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第15話 旅は道連れ世は情け

ハダル村からアルデバランに向かう途中山賊に襲われていた馬車を助けた山波

メンカとリナンも王都まで行くことになる。

さらにNoと言えない日本人な山波。さらなる厄介事に足を突っ込む



 メンカとリナンの話を聞き終えたその時、イリスが話しかけてきた。


「ゴロウさんはアルデバランまで行かれるのでしょうか?」

「一応、目的地は王都になってますが今日中にアルデバラン街までは行くつもりです」

「まことに勝手ですが、私たちも同行してよろしいでしょうか?」

「えっ!」

「もちろん一緒に同行していただけるのであれば、護衛代をお渡しします」

「い、いえそういうことではなくてですね」

「ご迷惑はおかけしません」


 山波は困っていた。当然である。一人の旅が3人と1匹増えているのだ。そして子供2人。このままでは際限がない。


「えっと、馬車で付いてくるんですよね?」

「ええ、馬車は専用の物ですので置いていくわけにはいきませんわ」


 山波はアークトゥルスにした説明を再びしなくてはいけないのかと思ったが、


「馬車は執事とメイドが乗ってきます。私とスイナをそちらの馬車に乗せていただけないでしょうか?どうやら馬では追いつけそうもないくらいの速度が出そうなので……。そう、もちろん乗せていただけるのであれば運賃をお支払いしますわ。私とスイナの分で金貨1枚。いかがでしょう」


 山波にとってはうれしい誤算ではある。お金はあるに越したことはない。ここまでで既に5泊。最初の講習が1週間。あと2日ほどで一旦地球に戻ることができるが、どんな出費があるかわからない。


