ける事はしていないらしい。他にも貴族に領地運営が任されている。だが、運営がうまくいかないと直ぐに女王の査察が入る。ゆえに無理な増税などは出来ないし、賄賂をとったり税をごまかしたり、勝手な法を設けることもできない。貴族だから何をしても良いわけではない。うまく領地運営しないと、すぐ行き詰まってしまう。なかなか大変だ。
そうそう、魔人族や亜人族、人族について説明しよう。
まず、魔人族。
魔人族は主に北極、南極の極地域で多く生活している。
魔人族は亜寒帯までがその生活圏となり、赤道付近では呼吸ができなくなり生存できない。なぜできないのは昔は分からなかった。
だが、タケルムドウに言わせると、肺の構成が単純なため酸素取り込み能力が弱いので酸素濃度がある程度濃くないと生きられないということだそうだ。
極付近は気圧が高く酸素濃度も何故か濃い。寒さに強く、暑さに弱い。魔法適合力が高く運動能力も高い。
赤道付近は酸素濃度も極ほど高くなく、気圧も低く、平均気温も高い。
次に、亜人族
彼らは獣人族とも呼ばれている。力も体力も運動能力も高い。その代り魔法適合が低い。
ゆえに、昔は人族の奴隷とされることが多かった。しかし、女王は奴隷として扱うことを完全禁止した。
それが気に入らないのが正教国となる。
亜寒帯、温暖地域が生活圏である。赤道付近や極地ではその運動能力が著しく低下し、生活に支障を及ぼす。
生活に支障を及ぼすというのは、思考が鈍り、運動能力が鈍り、闘争能力が鈍り、食欲が鈍り、性欲が鈍り、活動意欲が無くなる。なぜ、この2族に限りこのようになるのが原因はわかっていない。
タケルムドウも調査していたが根本的な原因は分からなかった。
最後に人族
これは人間やエルフ族などが該当する。
人間は魔法適合が獣人より高いが魔人族程ではなく、運動能力もほどほどである。その代りどこでも生活が可能である。極地、熱帯どこにでもいる。生殖能力にも優れるが、寿命が極端に短く、100年生きられないと言われている。これは魔人族、獣人族の3分の1以下、エルフ族と比べると10分の1以下となる。
エルフはエルフの中で種族が分かれる。山エルフ、森林エルフ、海エルフなどだ。ただ単に住んでいる場所が違うだけだと思うのだが。
エルフは魔法適合がほどほどに高く、運動能力も高く、寿命も長い。但し、生殖能力が低く、夫婦であっても子供ができるのは100年に一度とも、それに妊娠期間も長い。人間と同じくどこでも生活は可能である。
人族は何処でも生活は可能であるが、極地など寒い所より、温暖から熱帯に多く生活圏を構築している。
他にも精霊族や水棲族などが存在している。
この住み分けによって人族、魔人族、亜人族が今では争うことはほとんどない。
但し、正教国に対しては彼らが人族、魔人族、亜人族を奴隷として扱するために、正教国は全てに敵対している。
それぞれが争うこともしない。もし、戦争などしようものなら、あの『ジェノサイドクイーン』が出てくるのだから。
これを読んだあなた、『ジェノサイドクイーン』と言ってはいけません。絶対です。
もし、声を出して読んでしまった場合、責任を取れません。
さて、私は中央大陸の魔人族~亜人族~人族(除く正教国)を巡りながら行商を行っています。
先日、アルデバラン街から東に向かっていた時に青ドラゴンが飛び去っていくのを見た。ドラゴンが上空を飛んでいるのはとても珍しい。ドラゴンはドラゴンの台地を生活圏にしているからだ。
さらに、ハダル村に到着しようかというところで馬のいない馬車とすれ違った。一体あれは何だったのだろう。
ハダル村近くで何やら煙が上がっているのを見た。もしや山賊に村が襲われたか? と思ったがゴブリンに村が襲われかけたが全滅させ、それらを焼却していた煙であると村長から聞いた。
村を助けてくれたのは馬の無い馬車に乗った人たちだったとも。
ゴブリンに襲われるなどということは女王の治世になってからない。少なくとも私は体験していない。ただし山賊は存在する。
私は村長から聞いた話で馬の無い馬車の人達に興味を持ったが、東の最果てにあるポルックス村に行かねばならなかったので記憶の片隅にとどめるだけにした。
ポルックス村から東には道は存在しない。そのため、ポルックス村が中央大陸南東の最果てだ。
私はそこで商品を売ったのち、仕入れをして再び西へ向かう。
今までそうであったように。これからも。
ガクルックス中央大陸図
物語に関係のなさそうな人なので幕間とさせていただきました。
地図は下手で、申し訳ないです。
また、地図は変更になる場合もあります。
NG集を後書きに書いたらだめですか? 書かせてください。いえ、単に作者のミスなのです。
特に目を通していただかなくてもいいかなと。
ガクルックスのちょっとだけ細かい設定もあります。
そしてこのような書き込みは後書きより別のところに書いた方がいいのでしょうか?
