人生を絵に捧げた男の話
彼はしがないサラリーマンでした。趣味も無くただひたすらに空費される日常をもったいないと思い、彼は後世に残る何かを作ろうとしました。
彼は作曲を始めました。仕事をこなしつつ、日々浮かぶ旋律を綴っていきました。しかし彼は自分の才能の無さに絶望し、一曲も作り終えることなく作曲をやめてしまいました。
彼は彫刻を始めました。他の時間を削ってでも、彫像に自分を表現し続けました。仕事も辞め、彼は作品を完成させましたがそれに納得がいきませんでした。彼は他の方法でどうにか自分を表現しようと思い、彫像をやめることにしました。
彼は絵描を始めました。寝る間も惜しんで考え続け、ある一つの素晴らしいアイディアを思いつきました。しかし彼は睡魔に抗えず、仮眠を取ることにしました。
「何ということだ。あれほど素晴らしいアイディアだったのに。一体何故なのだろうか。これでは作品を作ることができない。もう自分を表現するには2つの可能性に賭けるしかない。」
それはある春の日のこと、一人の男がビルの屋上、飛び降り自殺をしました。そこには彼の求めていたユーカリの花が今でも供えられているそうです。
初めての小説です。拙い出来ではあると思いますが読んで下さりありがとうございます。