「わかりました。お受けしましょう」

「ありがとうございます。実は馬車は既に出発してしまって、ゴロウさんに断られたらどうしようかと思いました」

「そうですか。いまが2時ですから、3時には出発しようと思います。それまでに必要な事があれば済ませておいてください」


 一旦、解散になり3時に再び集まることになった。


 山波は双子をつれ車に戻りシャワーを入れることにした。村には風呂などもなく行水になってしまうので、それならとシャワーを使うことにした。

 アークトゥルスとスミレンに手伝ってもらい、シャワーで汚れを落としてもらった。

 上がってきたメンカには『冷やし中華始めました』、リナンには『キツネうどん』のTシャツを着せ、2人にレトルトのミートソースのパスタを作って食べさせた。


 アークトゥルスやスミレンが物欲しそうにしていたがそこは我慢してもらった。

 やがて二人は眠くなったようで座席で寝息を立てて眠ってしまった。


「また、旅の同行者が増えてしまったな」


 山波は独り言のようにつぶやきながら双子を見ていた。




「と、ところでゴロウさん。さっき2人が食べていたのは何ですか? なにやら甘いにおいがしたのですが?」


「ああ、あれかプリンだな」


 と冷蔵庫の中からプリンを出し、上蓋を開けて小さな使い捨てのスプーンを置いてアーティクルスとスミレンにそれぞれ渡した。



「それより、依頼をギルド経由で受けなくてよかったのか?」

「……」

「……」


 うむ、プリンに夢中だ。まるで生きる屍のようだ。


「まあ、問題ないでしょう。乗り合い馬車のようなものと考えれば」


プリンに夢中の女性二人に変わって、ジョルジュが答えてくれた。


「なるほど、ところでジョルジュはプリンはいらないのか?」

「俺はどちらかと言うとハダル村での酒がほしい」

「ああ、あの時手持ちの日本酒は全て飲んでもらったからな。ビールならあるが1本だけなら」


 と山波は冷蔵庫をあけ、野菜室の奥に入れていたビールを取出すと、缶ぶたを開けて渡した。


「……」


 うむ、ジョルジュも静かになってしまった。


「お前も飲むか?」


ライエに向かって冗談で言ったら、


『がうう(え?いいんすか?)』

「冗談だ」

『がうん(ざんねんっす)』

「ほらこれでも食べておけ」


 山波はライエが地球上の生物体系と違うことで、ビーフジャーキーを与えた。


『がううん(なんすかいい匂いがするっす)』

「ビーフジャーキーだ。ライエは人と同じものを食べても平気みたいだしな」

『がうう(どうもっす)』


『……』


 どうやらライエも静かになってしまった。



 と丁度その時、横のドアを叩く音が聞こえた。


「来ましたわ」


 イリスとスイナがドアの前に立っていた。


「いらっしゃい。まあそのまま上がって」

「はい、まずこれをどうぞ」


 イリスが山波に金貨1枚を差しだしてきた。山波は素直に受け取り、


「アルデバラン街まで2名様ご案内」


 と言った。


 しかし、そこで2人は、女性たちが何やら食べているものをみて、


「あれは?なにを召し上がっているのでしょう?」


 山波は冷蔵庫から同じくプリンをとりだし、同様に2人に渡した。


「料金に含まれますのでどうぞ召し上がれ。それとスイナさんはその鎧を着たままでは寛げないでしょ?脱いでも構いませんよ」


「お、お嬢様……」

「ああ。ゴロウさん。騎士たる者は鎧を任務中は脱がないものです。スイナはいま私の護衛をしておりますで、そのままにさせてもらえませんか?」

「あ、これは申し訳ない。どうもそういうことには疎いもので。騎士の矜持を傷つけたなら許してください」

「いえいえ、そんなことは。こちらの勝手を押し通して申し訳ない」



 後ろの座席を6人が座れるようにし、ライエは後ろにいてもらう。

 ジョルジュに助手席に座ってもらい。車を発進させる。



 時間が時間であったため遅くならないように速度を上げて車を走らせた結果、車は4時過ぎにアルデバランの街に到着した。イリスたちの馬車は途中で追い越していた。


「や、やっと着いた」


 なんだかいろいろあって本当にやっと着いたという感じであった

 門でそれぞれの身分証を確認しようとしたところ、イリスが顔を見せると門番が


「こ、これはイリス様、今日お戻りに?」

「ええ、セバンとパルメは後から来るわ。私たちはゴロウさんの馬車に便乗させてもらったわ」

「なるほど、変わった馬車ですな」


 そのあと、何やら話していたが門番が、


「どうぞ、お通りください」


 と言ってきたので、山波は車を門の中に進めた。


 さらに山波はイリスの指示通りに車を進め、やたらと大きな屋敷に停めた。


「ゴロウさん、本当にありがとうございました。無理を言って申し訳ありませんでした」

「いえいえ、こちらこそ。おもてなしできずに。それにしても立派な屋敷ですね」

「まあ、ここはお父様の屋敷ですから」

「はぁ。そうですか。我々は宿屋を探さないといけないので。それでは」

「そうですか。そうだわ、折角ですのでうちに泊まられてはいかがですか?」

「あ、いや、そんなわけにも」


 山波は助けを求めるように後ろにのっていたメンバーを見た。


「ゴロウさん、こういう時はむやみに断るのもなんですよ」


 アークトゥルスが耳元でささやく。


「いや、しかし、うちにはフレイムウルフもいるし、双子も。それに私自身貴族との付き合い方なんて……」


 山波は一般人である。何かを成し遂げて褒章を貰ったりしたことなどない。

 ちょっとした立食パーティくらいには呼ばれたことがあるがその程度である。


 2人の話を聞いていたイリスは微笑みながら、


「これは申し訳ありません、無理を言ってしまったようですね。それでは明日またお会いしましょう」


(えっ?明日?)と思った山波はそれを声には出さず、


「申し訳ありません、折角のお誘いを」

「いいえ、それではごきげんよう」


 そういってイリスとスイナは屋敷の中に入って行った。



 その後、山波達はアークトゥルスが探してくれたギルド直轄の宿屋に泊ることになった。

 ここでは馬車の駐車所も宿屋に併設されているのでそこに車は止め必要なものを持ち出して宿屋にむかった。

 メンカとリナンはライエに懐いてしまい、またライエも2人に気を許しているようで引き離すこともできず、仕方なく山波と同じ部屋に泊まることになった。


「とりあえずここで3泊しようとおもう。この街をゆっくり見てみたいし」

「わかりました。それじゃ出発まで自由行動にしましょう」

「ジョルジュとスミレンさんもここにいる間は護衛はなくていいですよ」

「そうか?それならそれでもいいのだが」

「まあ、街で魔物に襲われることもないと思うので」

「了解した」


 夕食の時にこの街での行動予定について話し合った。

 山波ももうすぐこの地で2週間になる。一旦地球に戻り足りなくなったものなどを購入しなければならない。

 車ごと戻るが、車は魔法で幻がこの地には残ると聞いている。何やら魔法万能である。


 一応双子とライエもつれて戻るつもりであるが、ライエは車でお留守番にしよう。

 双子は頭に帽子を被せれば問題ないだろう。なにしろ、服類や靴などは二人がいないとサイズが分からない。

 ライエは犬用シャンプーなどを買わないといけないが、それはライエがいなくても問題はあるまい。

 あ、あとは酒か。ヘラトリックスさんに1升瓶を数本買って行こう。


 などと考えながら眠りについた。


原文ママ

 ああ、これは書いて置かなくてはいけないか?

 双子はライエとともにベッドの上だ。

 私は一人でベッドの上である。

 まあ、つまり部屋は一緒でもツインの部屋である。



-------------------



???「ようやく普通に寝たわね」




 ここは邪神の支配下にあり、出てくる魔物がこれまでより1ランク上になっている。

 俺は*+@%と一緒に魔物たちと戦っている。

「○△※◆様、ここを抜けると邪神の間です」

「流石にさっきまでの雑魚と違うな」

 俺はそういいながら刀で魔物に斬りかかっている。


 魔物とはいっても、邪神が作り出している魔物たちなので、普通に森にいる魔物とは違う。

 最後の一匹。それが倒れると襲ってくる魔物はいなくなった。

 刀を鞘に納め。


「あとは邪神のみか」

「ええ」


ふたりは、目の前の巨大な扉に向かって歩き出した。




-------------------



台風が来ているようです。皆さんお気をつけて。

暇つぶしになるかわかりませんが、拙い小説を早めにアップします。

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