活動報告ってほどでもないですし。
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王都の名前
・シリウス 作中に出てきていません。書き忘れてました。
王都の名前を予想していた方ごめんなさい。ええ、予想通りの名前です。
なんとか二部で出したいところです。
失敗
本当はローズマリーが女王の名前だったのですが、シャインローズという名前を間違えて書いてそのままアップ。この名前、過去、私がやっているオンラインゲームで使ってました。
路程ミス
アルケナルと王都の間にもう1泊する予定だったのですが、忘れてました。その名もアンタレス村! サソリ料理など有名でした。
あんた(作者)が忘れた。あんたがろす、あんたロス、アンタレスではありません。はぁ悲しい。
第二部について
もう、星の名前で村の名前を作れなくなりました。
βとかαとか星座の中の星の名前に記号がおおくて。そういえば何とか座βとかありますよね。
で、それなら銀河の名前でと思ったら。それこそ記号だらけで……。M78星雲を真剣に探した記憶があります。
ガクルックスの星についての設定。
脳内設定ですので実際の物理法則など考慮していません。
ニュートンさん、アインシュタインさん、宇宙学者さん地理学者さん他の方々ごめんなさい。
・ガクルックス星の大きさは地球の1.5倍程度、自転速度は地球の1.5倍くらい。
だからと言うわけではありませんが、1日はほぼ地球と同じ。
・上空には月が5つ周回しています。昼間でも見えます。地球でも見えますものね。
・極付近と赤道付近の重力差が地球より大きい設定です。
時間
・地球上の時間より1日は2分早い。1日は23時間58分とわずかに短い。
カレンダーは1ヶ月30日でそれが12か月しかない。1年=360日
異世界旅行について
・地球には2週間に1度戻ることが可能。魔石に魔力が自然と溜まるのが2週間かかるため。
アストルの魔力に反応して誤動作して一度戻ってしまう。
シャインローズが強制的に魔力を注入して地球に戻ることも可能。早い話自然に溜まるのを待たず、強制的に注入すればいつでも往復可能と言うことになります。
・地球の同行者は不可。ガクルックスから地球につれてくることも不可だったのですが、女王の魔石の設定ミスで実際は双方向で同行可能になってしまってます、それについて女王は魔石の再設定はしていません。
ちょっとしたこと。
最初の方でヘラトリックスの言っていた神とはシャインローズの事です。万物の神とか崇める神という意味ではなく、喧嘩に勝てないので神として扱うことで、負けた悔しさを忘れるための方便のために神扱いして誤魔化しています。
投稿したあと結構な量のミスや描き忘れがわかると背中から冷や汗が出てしまいます。
私の冷や汗の数より、読者の「?」の数の方が多いかもしれませんが。




