閑話6
唐突であった。女王様から突然の呼び出し。とはいっても魔法具による連絡。
そこに女王が姿を現す。もちろん実物ではなく蜃気楼のようなもの。
山波がそれを見たら、山波の世界よりもガクルックスの方が進んでいるのではないかと思うだろう。
「久しぶりねパルメ」
「女王様におかれましてはご壮健で何よりです」
膝を付きながらパルメは答える。
「ありがと、ところでパルメ特Sの旅訪者が現れたのを知っていますか?」
「特Sの? 残念ながら」
「そう、まあいいわ。そこであなたにも特Sの旅訪者と一緒に王都まで来てもらいたいの」
「わたしがですか? 構いませんがイリス様と一緒に向かうことになりますが」
「それは構わないわ。特Sという人物をあなたの目で見てほしいのよ」
「それは、あの関係。 ということですか?」
「ええ、そういうこと」
「わかりました。馬車で向かいます」
「馬車だとだめね」
「なぜでしょうか?」
「特Sの馬車が異様に早いのよ。特別な馬を使っても30マルメ出ればいい方。でもあれは100マルメは余裕で出るわ」
「100マルメですか?馬車が?」
「あれば馬車ではなく、車というものになるわ。異世界の移動手段の一つ」
「くるま?ですか」
「ええ、馬のいらない移動手段ね。あなたたちはアルデバラン街で特Sであるゴロウ・ヤマナミを見つけて何とか同行してほしいの」
「わかりました。観察以外にただ同行すれば良いのですか?」
「観察は第一ね。それ以外についてはパルメの裁量に任せるわ」
「わかりました。仰せのままに」
「今回も行き成りだったけどそれほど難しい仕事じゃないわね」
女王の映し出されていた場所を見ながら、パルメは一人屹た。
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まさか、アルデバラン街に付く前にこんなことになるとは。
山賊に襲われるとは思ってもいなかった。統治に関して女王様は厳しい。山賊など噂が出ただけで警備兵を向かわせるくらいだ。それができなかったということは、まだ新しい山賊かもしれない。
私は戦闘があまり得意ではない。スイナさまも怪我をしている。いざとなったら私が命を懸けて……。
その時目の前に現れた馬車。なんだこの馬車は、馬がいない。
まさかこれの事を女王様が仰られていたのか。
ジョルジュにスミレンあなたたち。
アークトゥルス様まで一緒に。フレイムウルフ!なぜここに。
でも、おかげで助かった。もうだめかと思った。
この人がゴロウ・ヤマナミ? とても特Sとは思えない。
スミレンに話を聞く、彼女は王都で17歳のとき女王様の警備隊のメンバーになり、20歳で一隊を任せられたつわものだ。22歳で除隊し冒険者となった。私も同時期に王都で働いていたこともあるので顔なじみだ。
スミレンも女王から一緒についてくるように頼まれたらしい。私と違うのは冒険者であることを利用して、護衛という名目も使っているので女王がらみとは分からないようにしているとのことだった。
そして車は快適だがやはり馬車で追いつくのは無理らしい。
最終的にはイリス様がメンカとリナンの事を妹のように思うようになり、彼女らと一緒に王都に行きたいと言われ、ゴロウさんがそれを渋々了承した。メンカとリナンの目と耳と尻尾には勝てなかったようだ。
紆余曲折あったが、こうして同行することができた。
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馬車に病人がいる? アークトゥルス様が呼ばれた。
だが、外見的な傷ではないのでアークトゥルス様の魔法も効き目がない。
ゴロウが私を呼んだ。スミレンじゃだめだった?
あれ? メルダじゃない。商人と結婚していたはずよね。
どうしたの? 4日? 出てない? なるほど。
ゴロウが持ってきた箱の中の薬と思われるものが入っている。
多分これでいいはずだ。それっぽい絵が描かれている。
この薬を服用させれば問題はないはず。
1錠飲ませる。少し様子を見てみよう。
なるほど良く眠れる薬?ここには入ってないわね。
そういう薬を女王様が探している? わかったわ私もさりげなく探ってみるわ。
思ったよりもいろいろ絡み合っているわね。
ゴロウ・ヤマナミか。
フレイムウルフやリトルベアを従魔にできる男。って言う認識でいいのかしら。
メンカとリナンも懐いている。
さらに調べてみる必要がありそうね。
薬は勘で選んだようでした。




