1/2
プロローグ
「う、……」苦し紛れによれよれの体を維持するために地面に剣を突き立てた。
そこには赤くてドロドロした液体が鉄のにおいをさせながら僕の腹部から垂れていた。
「ギャオオオ」っと周りに振動と緊張感を与えるような叫び声が響き渡る。その鳴き声があまりにも強大で恐怖で近くにあった瓶や壺が振動で割れた。
「大丈夫?ねえ大丈夫?」心配で今にも泣きそうな声がぼんやりと聞こえる。
(や……さすがにやばいな……これ生きていてもあっちで死ぬんじゃねえか……)
「っふ」っと少し笑みがこぼれた。
今僕は夢を見ている。
そうこれは夢の世界。
誰もがみるごく普通の夢…
そしていつか見る僕の夢。